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台風一家

サツマイモケーキプディング

春休み3日目。
朝から晩まこいちゃんといっくんは喧嘩しつつも離れることなくずっと遊んでいる。
おとついは○○生命に誘われて絵皿を作りに行ったので、こいちゃんが大変喜んだ。
昨日は幼稚園仲間のNAくん親子が尋ねてきたため、子供たちも喜び、雨だったにもかかわらず、くたくたになるほど家中走り回った。
こう言うときは子供同士が遊ぶため親たちは比較的楽で、時折発生する喧嘩の仲裁くらいで、あとは傍観者でいられた。

今日は朝から天気がよく、気分も晴れ晴れ。
こいちゃんにプリンが食べたいと言われたため一緒に作る約束をし、午前中に買い物を済ませてから昼前まで自転車遊びをさせていた。
誰か通りかかれば二人と遊んでくれるかも…などともくろみながら本を読みつつ、しばらくすると幼稚園仲間のYUくんが自転車で通りかかり、こいちゃんを見つけて嬉しそうによって来た。
うち家の古いつくりから、何度説明しても4人暮らしを理解してくれないYUくんは「おじいちゃんお出かけ中?あがっていい?」と家に上がりこみ、いっくんを交えて3人で楽しく遊び始めた。

YUくんは何故か風呂に入りたいと言い出した。
面白いのでさせたいようにさせていると、シャワーを浴びて「やっぱ、こいちゃんちのふろはええなぁ~!!」と大喜びで何度も何度も体を洗った。
そう言えば夏にプールの後でシャワーを浴びさせたような気がするが、そんなに印象的な風呂だったのだろうか?
そうしているうちにいっくんがお腹をすかせて騒ぎ始めたため、お昼ご飯をすることになったのだが、YUくんは食事を勧めても「おひるまえにはたべちゃだめっておかあさんにいわれた」といい、バナナ1本とりんご半分、しか(?)食べなかったが「もうお昼だよ?大丈夫?」と聞いても「よじまでだいじょうぶだから、じかんになったらおしえてね」と何だかとんちんかんな返答。
母親にメールで連絡しようと思っていたら矢先にその母親から電話がかかり、向こうで謝り倒している。
やはりYUくんが「お昼には帰っておいで」をすっかり忘れて「4時まで」で頭をいっぱいにして遊んでいたようだ。

母親からの電話に顔色も一気に変わったYUくんは大慌てで帰宅していった。
こいちゃんは私との約束をしっかり覚えていて「ぷりんづくりは?早くつくろう?」と食事が済んですぐにせがみ始めた。
とそのとき電話がなり「もいっかいいっていい?」とYUくんの声。
自分で電話をかけられるわけはないので、おそらく母親からかけさせられ、確認を取らされたのだろう。
私が「おいで」と返答すると母親が電話を変わったので、ついでに「卵と砂糖を持たせてね」とお願いして、3歳と4歳と5歳の3人を相手にした料理教室が始まった。

まずは3人に卵を割らせる。
「おれはりょうりぜんぶできるで」と言っていたYUくんは意外にへっぴり腰。
何度も机にそーっと卵をぶつけてから、あけようとボウル上に移して指に力を入れたとたん急に卵が割れて「わぁ!!」と叫んだ。
こいちゃん、大人がやるように落ち着いて簡単に卵を割りいれる。
いっくんは白身がはみ出すのもお構いなしで強気で机に卵をぶちつけ、周りに指摘されて、始めてボウル上に移動させ、指をのめりこませながら卵を割りいれた。

次に砂糖を入れてもらい、混ぜさせたが、3人とも混ぜる作業に早く移りたくて「すぷんー!すぷんー!」「ふぉーく!ふぉーく!」と騒ぎ立てた。
牛乳、ふかしたサツマイモを3人とも同じ分量加えて混ぜたはずなのだが、なぜかそれぞれの粘度が違うようで皆、面白半分不安半分でひたすら混ぜた。
いっくんなどはて周りと比べ明らかにサツマイモをつぶすのがヘタなのが自分でも理解できたらしく、フォークを投げ出し「もういや」とつぶやいた。
いっくんのフォローをしつつ、オーブンを余熱。
その間にカップにタネを分けさせると3人とも必死でこぼさないようにがんばっているのがいじましかった。

オーブンに入れて20分ほどするとサツマイモが焼けるようないい匂いが漂ってきた。
興味津々の3人の前にサツマイモプディングを出すと「これいっくんの」「たべたーい」と口々に騒ぐ。
安い材料でたっぷり出来るため、一人4カップづつの出来上がりとなった。
こいちゃんだけ容器が小さくて5カップになったが、小さい容器にご満悦の様子で胸をなでおろした。
4人家族のYUくんは「よっつあるから…たべずにもってかえる」と試食すらこばみ、まだ触れられないほどの熱い容器を袋に詰めて「またすぐくるから!」と家に持ち帰った。
自分たちで剥かせたサツマイモは皮が残っていたり、つぶし方がいまいちだったりして、見てくれは悪かったが、こいちゃんといっくんは「あまーいい!!」「おいしい!」と舌鼓。
いっくんはあっという間に1カップ食べ終わり、2カップ目にスプーンを入れながらも私に1カップ渡して「たべてもいいよ」と言ってくれた。
こいちゃんもそれを見て慌てて「たべていいよ」と言ってくれたが、それは伴侶に残しておくことにした。
思惑通り、息を切らして戻ってきたYUくんはこいちゃんのおいしそうに食べる姿をみて我慢出来なくなり、私の勧めもあってこいちゃんの小さなプディングを2カップも食べた。

おやつがすんで外で遊んでいると、YUくんのおかあさんがポットに入れた珈琲や温めた牛乳、紙コップまで持ってお礼を言いに来た。
皆であらためてお茶を飲み、しばらくしてからYUくん親子は帰っていった。
こいちゃんもいっくんもしばらく家に入りたがらず、ご近所さんに「こんにちは!こんにちは!」としつこく声をかけながら、なにげに次の「だれか」が通りかかるのを待っている様子だった。
そのうち日が翳り、二人は「からす」を歌いながら家の中に入っていった。

携帯の修理が済んだようなので、明日はショップに行かなければならない。
毎日わいわい好きなことばかりして過ごしているが、もうあと数日で、いっくんの入園式である。
普段の生活に戻るときに泣くことにならなければよいのだが…。
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