靖国コスプレショー♪
右翼の妨害に遭い上映中止などの騒動があった問題作。文化庁推薦とか協力という問題も浮上していたようですが、この田舎石川県にまでは届いてこなかったようです。上映映画館であるシネモンドのある109ビル前では第三日曜日には右翼の街宣が行われるのに、『靖国』上映には何も言ってこなかったらしい・・・なぜだか「右翼でも左翼でもない。中翼(仲良く)だ!」という名言を残した藤岡弘、を思い出してしまいます。
そう、この物議を醸し出した映画。頭の中を空っぽにして観ると、中国人監督が作ったドキュメンタリーとは思えないほど中立の立場で描かれていることがわかります。終戦記念日である8月15日には時代錯誤甚だしい軍服姿のじいちゃんや、「大東亜戦争は侵略戦争じゃない」と声高に主張する右翼のあんちゃんなど、様々なパフォーマンスが見られ、神社の敷地内だけがタイムスリップしたかのような錯覚に陥ってしまうほど。中には「小泉首相を応援する」と主張するヘンなアメリカ人もいたり、その外人に対して意図もわからないのに「リメンバー、ヒロシマ」と罵声を浴びせる人もいたりして、ドキュメンタリー作家にとっては美味しい素材がいっぱいあるんですね。
失笑を禁じえないパフォーマーの姿々。そんな数々の愉快な人たちの中でも、不謹慎かもしれませんが、「南京大虐殺を否定する」署名運動が一番笑えた・・・署名したからって、どうなるってーのよ。「ほら、こんなに署名が集まったんだから南京虐殺なんてなかったでしょ?」とでも中国人に訴えるんでしょうか?同じ日本人として“なかったことにしたい気持”は理解できるけど、そこまでやるんだったらセコセコと靖国内でやるより、堂々と南京に乗り込んで行ってやってもらいたい。もちろん署名運動団長は石原慎太郎、副団長は稲田朋美で。
中立的という世間的評判とは裏腹に、個人的には風刺のパンチ力がかなりあったように感じました。とくに、日本人の心を尊重することを主張する元首相の言葉とは逆説的に、台湾や韓国の洗脳されて日本軍として戦争へと追いやられた外国人の遺族の心が蔑ろにされている点が強烈だ。高砂義勇兵の魂を取り戻すべく靖国へ7度も訪れているという台湾の高金素梅(きれいな女性)の主張は理路整然としているのに、取りあわない神社側。また、僧侶である遺族の菅原さんのインタビューも辛辣だった。
戦争の犠牲になった戦没者、英霊に感謝すること自体は自然なことだし、非難される理由はない。だけど、靖国には様々な問題点があることを忘れてはならない。政治家の詭弁に踊らされることなく、冷静に判断する材料をこの映画は与えてくれるのだ。また、刀匠の刈谷さんの仕事風景やインタビューを主軸にした構成によって作られていることも、日本人の魂に訴えてくるのです。一部の政治家が煽った、プロパガンダだとか助成金云々なんて議論することすらばかばかしい。
★★★★★(話題性を加味)
右翼の妨害に遭い上映中止などの騒動があった問題作。文化庁推薦とか協力という問題も浮上していたようですが、この田舎石川県にまでは届いてこなかったようです。上映映画館であるシネモンドのある109ビル前では第三日曜日には右翼の街宣が行われるのに、『靖国』上映には何も言ってこなかったらしい・・・なぜだか「右翼でも左翼でもない。中翼(仲良く)だ!」という名言を残した藤岡弘、を思い出してしまいます。
そう、この物議を醸し出した映画。頭の中を空っぽにして観ると、中国人監督が作ったドキュメンタリーとは思えないほど中立の立場で描かれていることがわかります。終戦記念日である8月15日には時代錯誤甚だしい軍服姿のじいちゃんや、「大東亜戦争は侵略戦争じゃない」と声高に主張する右翼のあんちゃんなど、様々なパフォーマンスが見られ、神社の敷地内だけがタイムスリップしたかのような錯覚に陥ってしまうほど。中には「小泉首相を応援する」と主張するヘンなアメリカ人もいたり、その外人に対して意図もわからないのに「リメンバー、ヒロシマ」と罵声を浴びせる人もいたりして、ドキュメンタリー作家にとっては美味しい素材がいっぱいあるんですね。
失笑を禁じえないパフォーマーの姿々。そんな数々の愉快な人たちの中でも、不謹慎かもしれませんが、「南京大虐殺を否定する」署名運動が一番笑えた・・・署名したからって、どうなるってーのよ。「ほら、こんなに署名が集まったんだから南京虐殺なんてなかったでしょ?」とでも中国人に訴えるんでしょうか?同じ日本人として“なかったことにしたい気持”は理解できるけど、そこまでやるんだったらセコセコと靖国内でやるより、堂々と南京に乗り込んで行ってやってもらいたい。もちろん署名運動団長は石原慎太郎、副団長は稲田朋美で。
中立的という世間的評判とは裏腹に、個人的には風刺のパンチ力がかなりあったように感じました。とくに、日本人の心を尊重することを主張する元首相の言葉とは逆説的に、台湾や韓国の洗脳されて日本軍として戦争へと追いやられた外国人の遺族の心が蔑ろにされている点が強烈だ。高砂義勇兵の魂を取り戻すべく靖国へ7度も訪れているという台湾の高金素梅(きれいな女性)の主張は理路整然としているのに、取りあわない神社側。また、僧侶である遺族の菅原さんのインタビューも辛辣だった。
戦争の犠牲になった戦没者、英霊に感謝すること自体は自然なことだし、非難される理由はない。だけど、靖国には様々な問題点があることを忘れてはならない。政治家の詭弁に踊らされることなく、冷静に判断する材料をこの映画は与えてくれるのだ。また、刀匠の刈谷さんの仕事風景やインタビューを主軸にした構成によって作られていることも、日本人の魂に訴えてくるのです。一部の政治家が煽った、プロパガンダだとか助成金云々なんて議論することすらばかばかしい。
★★★★★(話題性を加味)
本文ではあまり触れなかったのですが、刀匠の刈谷さんにしつこく質問していたのは、「百人切り」の真偽をそれとなく確かめようとした意図がありありでした。
これを押さえておかないと、あの執拗なインタビューが意味不明となってしまいます。
まぁ、その刀匠の部分にかなり時間を割いていたためバランスは悪くなってしまいましたが、ドキュメンタリーの構成としては可能な部分だけに限るとしょうがないのかもしれませんね。
靖国に関する様々な問題は映画では語られてなかったと思います。本当に右翼の攻撃にさらされる内容なら、さらにえぐらないとダメだと思うんです。ま、そのあたりは普通の批評にまかせることとして・・・
戦時中、生まれた時から、お国のため!天皇陛下万歳!と教育され、洗脳され、刷り込まれ、信じていた価値観を、今だに信じ続けている人がいる。
新しい価値観を受け入れることが出来た人もいる。
けれど、その苦悩は、想像を遥かに越えるはず。
しかし、どんなに苦悩したとしても、間違っていたと認めず、謝罪できないことは、罪深く、恥ずべきことだと思います。
刀鍛冶師の90歳の老人は、間違いなく前者だし、作品の柱とするには、特別すぎる人物でした。
日本人なら、あの鍛冶師の老人や、軍服をきて、参拝する戦争体験者を前者としてミルでしょう。
しかし、海外に向けに発表する作品としては、政治家や、靖国神社の宮司=後者と並べてほしくない=不適切だと思いました。
刀は、人を殺害するための道具です。しかし、日本の歴史上、武士が魂としたり、神事にも用いられたモノ。鍛冶職人は、神聖なモノを作っていると信じていたし、刀の出来映えに誇りをもち、政治的理念や使われ方を考えるまでは至らず【作るだけ】でしょう。
インタビュアーは、老人に人を切る道具を作っていると認識させたかったのでしょうが、少ししつこすぎると感じました。
物は作り手にも責任はありますが、使い手の責任の方が重い。
戦後60年。
『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』『ヒロシマナガサキ』『夕凪の街桜の国』『太陽』『蛍の墓』『littleBird』等、日本でも、世界各国でも、さまざまな作品が発表されています。
それらの作品を観るたび、戦後産まれの私には、学校教育や、家庭内教育において、確かに知識、認識が不足していると実感します。
日本の学校教育においては、近代史を濁す傾向があります。
通信技術が発達し、情報を容易に入手できる時代。
もう少し、歴史(近代史)の授業は力を入れる必要があると思います。
人は間違いを犯します。
間違いを認め、謝罪し、同じ間違いを犯さないことが大切。
尊い命を奪い、奪われる、戦争などという愚行は二度としてはならない。
第三国への資金援助も物質補給も反対です。
時代の、国の、犠牲者・被害者のご冥福をお祈りするとともに、遺族の方々の気持ちを優先した適切な対応・謝罪がなされることを祈ります。
また、平和で豊かな日本に生まれたことに感謝し、平和が続くことを願います。
追伸。中学時代、剣道の授業がありましたが、人を切るためではなく、スポーツと認識していました。
刀も今は美術品・伝統工芸品だと思っています。
つまらないことばかり記憶しているkossyです(汗)
>「右翼でも左翼でもない。中翼(仲良く)だ!」という名言を残した藤岡弘、を思い出してしまいます。
知りませんでした。さすが藤岡弘。僕もどっかで、お借りしましょう(笑)
今から思うと、映画館での鑑賞は、いつ右翼が殴りこんでくるかという心配や、隣の人が右翼だったらどうしよう・・・などという緊張感もあったと体が覚えています(笑)
遺族たちの言葉が一番説得力がありましたよね~ちょっと涙目になってしまいました。
ほんとに考えなければならないのは映画では伝わってこないことなんでしょうけど、映画批判も下火になってしまうと盛り上がりませんねぇ・・・
>失笑を禁じえないパフォーマーの姿々。
ほんとに・・なんか時がとまったような靖国神社。
僧侶である遺族の人の言葉は、説得力ありました。
知られざる靖国という場所がすこしだけわかったような気がしました。
歴史の勉強にもなったし、いろいろ考えさせられる映画でしたね。
映画館で売ってた『靖国~上映中止をめぐる大議論』という本を買ってみました。問題点がわかりやすく書かれていました。
問題にされる箇所はおっしゃるとおりなんですけど、一番の原因は監督が中国人であることなんです。これが日本人だと、ここまで大きな問題にならなかったはず。
そして、発端となる週刊新潮の記事。映画も観ないうちからどんどん問題を大きくしてしまったようですね~
自分が右翼になったつもりで観てみると、サブリミナル的に映し出される“百人斬り”の写真なんてのは最も反日的なんでしょう。それがなければ中立的だとはっきり言えるのに・・・
はたしてこの作品のどこ問題になるのでしょうか。
以下自論。
1、日頃映画にたしなむことも無い無教養でバカな国会議員が、助成金を出したのを理由に(勿論バカが出したわけでなく税金からでしょうが)観に行った。
あまりにもワッケワカランとも言えず、褒めるわけにもならずで、貶すしかなかった。
2、近頃ヒ~マな右翼のおじさん達がこれでなんぼか稼ごうと尻馬に乗った。おじさん達はこの作品を観てませんね。どこにも右翼の悪口は、ありません。
私にとっての一番の「問題」は、作品のもう一本の柱である「九十歳の刀鍛冶のインタビュー」でした。
かたやご高齢につきモゴモゴ。インタビュー側はキツイ中国的日本語。音録最低にて、意味不明多々。
最後のシーン 若き昭和天皇が、(多分、不本意ながら軍部の傀儡として忸怩たる思いで)諸行事に参加させられるお姿に涙した次第です。
途中チョコット寝てしまった非国民ですみませぬ。
たしかにそうですよね。中国人監督というだけで中立と思えない。まぁ受け取り方は様々です。
百人切りに関しては敢えて記事に書きませんでしたが、事件を証明できる人なんていないんですから、ちょっとした材料を与えてくれた程度にとらえてみてはいかがでしょう?
「南京の真実」は見たいんですけど、なんだか長そうだし、観る機会もなさそうだし・・・
編集のしかたが姑息でまるでこの刀匠が打った刀が百人切りしたみたいだ。
書き込みに感謝です!(笑)
戦争に対して反省がない人たちにも困ったものですけど、英霊を持ち上げていつでも戦争を始められるようにする人にも困ったものです。
反戦の誓いを立てるのならば、一般人の墓の前でも言ってもらいたいものですよね。その点小泉純ちゃんは広島でもしっかり発言してるし、わからない総理でしたわ~
妨害活動もそろそろ沈静化してきているのでしょうか。そろそろ右翼の方々もご覧になって、「問題なし」と判断したのかもしれませんね。
それでも「上映する意図」の問い合わせがあるとかないとか・・・
シネコンで上映するような興行収入中心の映画じゃないことは間違いありません。日本人として知っておかねばならない精神的なよりどころとしての靖国。外国人という中立的な見方で描かれているので、考えるいい契機になるかもです。
この作品話題ですが、こちらで公開されるのが市民映画館なのでかれこれ10年以上(ちなみに四月物語以来)行っておりません。
それ以上に最も問題なのがその週に公開作品が多すぎる事なんですよね。
さらにスポーツ観戦の4ブッキングとこれを選ぶと他の作品次週にパスすることになります・・・
実際に観てみたいですけれどね。
そんなに右翼が問題視し、国会議員が問題視する作品ですから・・・
歴史の勉強にもなるのでできればシネコンで上映してほしかった次第です。
日曜日でしたから、ミチ様の記事のおかげで10時過ぎに整理券を求めて行きました。それでも番号は33番!
10分くらいの間に30人も来ていたのね・・・
8月15日に行ってみたくなりました。もちろんコスプレショーを楽しみに。
まぁ金沢だったら護国神社でもそういったコスプレは楽しめるんでしょうけど、地元だと逆に怖かったりします・・・
刀匠の刈谷さん、核心部分で沈黙がありましたけど、ここが全てを語っていたと思います。「2度と行きたくない」とポツリと漏らしたのを聞き逃しませんでした~
>シネマ大好き娘様
全国順次公開ですから、そのうちきっと・・・
>翡翠様
文化庁の助成金は断る理由が見当たらなかったからなんでしょう。邦画ではもっと酷い映画にも助成金を出してますから、この映画だけ取り上げるってのはおかしいです(笑)
些細なことでも問題視するってこと自体がこの映画の価値を逆に高めちゃってるのかもしれませんね。反論もいっぱいあるので、実際に映画を見てみないとわからないことだらけ・・・
>ルールー様
パンフには、映画の撮影秘話みたいなこと、それと復習するのにもってこいの内容でした。
驚いたのは『ヨコハマメリー』の監督が助監督として完全なサポート役になっていたこと。中村高寛氏にも注目です。
もう1冊本を買ったので、読破したら、また記事にしちゃうかも・・・です。
小さい頃よく靖国神社にお参りに行っていたのに、近年行ってなかったから、終戦記念日があんなことになっていようとは!とびっくりしてしまいました。
東京では警官が待機していたり、なんだか物々しい雰囲気だったんですよ。
隣のオジサンは、コスプレのところとか中国帰れみたいに右翼?系のおじさんが叫んだりするところなどで大笑いしてました。
映画そのものは、わたしはちょっと記録映画みたいな感覚で観ていたんですよね。
でも、映画をきっかけに靖国問題についていろいろ考えたりできたことはよかったです。
パンフレットとかどこかで充実してたって書いてあった気がするんですが、どんなのでしたか?
わたしは人が多くて見ないまま帰ってきてしまいました。
文化庁の助成金の根拠は何か?
刀匠への説明と完成作品との矛盾、
靖国神社内での無許可撮影部分、などなど
人間として、どうなのか、
作品以前の問題でもあります。
私などは一度フラれてしまい、後日出直しました。
この映画がきっかけで今年の8月15日の靖国神社はさらに混雑するかも(汗)
出店のところで飲み食べしながら昔のことを語り合う人たちがいたりして、あの場所へ行って気持ちを共有したい思いもあるのかな~って。
刀匠の方の本音をもうちょっと知りたかったです。