こいちゃんが「私のお祝い」と言い楽しみにしていたひな祭りである。
魚介に当たった「かも」しれないこいちゃんのために、オードブルはハンバーグ、ピザ、スパゲティなどを中心に洋食よりのもので固めてみた。
ハマグリにでもあたったら折角のお祝いも台無しであるので、見たら食べたくなるこいちゃんの手前、特別に省略することに。
ジュースを飲み、ピザやハンバーグを二人で喧嘩しながら食べて、お腹いっぱいになったところで楽しみにしていた雛あられを机に広げる。

砂糖コーティングの物やプレーンなど色々な味があるのだ。
こいちゃんはチョコレートあられの入った箱入りの雛あられを、いっくんに見せびらかし優越感に浸りながらイヤミな食べ方をじっくり楽しみ、いっくんはつかんで離さなかった「ボーロ雛あられ」(赤ちゃん用…?)をバリバリ食べた。

「居間に戻ろう」と声をかけるも、子供達は祭りの余韻か帰りたがらず。
いつまでもソファにしなだれかかって、二人で騒いでいたようだ。
負けず嫌いのこいちゃんが伴侶に何度も
「こいちゃんのお祝いの方が凄いよね?いっくんのお祝い(5月人形)は小さいもんね」
と念押しして怒られていた。
お祝いまでもに勝ち負けがあるなんて…。
こいちゃんよ、大人になる頃には、どうか普通に勝ち負け抜きでお祝い出来る素敵な女性になれるといいね…。