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台風一家

壁面リフォーム

伴侶がそれを言い始めたのは大晦日の前日の朝だった。
突然、「キッチンの壁紙張り替えようか」と、突如言い始めたのでちょっとびっくり。
我が家のキッチンの壁紙は古びて色が変わり、おまけに糊部分が劣化して剥げておりその隙間から下地のコンクリートが見えている。
前の住人が使用していたクーラーの換気口ダクトの穴はガムテープでふさがれ汚らしく、使ってもいない電話線がごちゃごちゃかんに拍車をかける。
ずっと気にはなっていたものの「子供が大きくなったら…」「幼稚園に行き始めたら」と、のびのびで、結局幼稚園に行っても全く手をつけることなく今日まで放置されてきた。
伴侶もずっと気になっていたので、とうとう重い腰をあげることになったのだとは思うが、それにしたって大晦日前日に…?!

ちょっと意外なタイミングだったが、私も思い切って着手することにした。
思い立ったが吉日、この思いが冷めないうちに、とさっそくホームセンターに向かい、壁紙を購入。
必要とされる「はけ」や「ローラー」「竹べら」などをケチる為、玩具の粘土用ローラーや雑巾などで代用することにして最小限の買い物をすませ8000円ほど払って帰宅。
子供達には申し訳なかったが、ビデオを見せたり食べ物で釣ったりしながら、大忙しの作業が始まった。

はがされた壁紙はびりびりで、下地となっていた紙部分はのりのむらからかところどころ破れてしまっている。
結局昼頃からやっと着手し、壁紙をはがす作業だけで夜になってしまった。
最後まで壁紙をはがすことが出来ず、通路部分にあったドアに新しい壁紙を貼り付けただけで30日の作業が終了したものだから、伴侶も私も焦りを隠せない。
このまま建築途中のような家で新年を迎えることになってしまうのか?
掃除も満足に行かない状態で終了した上に、家が普通の状態じゃないというのは、精神的にかなり居心地が悪い。
おまけに新年は年始の挨拶などで忙しくなるのに、作業に対する熱が冷めてしまうことは必至である。

こうなったらどうあっても今年中に作業を済ませるしかない。
食べるときとお風呂やトイレ意外はほとんどが作業。
子供を寝かしつけたらまた作業。
翌日「大晦日」となったが、朝からすぐに作業である。
大晦日のイメージである厳かさ、朝から煮しめの匂いが立ち込める温かい雰囲気とは程遠い乱雑な光景が広がる中、FM802だけが流れるキッチンで伴侶と私は黙々と作業を続ける。
喧嘩をするたびに泣いてまとわりつく子供にうんざりさせられつつ、外出といえば足りなくなったパテを塗りつける為の保護テープを購入しに行くくらいであった。

作業に終了の兆しが見え始めたのは大晦日の夜8時頃だっただろうか。
やっと伴侶が作業していた粘着材を含んだ紙を削り取る作業が終了し、壁紙を貼り始めると、新しい壁紙のおかげで部屋の表情が変わり私たちのやる気に俄然火をつけた。
それからは作業がさくさくと進み、移動された食器棚やテーブルが戻っていくとだんだんと部屋が落ち着いてきた。
私の担当であるカッティングやコーキングが終了したのは何と新年まで残すところ30分となった、11時30分ころであった。
すでに子供たちは眠っていたので、乾杯をし伴侶とささやかなお祝い。
新しくなった壁紙のおかげでなんだか部屋が新鮮に見える。

翌朝、子供たちが明るくなったキッチンに入ってきて歓声をあげた。
気を良くした伴侶は「次は土壁を塗りなおすか」と言っていた。
のどもと過ぎれば熱さ忘れるとはよく言ったもので、あんなに疲れた壁貼りも済んでしまえば次は何をしようか、などと意気込んでいる。
大切な我が家である。
綺麗に使いたい気持ちはひとしおであるし、リフォームにも大賛成ではある、が、次回はせめて大晦日までには終わっておきたいものである。
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