台風一家

幼稚園の運動会

この土曜日はこいちゃんといっくんの幼稚園運動会であった。
晴天に恵まれ、駐車場も確保できて、はつらつと望んだ運動会。
子供たちは両親とともに楽しめるこのイベントを何日も前からそれは楽しみにしていた。
朝5時半に起きたいっくんは、私を起こし、こいちゃんを起こし、ハイテンション。
伴侶も少ししてから起きてきて早いスタートに「眠い」とぼやいた。
朝ご飯を食べ、4人分のお弁当を車に積み込み、小さな荷物置きのレジャーシートと4脚の椅子を用意した。
子供たちがいろいろな場所で演技をするので、じっとレジャーシートに座ることは少ない。
食事のことも考えて椅子にしたのだが、なんだかキャンプに行く日のようになってしまい、私まで胸が躍る。

会場となる幼稚園からほど近い小学校につくと、少し開けられた門に人々が群がって一列になり吸い込まれていく。
後で知ったことだが、場所とりのこともあり、始めはこのように1列で入っていくのだそうだ。
バス停仲間などは朝6時から場所取りをしていたらしく、なるほど実に眺めの良い最前列をキープしていた。
私たちもシートを広げ荷物を置いてから、子供たちを控え席に預けてに行った。

年長組みの鼓笛が始まる。
今年で幼稚園生活が最後となる年長の親たちはそれは感慨深いことだろう。
保育体操が全園児で行われてから梢たち、年中児による「なかよし競争」が行われた。


芋虫をかたちどった飾りのついた棒を男の子と持ち、先生の周りをまわったりしながら行って帰ってくるリレー競技。
こいちゃんは一番になりたいあまり、一緒に棒を持つ男の子がついて来ていないのに、芋虫を一人で持って走るシーンもあり、笑ってしまった。
それは必死に一生懸命であったが、残念ながらこいちゃんのきく組みは結局最下位。
その結果を、こいちゃんは認めたくないようで、さっさと忘れることにしたらしい。
この時以降この話題が会話に上ることはなかった。

今度はいっくんの年少組みのお遊戯が始まる。
いっくんは飾りをつけてもらい、手にぽんぽんをもち曲にあわせて楽しく踊る…かと思いきや、すぐに飽きてしまったらしく、皆が曲にあわせて手を上げたりしゃがんだりしているのに、だらだらとよそを見ているのだ。
おかげで一人だけ動いていないのが目立ってしまい、実に恥ずかしい。
手にもったぽんぽんも適当に揺らしたり、しながらも終わりには手からはずし、爪を眺めていたのだから頭が痛い。
マイペースというより、その態度は不景気すぎる。
演技が終わって、写真を撮りにいっくんの前に行くと嬉しそうにポーズを決めたが、それではいけないのではないか、いっくんよ。


来年度の新入生や、年長児の競技が済むと、今度はこいちゃんの「パラパラパラバルーン」という、バルーン体操。
年中児のメインイベントであり、去年、年少だったこいちゃんがやりたがっていた、憧れの演技である。
同じバス停のお友達、はるちゃんのお姉ちゃんのASちゃんがこいちゃんに声をかけてくれた。


ずっと笑顔のこいちゃんは嬉しそうにバルーンにしがみつき、それは嬉しそうに演技をこなした。
綺麗な色のバルーンが4組。
大きく膨らんだりちぢんだりするのを統率する先生も見事である。


次の年少児のかけっこで、いっくんは6人中、2位であったため、大変喜んでいた。
いっくんは「いっくんはやかったよね」と大満足であったが、残念ながら最前列にいた夫婦がずっと立ち上がっていたため、DVDに収めることが出来なかった。
せっかくいっくんが一生懸命走ったのに、と思うと大変申し訳ない気分になったが、これほどいっくん自身が喜ぶ事が出来た以上に、やけになってDVDに残す必要もないのかもしれない。
卒園児や年長児の競技も終わり、保護者を交えた競技が始まり、私もこいちゃんやいっくんと参戦。
伴侶も一人でDVDを撮りにあっちにこっちに、と大活躍である。

お昼になって事件が起きた。
お昼ご飯を食べ終わり、のんびりとキャンピングチェアで伴侶はお昼寝。
私はこいちゃんと話をしながら、友達と遊んでいたいっくんに目をやっていた。
危ない格好をしながらシーソーでふざけている。
痛い目みないと判らないの?と、しばらく見ていると、思った通り、しばらくするとシーソーの上でつんのめって顔からこけてしまった。
盛大な叫び声を放ついっくんに走り寄ると、一緒に遊んでいた年長の男の子が「おれ、なんもしてないよ」と慌てて私に言いながら、おびえていた。
いっくんの顔を洗い、傷を確認すると下唇を3ミリ、上唇を5ミリほど切り、鼻血も少し出ている。
こいちゃんがハンカチを貸してくれて、それで口を押さえたまま控え室に連れて行くと、先生が薬を塗ってくれた。
服についた血も拭いてくれて、外見はたいしたことは無かったが、いっくんはショックだったらしく、いつまでもメソメソと泣きつづけた。

こいちゃんの障害物競走が始まり、かけっこ大好きなこいちゃんは4位であった。
大きな男の子が混じっての競技だったからか、こいちゃんはこの結果に納得していて、あまり憤慨することもなく、嬉しそうであったので良かった。
最後までこけたり怪我もせずゴールしたことを伴侶とともに誉めちぎった。
こいちゃんは上々であったがいっくんはまだ凹んでいた。
お昼を過ぎてまだまだお昼ねをするいっくんは機嫌も悪くなり、親子演技である「フォークダンス」ではダルダルであった。
私が手を取り機嫌を直そうと話し掛けても「痛い…、帰る…」と泣くのだ。
入場して、曲が始まってもしゃがみこもうとする始末。
はしゃいでダンスしているのは、必死で機嫌取りをする私ばかりでなんとも滑稽。
退場が抱っこでの退場だったのが、この時ばかりは助かった。

そして、クライマックスはやはり年長児による組立体操である。
先生方の掛け声と、するどい笛の音に合わせて、まだ小さな6歳代の子供達が必死に演技をこなすのである。
掛け声も勇ましく、そして小さな体で必死にバランスを取ってピラミッドを形作ったりするのを見ると実にいじましい。
最後の幼稚園生活を飾るにふさわしい、すばらしい演技に、年長児の親たちはDVDを構えつつ、子供の成長を目の当たりにして、泣いていた。
私まで来年この演技をするであろう、こいちゃんや、ゆくゆくはそうなるいっくんの事を重ね合わせて涙が出た。



子供たちの笑顔を見て感じた、1等だ、最後だ、なんて関係ないと言う真実。
一生懸命で無垢な子供たちが見せてくれたその思いに比べたら、そんな比較は、なんと陳腐で大人レベルな争いなんだろう。
閉会式で皆が一人残らずもらう運動会のご褒美金メダルを、こいちゃんといっくんも嬉しそうに胸にかけて「がんばったからねぇ~」と自分たちを誉めた。
今回の運動会が、また自分たちの大きな自信の糧になったに違いない。
楽しい運動会と、すばらしい思い出をくれた幼稚園にも感謝感激である。

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