ただのプロレス映画だと思っていたら・・・やんごとなき青春映画だった。
一晩眠ると以前の記憶を失くしてしまう大学生五十嵐(佐藤隆太)。これだけの設定を見ると、記憶障害を扱った映画『50回目のファーストキス』と似ている。朝起きると、天井や壁には「日記を見ろ」という自筆の文字が何枚も貼ってあり、“明日の僕へ”と書かれた数冊のノートに目を通す。毎朝同じことの繰り返し・・・
根本的に『50回目~』と違う点は、自ら日記や写真を整理し、自分の過去の行動を理解し役立てようとしている性格だ。高次脳機能障害の原因となる事故以前の記憶は忘れることもなく、新しく記憶ができないだけ。したがって、事故直前に感動したこと、恋心を持った人を追い求めて行動するのだ。普通の社会人として働くことができないことも理解しているし、そのため家族にも一生迷惑をかけ続けることになることも承知している(これも毎朝確認)。だからこそ、学生時代に思い切って好きなことを・・・
五十嵐の熱き想いは理屈抜きで伝わってくるのです。一日しか記憶できない、だから毎日が一生懸命、アザが、筋肉痛が、カラダだって記憶する。毎日が彼にとっての一生の出来事。ガチンコではない学生プロレスであっても、生きる証しのためにガチンコとなってしまうのだ。しかも弱々しいレスラーのマリリン仮面。観客だってそんなひたむきさに夢中になってしまうのです。
プロレス研究会“HWA”の他の部員も個性的で飽きさせない。序盤の展開はすべっていたので心配したけど、さすがはウケを狙うのが主目的である学生プロレスだから、彼らのお笑い精神がそのうち自然に思えてくる。できればもう少し笑いたかったのですが、記憶障害の視覚効果の物足りなさと同様、作り手もガチンコで臨んでいたことが若々しさを感じさせてくれているので逆に良かったのかもしれません。
HWAの中では安全第一主義のレッドタイフーン奥寺(向井理)やHWAを去ったドロップキック佐田(川岡大次郎)が印象に残るし、五十嵐の妹(仲里依紗)がとても良かった。時折、向井理が瑛太に見えて、仲里依紗が上野樹里に見えてしまったのですが、そんなことを考えているうちに部室がSF研究会に見えてくる・・・だけど、クライマックスのガチンコプロレスに燃えてしまったので、そんな記憶も1日しか持たないだろうな・・・
★★★★★
一晩眠ると以前の記憶を失くしてしまう大学生五十嵐(佐藤隆太)。これだけの設定を見ると、記憶障害を扱った映画『50回目のファーストキス』と似ている。朝起きると、天井や壁には「日記を見ろ」という自筆の文字が何枚も貼ってあり、“明日の僕へ”と書かれた数冊のノートに目を通す。毎朝同じことの繰り返し・・・
根本的に『50回目~』と違う点は、自ら日記や写真を整理し、自分の過去の行動を理解し役立てようとしている性格だ。高次脳機能障害の原因となる事故以前の記憶は忘れることもなく、新しく記憶ができないだけ。したがって、事故直前に感動したこと、恋心を持った人を追い求めて行動するのだ。普通の社会人として働くことができないことも理解しているし、そのため家族にも一生迷惑をかけ続けることになることも承知している(これも毎朝確認)。だからこそ、学生時代に思い切って好きなことを・・・
五十嵐の熱き想いは理屈抜きで伝わってくるのです。一日しか記憶できない、だから毎日が一生懸命、アザが、筋肉痛が、カラダだって記憶する。毎日が彼にとっての一生の出来事。ガチンコではない学生プロレスであっても、生きる証しのためにガチンコとなってしまうのだ。しかも弱々しいレスラーのマリリン仮面。観客だってそんなひたむきさに夢中になってしまうのです。
プロレス研究会“HWA”の他の部員も個性的で飽きさせない。序盤の展開はすべっていたので心配したけど、さすがはウケを狙うのが主目的である学生プロレスだから、彼らのお笑い精神がそのうち自然に思えてくる。できればもう少し笑いたかったのですが、記憶障害の視覚効果の物足りなさと同様、作り手もガチンコで臨んでいたことが若々しさを感じさせてくれているので逆に良かったのかもしれません。
HWAの中では安全第一主義のレッドタイフーン奥寺(向井理)やHWAを去ったドロップキック佐田(川岡大次郎)が印象に残るし、五十嵐の妹(仲里依紗)がとても良かった。時折、向井理が瑛太に見えて、仲里依紗が上野樹里に見えてしまったのですが、そんなことを考えているうちに部室がSF研究会に見えてくる・・・だけど、クライマックスのガチンコプロレスに燃えてしまったので、そんな記憶も1日しか持たないだろうな・・・
★★★★★
前向きで熱い拾い物の映画。
めっちゃ気に入りました。
まだ,1本しか観てないけれど,今月のイチオシかもしれません。
高評価ですねー!
>五十嵐の妹(仲里依紗)
よかったですよねー。
出すぎず控えめすぎず。風呂場の及び腰がちょっと好き♪
私は「サマータイム・・」には及ばず。評価もちょっと控えめですw
深川湯も魅力でしたが久々に青春に引き込まれた映画です。
負けず嫌いが倒れても倒れても立ち上がる姿に感動。
妹役が西岡すみこに似ていて、結構うけてしまいました。自転車で兄の待つ海岸に行くシーンはプチ感動しました。
全体的にもかなりいい展開でよかったです。
久々にマイヒットでした。
喜怒哀楽がきっちとしていてグッドです。
・・・でもそこまでが大変だろうなという映画。
実際そんなに期待してなかったから。
ところがどっこい。
コレが意外と感動もんだったからさあ大変。
涙腺ゆるいもんだから
ドロップキックに目頭アツくなってました。(笑)
泉谷しげるもなかなか良かったです。
さすがに彼が笑わせてくれる場面はなかったですけど、こんな父親なら素敵だな~
>AKIRA様
あの部室、「サマータイムマシン・ブルース」の雰囲気がありましたよね~
俺もこれほど感動できるとは・・・
実はかなり期待していたんです。
記憶モノがここしばらくなかったからかな~
>たいむ様
冷静に考えたら、消えた記憶の映像化といった描写もなかったし、笑いもすべってたし・・・と、色々悩んだのですが、ラストに体が震えるほど興奮・感動してしまうのは滅多にないことなんで・・・
仲里依紗に関しては自転車で疾走するところが最高でした~
>祐さま
「サマータイム」とは部室以外でも銭湯という共通項があったのか~
俺も負けず嫌いの性格がうらやましく思えるほど。
西岡すみこ?
知らない・・・
『時をかける少女』の声の子だとは知らずに観てたんですけど、なんだか雰囲気が似てたのかも。
今のところ、今年の邦画NO1かも・・・
>tm様
笑いあり、涙あり、というのがいいですよね。
そういえば、それに加えて“ヤラセへの怒り”“病気の悲しさ”。喜怒哀楽の要素が全て揃ってるんだな~
>Ageha様
プロレスということで敬遠しがちですもんね。
記憶障害を扱ってることもあって、実は予告の段階で期待していました。
俺も涙腺ゆるいんですけど、最後の試合なんかも涙のせいでかすんで見えてしまい・・・
思わぬところで佐田も活躍するし、泣かせる要素をどーんと持ってきましたよね。
不遇な境遇にある主人公を過度に腫れ物にするわけでもなく美談や悲話にするのでもなく、彼なりの個性ゆえの青春として清々しく描かれていてとっても気持ちよく泣けちゃいました。
レビューはこれからですが、この障害って本当に辛い傷害ですよね。Blogに綴っているのもこういう事があっても書いた事を残すという意味でも書いている感じがしています。
監督が「タイヨウの歌」の小泉監督の第2作品という事でかなり期待しておりましたが、なかなかいい作品を作る監督ですね。まだ27歳という事を考えると次の作品もヒットすればたちまち人気監督の仲間入りもという感じです。
プロレスはゴールデンで放送されていた頃は本当に燃えたものでした。やっぱりプロレスは安全じゃあただのお笑いギャグですから最後のガチンコは本当に良かったですね。強いだけでは賞賛されないという事を教えてくれた作品だと思います。
なんて記述があり「そんな大袈裟な」と思いイオン三川で観ました。
やばいです。私もその通り、術中にハマり号泣ですよ。。
前半はプロレスコメディでナンセンスな所がクスクスですが、
徐々に後半の伏線を小出しにして、ラストの試合を盛り上げます。
妹が兄のメモを必死に自転車をこいで取りに行くシーンからウルッと。
何冊もある日記を父が読み、主人公のナレーションが入る辺りから
私の泣きのスイッチがオンになりました。
そしてラストの試合、相手が物凄く強くて、もうボロボロだけど
何度も立ち上がり、本当のガチンコ試合のようです。
監督はプロレス詳しいのでしょうね、良いカメラアングルが続きます。
同じチームのみんなや妹も泣きながら声援してる中、
一言も喋らなかった蝶野もどきの先輩が試合のクライマックスで
大声援を送ります。
もうここらへんは泣き過ぎ、霞んで画面がよく見えません。。
映画も本当に良いシーンで幕。本当に心地良いです。
★あ~書いててまたジワ-って潤んできましたよ。
あんな障害もあるんですね~。。。
プロレス研究会のメンバーの暖かさや
ラストのガチンコプロレスに感動♪でした。
妹も父ちゃんも良かった~。
やっぱりみんな思い出すんですね。「サマータイムマシーン~」と「50回目のファーストキス」。
私も思い出しました。
「一生懸命がいい!」という映画を久しぶりに見られて満足でした~。
”弱点Tシャツ”は何気にほしいです。
なんだかSF研究会もゆるくて楽しそうで、プロレスもみんな仲がよさそうで。
映画では熱くさせてもらいました。
恋もあるし。
今更サークル入っとけばよかったとちょっと後悔。
にしてもホントな苦とは思わず・・・でした。
わたしも相当泣いたり笑ったり第感動したり忙しかったです。
もし自分があんな障害を負ったらあそこまで努力できるか?と思うと、五十嵐の凄さに胸がいっぱいになりました。
プロレスってあまり好きじゃなかったんですけど、『力道山』の時もすごく興奮したし、案外好きだったのかもと今更ながら思ってます。(^^;;;
でも、見ず嫌いな人がいるのも理解できるタイプの映画なので、万人に絶対観てねとも勧めれられないかなとも思っちゃいました。
邦画といえば難病によって泣かせようとする作品ばかりですもんね。病気のことよりも、純粋にプロレスに打ち込むことで生きる喜びを感じられるなんて身につまされるものがありました。やっぱり青春なんだなぁ~~俺にもできるだろうか・・・
>PGM21様
俺はジャイアント馬場・アントニオ猪木を観ていた世代です(汗)
あまりにも過激な試合なんてのはどこかに嘘があるような気もしてましたけど、夢中になっていた少年時代にはガチンコであってほしいと願っていたものです。
タイトルが示すとおり、八百長があることに反発する意図もあったんでしょうし、多くのプロレス映画でも常に貫かれたテーマかと思います。
若い監督の才能、うらやましい限り。今後も期待ですよね。
>ぱたた様
号泣、号泣・・・
クライマックスで泣けてくる映画って、目がかすんでしまいますよね。ほんと、スクリーンがぼやけてしまって細かなところまで見えなくなりました。
俺はどこから泣いたっけかなぁ~
それにしても、2週目からすでに小さいスクリーンになってしまいましたが、観客動員数が少ないのかなぁ。やっぱりプロレス映画を敬遠する人が多いってことか・・・
>くう様
滅多にない病気ですよね。まぁ、この手の映画を観ていたら何度も出てきますので、映画の中の病気ってところでしょうか。
ガチンコのクライマックス、妹と父ちゃん。いや~泣けました。
>シネ吉様
あ~~良かった。
「50回目のファーストキス」は病気が同じものだから当然なんでしょうけど、「サマータイムマシン・ブルース」を思い浮かべるのは俺だけなんじゃないかと不安だったんです。
ガチンコというテーマだけでこれほど感動できるなんて、ほんと拾いものの映画でしたよね。
>ななな様
サークルというのはこじんまりとしてますもんね。
本格的なクラブとは違ってアットホームなところが素敵です。
俺は部員40人を下らないクラブに所属してましたけど、いい思い出も多いです。辛いこともあったけど、常にガチンコで勝負してましたから(汗)
>ルールー様
俺が同じ障害を負ったならば・・・考えると、何もできなくなりそうな・・・
それよりも彼に障害がなかったら、司法試験まっしぐらだったんでしょうね~
プロレスてのはスポーツであると同時にショーでもあるんだし、楽しめるはずなんです。あまりにもガチンコだらけだと、逆につまらなかったり・・・
プロレス嫌いの人にも勧めたいけど、なかなか難しいものがありますなぁ・・・
なぜだか満点・・・というか、俺の今年のベストテンには入るであろう映画でした。
設定は安易であるかもしれないけど、メッセージはかなり伝わってきます。
欲しいものはいっぱいあるのに手に入らない俺。こんなことじゃ自殺するのも悔しすぎる(汗)。あぁ、本当に豊かなんだろうか・・・あれ・・・
懸命に・ガチに生きる人には胸を打たれます。
欲しいモノ・やりたいことを全て手にした人の満足感はあるでしょうが、苦労して手にしたモノ・コトの感動は、ガチした人のみへのご褒美のごとく、過程にも、付加価値があると思います。
kossy様が欲しいと望み、手に入らないモノが、何なのかはわかりませんが、手にすることは、今後の、人生の楽しみでもあるのではないでしょうか。
不幸・苦労・渇望・痛みを知らない人は・・羨ましくもありますが・・幸福感・喜び・充実感・ありがたみ・感謝も気も薄いのではないかと思います。
あ~お風呂のシーンというのが思い出せません・・・
それにしても、欲しいものってのはキリがないものであって、自分の給料に見合ったものとか、人生の段階においてそれぞれ違うのかな・・・
苦労したご褒美だと考えればいいのでしょうけど、戦争を経験した親たちは常に言ってたと思うのですが、現代では言う人も少なくなってるかもしれませんね。
関係ないけど、政治家に二世・三世議員が増えてきてますが、庶民の苦労も知らずに法案を通していくのだと考えると、なんだかなぁ・・・
定職はありがたいものです。
なんだか、いろいろと批判的な内容の記事が多い俺ですが、やっぱり戦争を体験してないから重みがないなぁ~
映画でもそんなのが多い。
今やってる『イキガミ』なんてのもいいんだけど、やっぱり戦争経験者がいないってところで軽くなってるような・・・
戦争は人殺し。
どんな大義名分をもってしても戦争反対です。
科学兵器が開発された現代は、民間人が必ず犠牲となる。
環境を破壊し、難民をうみ、死の商人だけが儲かり、政策・商売の一つでしかない。
二度と同じ過ちを犯してはいけない。
戦争に限らず、文字で表せることや、想像力創造には限界があります。
経験に勝るものはない。けれど、様々媒体を通じ、技法・表現力で、伝えるしかない。
未経験者は、発信者の意図を想像力・読解力・理解力で汲みとるしかない。
双方の努力が必要です。
単に戦争経験=説得力や重みだとは思いません。
折しもオバマが次期大統領に選ばれた今日、考えてみました。彼が言う「イラクからの撤退」も所詮は矛先がアフガニスタンに向けられただけ。軍隊も兵器も戦争がなくなってしまうと経済が混乱してしまうジレンマ。徐々に軍縮していくしかないんでしょうけど、そこまでオバマはできるのかどうか・・・