先日書いた「こばな詞」であるところの「金髪と黒髪」。
アレに出てくる女性はなんとなく怖い感じに仕上がってしまいました。
その時に思ったのですが、本当はもっと可愛らしい女性を書きたかったのだと。
で、その女性を主人公にした「こばな詞」です。
変装したりお酒に溺れたりしません。
--------------- キ リ ト リ ---------------
「緑のぞうさん」 詞 Kosuke Yamada
私は今 恋をしています
欠かさずにお弁当を買いに来てくれる素敵な人に
商売なんかしてるわりには口下手だから
喜ばれる気の利いた冗談とかパッと言えないの
とあるお休みの日にお散歩していたら
見た事のない不気味な感じの路地に迷い込んだの
そこにあからさまに怪しげなお店が建ってて
そっと覗いたら何故か抗えもせず誘いこまれたの
お店の中にはババ様が佇んでて
品物は見たことない物がちらほら
キョロキョロしてるとババ様が
ゆっくり近づいて来て「恋の病じゃの」と物憂げに言うの
私は今 恋をしています
欠かさずにお弁当を買いに来てくれる素敵な人に
少しでも気を引いてみたくて色々な事
試してみてるんだけど あと一歩の決め手に欠けてるの
何故わかるんだろうと思いつつ素直に「ハイ」って言うと
お店の奥から箱を抱えてきたの
中は緑色の絆創膏の様な物に
象のイラストがあしらってあるもので なんかカワイイの
「これをじゃ 右手の食指にじゃ
巻いておけば恋してる殿方とじゃ 語らえるのじゃ」
「おいくらですか」と尋ねると
「一枚、二万円じゃ」とぼったくりに近い価格に焦るの
私は今 恋をしています
欠かさずにお弁当を買いに来てくれる素敵な人に
二万円する緑の象を巻いてお店で試してみたんだけれど
誰も気にもとめてくれないな
やっぱりぼったくりだったのかな
今度文句を言いに行こうかな
私に言える勇気はないけどね
私は今 恋をしています
その人がお弁当を買いに来たのでドキドキしてます
彼がお釣りを手渡す時に象さんを見て
声をかけてくれたのが嬉し過ぎてドギマギしてます
二万円の効果なのかしら
冗談も言えず「ハイ」と馬鹿正直に言うのが限界
だけど少しは心の中に住み込めたかな?
明日から夢の様な進展とか あるよね象さん
--------------- キ リ ト リ ---------------
こんな感じかなぁ。
もう少しビリジアンなイメージだな。
少しは可愛らしい女性になったでしょうか?
まぁ、僕は書いてる本人なのでどっちも好きですけど(笑)
ではでは。