※くだらねーことしか書いてません
とにかく録画ものが溜まっているのでどんどん消化してもしきれず、必ず見たいと思っているのにどうしても後回しになってしまうコンテンツがいくつかあります。そのうちの一つをようやく先日視聴することができました。多羅尾伴内シリーズです。と、言っても東映チャンネルでやったのだけなので片岡千恵蔵最後の伴内「七つの顔の男だぜ」と小林旭主演の二本という晩年期の三本だけなんですが。本気でこのシリーズを語る気なら大映時代の作品にも目を通したいところ。AmazonのPrimeでいくつか見られるんで無料会員登録してそれだけ見てさっさとやめる手もあるんですが、しょせん配信は録画保存できない(ピーすればいいとかは無しで)し、買い物の際にちょっとでも手順を間違えると半強制的に有料プライム会員にしてしまうAmazonのやり方が気に入らないので入る気はありません。東映版の旧作の放送に期待。
これを見ておこうと思ったのは、すでにだいぶ前の話ですが「ゴジラ対メカゴジラ」の上映イベントで中野昭慶特技監督が「メカゴジラの登場シーンのイメージは多羅尾伴内」と話していたことがキッカケなんです。それまではぼんやりとしたイメージしか知らなかった多羅尾伴内を、「いずれ見なければならない作品」に押し上げた一言でした。「ゴジラ対メカゴジラ」でメカゴジラが正体を現すシーンおよびその前後は個人的評価では特撮映画最高ランクの名シーンで、外連味あふれる演出が最高です。そのモデルとなった多羅尾伴内を見て・・・ふと思いついたのが「対メカゴジラだけじゃなくてVSメカゴジラも多羅尾伴内じゃね?」でありました。
1974年作品「ゴジラ対メカゴジラ」の特撮班には、のちに1993年度「ゴジラVSメカゴジラ」で特技監督を務める川北紘一氏が助監督として参加しています。メカゴジラ登場シーンのコンビナート対決では川北氏が怪獣の演出を付けている写真が残っているので、そちらの現場はほぼ任されていたのでしょう。当然特技監督である中野監督と綿密な打ち合わせをやり、その際「メカゴジラ登場シーンのイメージは多羅尾伴内で」と言われていても不思議ではありません。その中野監督に代わってゴジラシリーズの特技監督となり、「VSメカゴジラ」の特撮を担当する川北監督。その際に「中野監督の言っていたイメージを新作でも生かそう」と考えるのは当然です。それをなにより感じたのはメカゴジラが右目を壊されるところ、戦闘のダメージで一時的に右目の光が消えるのです。これ、一般的には「メカゴジラの悪役としての凄みを増すため」とされていますが、今回「VSメカゴジラ」を見直したときのわたしは別の結論でした。多羅尾伴内がもっとも多用する変装、片目の運転手ではないか、と思ってしまったのです。
前述通り、わたしは多羅尾伴内は最晩年の三本しか見ていませんが、全作品で必ず片目の運転手は登場していました。「鬼面村の惨劇」は左目でしたが、他は右目に眼帯をしていましたし、他作品の映像などもチラとみる限りは右目眼帯のようでした。本作でメカゴジラが破壊される目も右目です。片目の運転手が基本右目眼帯なのは運転シーンを撮影する際に左目眼帯だと助手席からのカメラ視点では顔が分からなくなるからだと思われます(鬼面村はだからこそ逆を狙った?)が、メカゴジラは特に理由はなさそうなのに右目眼帯状態です。偶然の可能性も否定はできませんが、その時のわたしはそういう理由にしか見えなくなってました。この右目はクライマックスにスーパーメカゴジラに合体する際になぜか勝手に再点灯します。これはゴジラVSシリーズを揶揄したがる人の批判ターゲットの一つとなっていますが、多羅尾伴内だとすればスーパーメカゴジラ合体シーンは正体を明かすシーンでしょうからもう片目という変装は必要なくなった、ということなんでしょうね。つまりあの合体の裏では「ある時は片目の運転手。またある時は私立探偵多羅尾伴内。しかしてその実体は・・・正義と真実の使徒、藤村大造だ」というセリフがあったのだけど消されているわけなんです。
川北監督は「VSメカゴジラ」を完全な合体メカにしたがっていた、と言われています。それはポスターのイラストからも明らかなんですが、おそらくメカゴジラを多羅尾伴内に、ラストバトルを藤村大造にするには、メカゴジラでないものからメカゴジラに変わるのが一番いいと思っていたんでしょう。ストーリー上の都合もあってむしろスーパーメカゴジラはメカゴジラから変装しているに近い簡易な合体になってしまいました。多分川北監督が本作でもっとも残念に思っている心残りではないでしょうか。それでも川北演出は藤村大造をあきらめません。合体した際に追加される兵器、ガルーダに搭載されていたビームキャノンを肩からの二門砲にして使います。これは藤村大造の二挺拳銃です。シナリオの都合も入れるとスーパーメカゴジラの強さはGクラッシャーとプラズマグレナードという派手な武器にあるように見えますが、本当はあの二挺拳銃にあったのです。二挺拳銃を使う限りメカゴジラは藤村大造であるので、さしものゴジラも手も足も出ません。藤村大造の二挺拳銃は無敵だからです。少なくともガルーダのビームキャノンが拳銃による銃撃戦のイメージで撮影されたのは確実です。それを象徴するのがスーパーメカゴジラがビルを盾にするように回り込み、横から飛び出してビームキャノンで攻撃する演出です。メカゴジラはゴジラの熱線が通用せず、逆に吸収して打ち返す機能が付いているので熱線を浴びるのは望むところですからビルを盾にする必要はありません。むしろゴジラの熱線で崩れるビルの下敷きになる可能性を考慮すると(実際間一髪くらいだった)一瞬でもビルに隠れるのは悪手です。それでもやったのは、銃撃戦の主役側と言えば壁など縦の障害物を利用して身を守りつつ攻撃するやり方が定番だからでしょう。小林旭版はなぜか銃撃戦がほとんどなくてやりませんが、片岡千恵蔵の「七つの顔の男だぜ」では当然のようにやってました。だからビルの陰に隠れて飛び出しながら攻撃させることであのラストバトルの主役はスーパーメカゴジラである、という立ち位置を作ったのです。だからこそ最後、死の淵からよみがえったゴジラに対してスーパーメカゴジラは肩のビームキャノンを使えくなってしまったんです。とっておきのBGMを背景に、力業で主役の座を取り返したゴジラの前ではもうスーパーメカゴジラは藤村大造でいられなくなったためでしょう。
ミレニアムシリーズのメカゴジラ、3式機龍でも多羅尾伴内色は残ります。「ゴジラ×メカゴジラ」では合体を解くことで真の力を発揮するVS版とか逆の形をとることで正体っぽさを出しますし、背中のブースターの色が青いのは藤村大造が青いスーツを着ていたから、というのを意識したのかも知れません(これはさすがにこじつけ)。「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」ではまたしてもメカゴジラは右目を損傷して片目となります。話の都合上最後まで完全な修復はしませんが、これはスーパーメカゴジラが勝手に直ったように見えることを揶揄されたことへの返答を優先したためでしょう。一応再点灯はするんですがほとんど目立たず・・・でした。もう機龍の時点で色が残る程度でそれほどうまくいっているとは思えない多羅尾伴内。ましてそんなもの知らない人たちがやっているであろうアニメ版やアメリカ版にそれを求めるのは無理というもので、「GODZILLA 決戦機動増殖都市」にせよ「ゴジラVSコング」にせよ色は皆無。ただ、「レディ・プレイヤー1」に登場したメカゴジラは外連味のある登場でそれっぽさを感じさせてくれますが、どちらかと言えば「対メカゴジラ」を念頭においた演出という気がします。ほとんどラストになってメカゴジラをチラと見せたアニメ「ゴジラ シンギュラポイント」の第二シリーズがあったとしたら、果たして多羅尾伴内は反映されるのでしょうか。
以上は中野監督の発言以外はほとんど妄想一本です。それでも、なんとなく説明がついてしまうのが面白い。こうした擬人化演出は~もし本当ならの話ではありますが~否定的に考える人の方が多そうですが、もともとゴジラは物真似キャラなのでメカゴジラがその代役をやったというのはありそうです。昔幼児向けゴジラ本に載せるつもりで「ゴジラの趣味はものまね」ってコラムを書いたら「今の子供じゃ元ネタのほうが分からない」って理由でボツを食らった暗い過去を思い出しました。今回の記事を書くために何回か繰り返し「ゴジラVSメカゴジラ」の特撮シーンを見たんですが、見れば見るほどスーパーメカゴジラが藤村大造にしか見えなくなってしまいました。もう過去に何十回も見ているのにちょっと知識を得て視点を変えればまた新しい発見がある。やっぱり怪獣映画を繰り返し見るのは楽しいわ。
いつも日曜のあまちゃん~篤姫までまとめて連続録画しているのですが、録画容量がかなり減っていました。3時間15分録画して先週は37GBで今週は29GBです。私だけの環境なのかな?と思ってNHKにも問い合わせてみたのですが、情報がないようです。ツイッターでもそういった書き込みはなく録画人間様でしたら何かご存知かなと思いまして、思い切ってコメントしてみた次第です。
すみません、ウチは4K放送受信環境を用意していないので分からないです。
いきなり変なこと聞いてしまって本当すみませんでした
これからもブログ楽しみにしています
いえいえ、役立たずで。コメントはお気軽にどうぞ。