仕事も休みで家族4人、遊園地にでも行こうと言う話になったのだが、車を走らせて数分経った頃、こいちゃんが「そこには鬼がいるから行きたくない」と半べそをかき始めた。
1年ほど前だったと思うが、そこに行ったとき、黄緑色の大きな鬼が、金棒らしきものを持って白色の長い髪を振り乱しながら歩いていた。2匹も。
もちろんこいちゃんには中に人が入っていることなど判らないので「鬼だ…」とかなりショックを受け、私に抱っこされ、その通りを歩けなくなるほど怖がった。
それを覚えていたらしく、楽しかったはずの乗り物達そっちのけで「行きたくない」と言い始めた。
意味が分かっていないはずのいっくんまで「おにいるから、こあい~」などとこいちゃんのまねをし始め、結局近所の「KO水路」に行った。
一番深いところでもいっくんの胸に届かない程度の水位で、噴水もあり、衛生管理も良いとのことで度々行っていたが、今年初めての水遊びに二人とも大層はしゃいだ。
二人ともパンツとTシャツだけになり、キャップをかぶって水路に入った。
こいちゃんは慎重派で、浅いところでは滑らないようにゆっくり走り、深い場所では水に足を取られないよう注意して歩いた。
タイルの間から吹き出す噴水にもおそるおそる手を出しつつ、最後には噴水の上に座ることで制覇し、満足げな笑顔でアピールした。
いっくんは以前この水路で足を滑らし、頭から落ちて沈み、大泣きをした事があったが彼の性格上全く覚えていなかった。
何も考えず思い切りタイルの上をダッシュし、段の上から深い場所をのぞき込んだりして2回ほど頭のてっぺんまで水中に沈むほど溺れた。
さすがの二人も、走り、溺れて、くたくたになり唇が紫色になったころ、ようやく帰る気になった。
ウィッシュのトランクを開け、張り付いた衣服をひっぺがし二人をすっぽんぽんにして体を拭いた後、車内に置いてあった乾いた上着とズボンを履かせると、こいちゃんが「あったかい~」と目をつぶって幸せそうに言った。
顔に水がかかっても、転んでも、すべて笑いで済ませて、水路にいる間、二人は一回も喧嘩をしなかった。
太陽の下で水と戯れている間、親たちだけ、こっそり甘いアイスクリームを交代で食べていたのを子供達は知らないのだが…。
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