イビキの集中砲火の中、耐え抜きました・・・
なぜだか最も印象に残るのがイビキでありました。ほとんどが法廷シーンであるし、映像には変化もない。映画ではなくラジオドラマが最適なんじゃないかと目を閉じてみたりしたけど、丁度田中好子の証言が終わってから、映画館ではイビキの大合唱が始まりました。それも前後左右離れた席で4人くらい・・・観客数からすると3分の1以上。
結局何が言いたい作品だったのか。冒頭の貴重な映像や竹野内豊のナレーションによって戦争の愚かさを語り、蒼井優と田中好子の証言によって民間人への無差別攻撃への批判で悲惨な状況を訴えてくる。しかしそれ以外の大部分は岡田中将(藤田まこと)の信念を描いただけであり、退屈すぎるという欠点がありました。実は殺してなどいない!などという大どんでん返しがあれば面白かったのに・・・実際、無実の罪で処刑された戦犯がどれだけいたことか・・・
このB級戦犯裁判の基本的論点は二つ。名古屋の空襲が軍事工場などのない住宅地への無差別攻撃だったのか?撃墜され脱出した米軍搭乗員を殺害したのは報復にあたるのかどうかという点。真珠湾攻撃が無差別になるかどうかなど興味深い論戦もあったけど、二点目では特に、復讐、報復、処断などの言葉の違いを説かれても、それは単に減刑になるだけの材料なので裁判としても面白味に欠けるのです。
映画を観た直後にテレビで放映されていた『東京大空襲』を見たのですが、禁止されていた無差別攻撃を最初に破ったのはドイツのゲルニカ攻撃や日本の重慶攻撃だということをまたしても頭に焼きつけられる。一旦法が破られると、際限なく報復が繰り返されることも再確認させられるけど、いつも被害に遭うのは何の罪もない民間人という事実に怒りを禁じえない。部下を庇った尊敬すべき将校を描くよりも、民間人を大量虐殺されたことに腹を立て復讐する兵士を描いてくれたほうが感動できるはずだ。
終盤では仏教哲学により信念をも貫いた様子も映し出され、人生に満足したかのような表情も見せてくれる中、「戦争は無くさなければならない」という彼の想いにハッとさせられる。が、それは一瞬。続く「それは避けられないこともある・・・」という言葉にがっくりさせられてしまった・・・
★★・・・
なぜだか最も印象に残るのがイビキでありました。ほとんどが法廷シーンであるし、映像には変化もない。映画ではなくラジオドラマが最適なんじゃないかと目を閉じてみたりしたけど、丁度田中好子の証言が終わってから、映画館ではイビキの大合唱が始まりました。それも前後左右離れた席で4人くらい・・・観客数からすると3分の1以上。
結局何が言いたい作品だったのか。冒頭の貴重な映像や竹野内豊のナレーションによって戦争の愚かさを語り、蒼井優と田中好子の証言によって民間人への無差別攻撃への批判で悲惨な状況を訴えてくる。しかしそれ以外の大部分は岡田中将(藤田まこと)の信念を描いただけであり、退屈すぎるという欠点がありました。実は殺してなどいない!などという大どんでん返しがあれば面白かったのに・・・実際、無実の罪で処刑された戦犯がどれだけいたことか・・・
このB級戦犯裁判の基本的論点は二つ。名古屋の空襲が軍事工場などのない住宅地への無差別攻撃だったのか?撃墜され脱出した米軍搭乗員を殺害したのは報復にあたるのかどうかという点。真珠湾攻撃が無差別になるかどうかなど興味深い論戦もあったけど、二点目では特に、復讐、報復、処断などの言葉の違いを説かれても、それは単に減刑になるだけの材料なので裁判としても面白味に欠けるのです。
映画を観た直後にテレビで放映されていた『東京大空襲』を見たのですが、禁止されていた無差別攻撃を最初に破ったのはドイツのゲルニカ攻撃や日本の重慶攻撃だということをまたしても頭に焼きつけられる。一旦法が破られると、際限なく報復が繰り返されることも再確認させられるけど、いつも被害に遭うのは何の罪もない民間人という事実に怒りを禁じえない。部下を庇った尊敬すべき将校を描くよりも、民間人を大量虐殺されたことに腹を立て復讐する兵士を描いてくれたほうが感動できるはずだ。
終盤では仏教哲学により信念をも貫いた様子も映し出され、人生に満足したかのような表情も見せてくれる中、「戦争は無くさなければならない」という彼の想いにハッとさせられる。が、それは一瞬。続く「それは避けられないこともある・・・」という言葉にがっくりさせられてしまった・・・
★★・・・
この作品もかなり面白く見てしまいました。
通訳を介しての裁判ってなんだかもどかしいですよね。
スティーブ・マックイーンの息子さん、父親似でしたよね。
富司純子だけよかったかも~~~
制作費は人件費が7割という感じの映画でしたので、殆ど法廷シーンばかりで眠たくなるもの無理ないですよね。
法廷シーンは見所でしたけれど、これならドラマでも良かったかな?とも感じてしまいますが、映画だから伝えられる迫力という点では好評価できる作品だと思います。
なかなか戦争裁判を描く映画も歴史的に難しいですけれど、時を経て描けるようになったのは時代の流れだとも思います。
近年責任逃れする人が多い中で責任の取り方を示した作品としては今の政府には岡田中将を見習ってほしいものです。
責任を取ったということは理解できるのですが、今の世の中だからこそ作れる映画だったんでしょうね。なんだか当たり前のことのような気がして・・・
もっとアメリカの責任をも追及するとか、戦争反対論でも展開してくれたらよかったのに。
>ミチ様
ですよね。相性もあるのでしょう~
他の作品は好きなんですけど、俺的にはこの映画は受け入れられなかったです。どうも作らされているような気もして・・・
マックイーンの息子という前情報はすっかり忘れてたのですが、彼の顔を見たとたんに思い出したほど酷似してましたね~懐かしかったです。
>シネマ大好き娘さま
俺は眠れませんでしたよ・・・周りのイビキのせいで!
富司純子は存在感ありますよね。『死神の精度』もかなり良かったです。
>PGM21様
俺はテレビドラマよりもラジオドラマ向きかな~なんて思っちゃいました。眠気はなかったけど、目を瞑っていたほうが岡田中将の心が見えてくるような・・・
戦争裁判はかなり多くの人が裁かれたんですよね。できることなら無実の罪で苦しんだ人を描いてくれたならば・・・と思ってしまったしだいです。
最近の責任問題・・・マスゾエ氏がかなりやばいです(笑)
>イビキの集中砲火の中、耐え抜きました・・・
はは、おつかれさん。
でもまあ、こういう映画を、みんなが眦を結してみるというのもちょっと重苦しいから、バランスとしては
いいのかもよ(笑)
実は夏休み中に「東京裁判」という映画を自宅で観てたんです。
こちらは「明日への提言」などとは比較にならないほど壮大で有意義な内容でした。でも映画館で観ていたら・・・やっぱりイビキをかく人がいただろうな~
裁判で有罪となり、絞首刑された戦犯岡田中尉は、人格者で、誇りだという作品ですよね。
戦時下、お国の為、天皇陛下の為と、大義名分を唱えようが、人殺しは人殺し。
軍人岡田中尉より、当時、反戦を唱え、非国民とされた人こそ、称賛すべきではないでしょうか。
また、検事も指摘していた通り、自分の部下の責任は、指揮官である自分の責任だと主張するなら、米軍のパイロットに対しても、処罰すべきは米軍指揮官と考えるはず。
製作の主旨、矛盾、疑問が多い作品でした。
仰る通り、俺もAki様と似たような印象です。
岡田中尉の人格者ぶり、部下を思いやる気持ち、それだけの映画です。今の世の中、これほどの会社の上司なんてほとんどいませんから、そうしたテーマがあってもいいかもしれませんが・・・
>主張するなら、米軍のパイロットに対しても、処罰すべきは米軍指揮官と考えるはず
この辺りが矛盾するところですよね。
原爆を落としたパイロットも東京空襲のパイロットも「命令でやったことだから」と罪の意識を持たないようにしている。戦争における上層部の考えと、下っ端の兵や民衆の考えを一緒にしてほしくないものですよね・・
『東京裁判』は長くて、かなり疲れましたが、日本人必見の作品だと思いました。
私は、学生時代、日本史選択でしたが、いったい、何を学んでいたのか…近代史は本当にスカスカ…受験の為だけに、年表を苦労してマル覚えしていただけでした。
日本人として、学生として、学ぶべき、知るべきことは、他にあったと思いました。
『ラスト・エンペラー』『パールハーバー』『硫黄島からの手紙』『太陽』『ヒトラー最期の12日間』『ヒロシマナガサキ』『夕凪の街桜の国』『靖国』『ライフイズビューティフル』『シンドラーのリスト』ドラマ『白洲次郎』等の作品が一気につながりました。
これらの作品、学生時代に観たかったです。
P.S.『実録・連合赤軍あさま山荘』で、学生運動の映像を観て、現在、なぜこのような学校教育がなされ、選挙の投票率が低いのかも…わかったような…気もします。