御師(おんし) 弥五郎―お伊勢参り道中記 | |
西條奈加 | |
祥伝社 |
¥1,600+税 祥伝社 2010/11/10発行
ISBN978-4-396-63347-9
西條奈加は、デビュー作の『金春屋ゴメス』の印象が強すぎて、ついつい読んでしまうんだよな。あんな好みの設定を書くんだから、またステキな作品を書いてくれるかもしれない、と。
実際には、悪くはないんだけどもうひとつはじけ方が足りないぞ、って本が多いんですけど。
で、本書。
伊勢参りの案内役を「御師(おんし)」という。弥五郎は御師の手代見習。
ある日、賊に襲われている巽屋清兵衛を助けた縁で、清兵衛の伊勢参りを担当することに。旅の道連れはにぎやかで、中にはなにやら思惑を持つものもあり、道中清兵衛を狙うものあり、弥五郎自身、伊勢に足を向けたくない理由もあって…。
御師というのは、最近読んだ『家主さんの大誤算』にも説明があったな。
江戸中で誰もが何かしらの伊勢講にはいっており、担当する御師が決まっていた。御師の側では担当の名簿は財産だから、代々受け継いできちんと保存する。江戸時代、戸籍があるわけでもなかったので、いつ、なんという名の人がどこに住んでいたのか、江戸市中の書類からでは調べようがなかったのが、御師からの書類が発見されてから、調査は劇的に進んだのだという。たしかそんな感じの内容。
以上、別の本の話でした。
というような予備知識がたまたまありまして。
これも興味深く読めました。