いつもの弁当箱を嫌がり、何やらキッチンの戸棚から自ら探してきた弁当箱を指し出して、
「今日はこれにして」という。

普通にご飯をつめようとした私にいっくんが
「ピカチュウの顔にして」
というではないか。
どこでそんな知恵をつけたんだ。
そこに便乗して話を始めたのがこいちゃんだ。
「おお!いっくん、キャラ弁、いいな~」
(キャラ弁か…)、ときっとここでいっくんは初めてその名称をかみ締めたことだろう。
その後は、
「キャラ弁~、皆してるから、いっくんも、キャラ弁~」としつこい。
私はミニチュアは作るがキャラ弁などは作らない!
今までこいちゃんのときも作ったことはないし、作る気もなかったのだから。
しかし、ずいぶんテンションの高いいっくんに気おされとうとう、初めてのキャラ弁(?)を作ることに。

しかし、さすがキャラ弁である。
いっくんの苦手そうな野菜の煮付けやラディッシュもすべて食べ、お誕生日会のおやつが出てお腹が大きかったはずなのに完食であった。
キャラ弁の作り手がちょっと多いのも納得である。
そして、こんなキャラ弁でも羨ましがったこいちゃん。
「いいな…いっくんはいいな…こいちゃんはそんなのしてもらったことないよ…」と、大変しょげているのを見てかわいそうになり、つい
「じゃぁ、こいちゃんは遠足の時に…」と約束してしまった。
「本当!?じゃぁ、プリキュアで!」と注文をつけてきたが……この私に、そんなの出来るわけないじゃん…。