子供のころに行ったきりで、久しぶりなため、大変楽しみにしていたのだ。
そばに丘陵公園があるということで、子供を遊ばせてやることにして、まずそちらに向かった。
祖母の実家からは目と鼻の先である。
サイクリングや、広大な芝生広場と、1日では回りきれなさそうである。
大きなテントの中には、沢山のコンロが設置されており、この日は「ハーレーダビッドソンの会」なる団体客でにぎわっていた。
もちろん場所代も無料で、気軽に炭火の焼肉を楽しむことができる。
このアウトドア感がたまらない。
階段を上っていくと、目に飛び込む大きな水車や、懐かしい家々、広大な敷地。
子供たちも大興奮で、いっくんなどは「いっくんが見つけた風車!」とすばらしい景色を独り占めしたがった。
しかし、きれいに整備された芝や、そろって芽をだそうとしている草花を見ていると、いかに手をかけられて植物がそこかしこに植えられているか良く判り、すばらしいと感心した。
日本家屋になんとも言えない郷愁の念を抱く私は、特にかやぶき屋根には思い入れがある。
幼少の頃住んでいたのが、なんと、かやぶき屋根だったということもあり、この頃の建築は、なんとも温かみがあるような気がしてならないのだ。
ぞうり作りは大変難しいらしいのだが、いっくんは大変興味を持ち「無理」と言われているのにしつこく食い下がりいつまでもおじさんの手元に見入っていた。
こいちゃんは布を自分で選んで一生懸命作った小さなほうきにご満悦の様子。
出来上がったほうきを受け取り、呆けて見せて、この表情…。
ただ、販売といっても、実際にカマドを使用してこんにゃくを煮、土間に広げた机の上でこんにゃくを売っている為、どこかアットホームである。
民家の雰囲気を壊さない、商売っ気を前面に出さないのがうれしい。
こいちゃんは、試食のこんにゃくに舌鼓。
いっくんまでめずらしくこんにゃくを食べ、その二人の勢いに、こんにゃくを購入したほどである。
手作りの竹馬は、話に聞いたことがある、高い位置に足置きがあるタイプまでおかれている。
まるで、タイムスリップでもしたかのように、「昔」があふれている。
広くて迷子になりそうな間取りの家も、がらんとした2階も、バリアフリーを真っ向から否定するような土間からの上がり段も、不便ながらも、ゆとりのある田舎の空気がそこにはあった。
子供たちが側をかけぬけ、家の中を探検するようにキラキラした目で歩き回っているのを見ると、この子供たちがもし昔に生まれたらこんなふうに笑い、走るのだろうか、とぼんやり考えた。
ちょっと休憩がてら、子供たちはアイスクリームを食べ、大人はコーヒーを飲み、私と伴侶はお土産やさんでお土産を購入。
庄原インターチェンジからしばらく走った所にあり、良く大きなコンサートも行われるという。(管理センター電話番号:0824-72-7000)
近くにバンガローもあるらしく、大勢で移動するライダーが多いのも納得がいくというものだ。
実家も良いが、昔の生活を見るというのは子供たちにとっても大変感じるところが多いだろうし、きっと教科書で歴史を学ぶようになれば、ずっと楽しく身近に思うことだろう。
これからも、こんな素敵な施設を大切に保管してほしい、と思った一日であった。