いっくんの希望で、晴天の中、自転車で幼稚園に向かうと、親との登園ということと、明日から休みと言うことでみんな浮き足立っていた。
幼稚園に入ると、年長組の教室はがらんとして、いつもより人も少ない。
いっくんの担任の先生は、この保育を最後に東京に転居するということで、お別れ会では号泣していた。
やはり、春は、出会いと別れの季節なのだ。
対照的に良く判っていない園児たちは半笑いで「先生、ないとる~」「ないとる~」と無神経にからかう。
いっくんにいたっては、泣いている先生を一瞥して、ずっとよそを見たまま、上の空であった。
ともあれ、とうとうこんないっくんも年長児になる。
お姉ちゃんが実家にいるため、一人でベッドに入るようになったが、添い寝なしでさっさと寝てしまう。
こいちゃんもいっくんも、どんどん自立してしまいそうで、嬉しい半分、ちょっと寂しい、そんな春である。