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台風一家

花瓶にお花をいけましょう

雷と大雨がやみ、子供達は缶詰状態だった鬱憤を晴らしたくて、外に行こうと騒ぎ始めた。
前日に作った花瓶のニスが乾いているのを確認したいっくんは「花とりにいこう」と大喜び。
3人で花瓶と水を入れたペットボトルを持ち、雨上がりの道を歩きながら公園に向った。

雨があがったあとは、急にうだるような暑さとなり、私達3人はすぐに歩くのが嫌になってしまった。
いっくんは持っていた花瓶を放り出し、慌ててこいちゃんが拾いあげる。
こいちゃんの持ってきたペットボトルを私が引き受け歩き出すが、こいちゃんは公園途中のよその庭先に咲いている花を「これ、とっていい?」と聞いてくる。
私も「公園って、こんなに遠かったっけー」とつぶやきながら3人でとぼとぼ。

公園に着くと、雨のせいでブランコも滑り台もびしょびしょ。
それでも遊びたかったこいちゃんといっくんは、花を適当に切って花瓶に入れるとすぐにブランコにかけっていった。
こいちゃんはブランコの下にたまった水たまりに辟易。
早々に切り上げて、また花をつみに帰ってきたが、諦めきれないいっくんはしばらく一人でブランコにしがみついていた。
そして、勢いをつけてブランコをこごうとした瞬間、滑って水溜りにぼちゃん。
水溜りに半身沈めたまま、動くこともたつことも出来ず、私を呼びながら豪快に泣いた。

少々ばつの悪そうないっくんと作品を写真に収めたら、それでもいっくんは写りが気になるのか「ちゃちんみちぇて~」とずぶぬれの体を寄せてきた。
びしょぬれのいっくんに花瓶を持たせ、また3人でえっちらおっちら家路についた。
帰ったいっくんの服を着替えさせ、お風呂に入れて、花瓶を食卓に並べると花のいけかたも個性が出てる気がして見えて実に面白いのであった。
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