デイジーにヒナギクの花束を・・・
人生を逆回転すると精神的にはどうなるんだろう?とアカデミー賞に13部門もノミネートされた今作に興味津々。“いのち”をテーマにした映画が一挙に公開されるなかでも奇抜さという点で他とずいぶん違う。どういうわけか、NHKのBS2では2月から8ヶ月に亘る手塚治虫特集が組まれています。そのオープニングとして“いのち”をテーマにした講演などを放映していました。その手塚治虫作の『火の鳥』には数編に牧村というキャラが登場しているのですが、彼はある贖罪によって若返りを宿命づけられているのです。ただ、牧村の場合、赤ん坊に戻ったら次は普通の人間と同じように歳をとり、永遠に往復の人生を繰り返すのです・・・
と、頭の中は手塚ワールドいっぱいだったわけですが、ところどころにデヴィッド・フィンチャーとブラッド・ピットの仕掛けが見られ、ストーリーに集中させられました。『セブン』を何度も思い出させる“7回雷にうたれた男”の映像によって、数字の“7”に関するネタがあるんじゃないかとホテルのルームナンバーもチェックしてしまいましたが、見つけたのは“25”だけ。航海に出た船が無事に戻れないのが8隻のうち1隻とか、数字に注意を向けさせておいて、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』を彷彿させるインドの映像を流すなんてさすがだ。
ベンジャミンとデイジー(ケイト・ブランシェット)の逆と順の成長比較を軸とした人生。皮肉なことに、40代で丁度普通のカップルになるという2人なのですが、最も普通で幸せな時は長くは続かない。ダンサーをしていたデイジーからすれば、彼の若さに嫉妬もするし自分が老けていくことに耐えられない。ベンジャミンからすれば、いつかは赤ん坊になるであろう自分の世話をさせたりするのが堪らない。子どもが生まれなければずっと一緒にいられたかもしれないけど、ベンジャミン自身が父親に捨てられた経験があるので子を手放すことも思いつかなかったのだろうと深読みできる。
結末の意外性を期待していたのに、なんだかあっさりしたものだった。日記の役割や認知症といった部分は老人養護施設で育ったことも絡めて現代的なテーマでしたが、これだけ長時間の映画にしたのだからもっと詳細に描いてほしかったところ。
ブラッド・ピットもオスカー主演男優賞にノミネートされてるのですが、良かったと思う俳優はベンジャミンを育てたタラジ・P・ヘンソンが一番。『バベル』でも夫婦役だったブラピ&ブランシェットも納得のキャスティング。その上、デイジーの少女時代を演じるのが、同じく『バベル』で彼らの娘役だったエル・ファニング(ダコタの妹)のも数奇なキャスティング・・・俳優賞より、何と言ってもCG技術に驚かされた映画でもありましたので、メイクアップ賞や視覚効果賞が有力なのかもしれません。
★★★★・
人生を逆回転すると精神的にはどうなるんだろう?とアカデミー賞に13部門もノミネートされた今作に興味津々。“いのち”をテーマにした映画が一挙に公開されるなかでも奇抜さという点で他とずいぶん違う。どういうわけか、NHKのBS2では2月から8ヶ月に亘る手塚治虫特集が組まれています。そのオープニングとして“いのち”をテーマにした講演などを放映していました。その手塚治虫作の『火の鳥』には数編に牧村というキャラが登場しているのですが、彼はある贖罪によって若返りを宿命づけられているのです。ただ、牧村の場合、赤ん坊に戻ったら次は普通の人間と同じように歳をとり、永遠に往復の人生を繰り返すのです・・・
と、頭の中は手塚ワールドいっぱいだったわけですが、ところどころにデヴィッド・フィンチャーとブラッド・ピットの仕掛けが見られ、ストーリーに集中させられました。『セブン』を何度も思い出させる“7回雷にうたれた男”の映像によって、数字の“7”に関するネタがあるんじゃないかとホテルのルームナンバーもチェックしてしまいましたが、見つけたのは“25”だけ。航海に出た船が無事に戻れないのが8隻のうち1隻とか、数字に注意を向けさせておいて、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』を彷彿させるインドの映像を流すなんてさすがだ。
ベンジャミンとデイジー(ケイト・ブランシェット)の逆と順の成長比較を軸とした人生。皮肉なことに、40代で丁度普通のカップルになるという2人なのですが、最も普通で幸せな時は長くは続かない。ダンサーをしていたデイジーからすれば、彼の若さに嫉妬もするし自分が老けていくことに耐えられない。ベンジャミンからすれば、いつかは赤ん坊になるであろう自分の世話をさせたりするのが堪らない。子どもが生まれなければずっと一緒にいられたかもしれないけど、ベンジャミン自身が父親に捨てられた経験があるので子を手放すことも思いつかなかったのだろうと深読みできる。
結末の意外性を期待していたのに、なんだかあっさりしたものだった。日記の役割や認知症といった部分は老人養護施設で育ったことも絡めて現代的なテーマでしたが、これだけ長時間の映画にしたのだからもっと詳細に描いてほしかったところ。
ブラッド・ピットもオスカー主演男優賞にノミネートされてるのですが、良かったと思う俳優はベンジャミンを育てたタラジ・P・ヘンソンが一番。『バベル』でも夫婦役だったブラピ&ブランシェットも納得のキャスティング。その上、デイジーの少女時代を演じるのが、同じく『バベル』で彼らの娘役だったエル・ファニング(ダコタの妹)のも数奇なキャスティング・・・俳優賞より、何と言ってもCG技術に驚かされた映画でもありましたので、メイクアップ賞や視覚効果賞が有力なのかもしれません。
★★★★・
メイクアップ賞や視覚効果賞・・・これが本命なんでしょうね~ただ残念なことに『ダークナイト』と賞を争う部門。しっかりと授賞式をチェックしたいと思っています。
アンジーは俺的にかなり有力だと確信しましたが、ブラピはどうなるんでしょうか・・・
>なな様
ダコタとエル!
いつかは姉妹子役として映画で競演してもらいたいものですね。
短い期間だけの蜜月。だからこそその愛が輝いてるんでしょうけど、映画を見ている者にとっても辛く切ないものですね。
>くう様
TBの件、失礼いたしました。
俺もファンタジーというよりキワモノ映画を想像していたのですが、やはりオスカー候補になるだけあってしっかり愛を感じられる作品でした。
若返りは羨ましくもあるけど、寿命を宣告されたも同然ですもんね。上手く計画すればそれなりに人生を楽しむこともできただろうに・・・やっぱり切なさがいっぱいです。
自然に年をとるのがいいですよね。
>ミスターシネマ様
仰る通り、時間を感じさせない映画でしたね~
子供になるという最後のシーンにはもっと時間を割いてもらいたいくらいでした。
若返り・・・まぁ皮膚だとか、体力だけにしてくれれば俺も若返りたいです(汗)
ベンジャミン・バトンは、話が淡々と進んでいくにもかかわらず、退屈にならず、上映前予告を含めて3時間余りと長い上映時間となっていますが、僕はさほど長く感じませんでしたね。
涙を流すような感動作ではないんですが、何か引き込まれるところがありました。
この映画を見ると、年を取って老いていく「普通の人生」の方が良いと思いました。
「若返りたい」って思うのは願望だけで十分ですね(笑)
もっと奇抜なキワモノ映画だと思ってたんですが、
すごく落ち着いて入り込んで見れました。
若返って羨ましい~って内容では無かったですね。
人は順当に年を取って、周りと一緒に老いていくのが
一番良い事なんだろうな~。。。
ブラビとケイトの美しさにウットリ~♪
メイクアップ賞は確実かな^^
ところでkossyさん~。。。
「チェ39歳」のトラバが来ちゃってたみたいです~^^;
お暇なときに「ベンジャミン」のトラバを
いただけると、うれしいなぁ^^でした♪
よろしくです(。。)ペコッ
「バベル」でブラピの子供を演じたあのコだったのですか~。
演技力はどうか知らないけど,お姉ちゃんのダコタより美少女ですね。
>ダンサーをしていたデイジーからすれば、彼の若さに嫉妬もするし自分が老けていくことに耐えられない。
>ベンジャミンからすれば、いつかは赤ん坊になるであろう自分の世話をさせたりするのが堪らない。
・・・この点が切ないですね~,二人が可哀想でたまりませんでした。
ブラピの若返りはとってもスリリング!いいオトコだなぁ~。
メイクアップ賞や視覚効果賞が有力だとおもいます。
ブラピとアンジーそろってオスカーは・・・
難しいかも!?
アンジーは期待してるんですが(笑)
原作をお読みになったのですかぁ~
どうもかなり違うようなイメージなんですな。
そう考えるとラブストーリーを中心に組立て、CG処理の技術を見せる映画だったんじゃないかと・・・映画の主旨も違うようで・・・
まぁ、奇抜な発想の物語は一本の映画にするには肉付け部分が大切だってことで。
ブラピの若返りは外見だけだったから見ていても「ふ~ん」となるだけでしたけど、ブランシェットのバレエなんてすごくなかったですか?あれもCGなんだろうけど・・・
>シネマ大好き娘さま
俺も寝てしまうんじゃないかと心配してたのですが、“7を探す”ということで集中できました(笑)
>ぱたた様
石田えり主演の映画~~?知りませんでした。
彼女が30代でセーラー服を・・・って、CGで修正しなけりゃきつそうな(笑)
意外としっかり作ってあるので見応えある映画でした。
>Prism様
終わり方があっさりだったのでしょうがないですよね。ここまで引っ張るんだからもっと泣かせるエンディングでもいいのに・・・
主要部門よりはスタッフの力を感じさせる内容だったから視覚効果賞等での受賞を希望します!
案外、アッサリした作品でしたね。
アカデミー賞も、主要部門は難しい気がします。
私は本作品の企画を最初聞いた時に
石田えり主演の『飛ぶ夢をしばらく見ない(1990)』を
思い出しましたよ。ただこちらは大人のお伽話です。
確か石田えりがセーラー服来てた覚えが(^^;)
20代に見えるブラピにキャ~~~~でした。
シミやシワを消して画像処理しただけだよって
本人さらっと言うてますが
あ~たの老け顔や若返り処理
他人の体に自分の顔をのっける合成にと
おそらくはものすんごい制作費が
かかってるんだろうなと邪推(爆)
原作では生まれていきなりしゃべり、
タバコをすい、
学校へも兵役志願もする。
外見だけでなく「中身も」老人から逆行していくので
映画のように外見だけ若返って
中身が認知症ってことにはならない。
何より家族と暮らしてることにびっくり。
もちろんそれゆえおこる、戸惑い、中傷は
まあそうだろうなという内容でかかれてました。
これふまえて映画みたら
これとことんラブストーリーに力いれてましたよ。
PS:ベンジャミンの育ての母
タラジPベンソンの年老いた風貌が
微妙に樹木希林に見えたのは私だけ???(笑)