世界の食料ムダ捨て事情 (地球の未来を考える) | |
トリストラム・スチュアート(中村友・訳) | |
日本放送出版協会 |
¥1,900+税 NHK出版 2010/12/5発行
ISBN978-4-14-081444-4
『さらば、食料廃棄』とセットで読むべきかなと思って。
『さらば…』がドイツ中心なのに対して、こちらは英国中心。どっちかってーとこっちのが読みやすい。
『さらば…』ではドイツではまともな統計がないとブツブツ言ってるのに対して、『世界の…』では英国ではダメだけどドイツは対策がしっかりしてる、みたいに、お互い隣の芝生は青く見えてるようで。
どこの国民も、自国への期待度が高いのか貶し傾向にありますね。
そしてどちらも日本をわざわざ取り上げている。
そりゃまあ、取り上げないわけにはいかないよな。新鮮さ絶対主義の特異な国、食料自給率が低いくせして廃棄率もすげー高い国。
エコポークは褒められてるけど、全国的な取り組みじゃないもんなあ。
なんにしても、この二冊を読むと食べ物を無駄にできなくなります。
今日はカフェで食べたサンドイッチについてきたイタリアンパセリも残さずいただいてしまいました。
これから人参の皮とか、捨てられなくなりそうだなあ…。
メルマガで書ききれなかったけど、漁業における廃棄問題がこれまたとんでもないことになってるらしい。
えー、マジ?
ほんとうにこんなに捨てまくってるの?
なんかエビを食べたくなくなってくるな…。いや、エビに限らないけど。
つーか、サカナ好きの国民性として、日本人ばかりが魚を獲ってて漁業資源の枯渇の問題を言われてる気がしてたんだけど、先進国の多くが全世界規模的に漁場荒らしてるんじゃん。
> トマトがひとつ捨てられたとすると、問題なのはトマトの栄養ではなく、それを栽培するために使われた資源だ。誰も食べない食物を生み出すのにその資源が費やされなかったなら、それで何を育てることができたのか、ということだ。(122頁)
> 例えば、1トンのトマトは17万キロカロリーに相当するが、それを生産するのに3100万キロカロリーの一次エネルギーを要する。これに対し、たった60万キロカロリーの一次エネルギー投入量で300万~350万キロカロリー分のパン用小麦を栽培できるのだ。(125頁)
> 家庭での節水が多くの国で奨励されている。しかし、食物を無駄にすることによる水の無駄は、わたしたちが風呂やトイレや洗濯に使う量をはるかに上回る。もし、25パーセントの食料が不必要に無駄にされているとしたら、それは、農家が川、湖、井戸からひいてきた水(灌漑用水のみで、雨水は含まない)が失われたことを意味する。それはおおよそ675兆リットルにも達し、家庭で必要な一日ひとり当たり200リットルの90億人分を難なく満たす量だ。(127頁)
これも本当はメルマガに書きたかった~。