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¥1,900+税 講談社 2010/5/27発行
ISBN978-4-06-216245-6
『変愛小説集』続編が出てしまいましたよ。
11編収録。
今回もへんちくりんな愛のカタチを描きます。
「彼氏島」
船が遭難して、たったひとりで島に流れ着いたあたし。ここに住んでるのはイケメン男子ばかり。みんながあたしを好きになる。
夢のような島で、当世ギャルが行きついた境地は…?
彼氏たちに会うまで、無人島かと思えた島で一人さまようあたしの頭に流れるのが「ニューヨーク・ニューヨーク」ってのが、ちょうど學友のライヴCD聴いてる私にぴったりで、そういう意味でも気に入った一編(笑)。
「私が西部にやってきて、そこの住人になったわけ」
ひとりの女がモンタナの山奥のバーにやってくる。スイングドアを開けて入ってきた女は、集う女たちに尋ねる。「チアリーダーを探している」。
なぜチアリーダー! アメリカ的価値観の具現、女性性の象徴たるチアリーダーが、なぜか幻の野生動物のように。
こてこての西部劇のパロディが楽しい。カードで勝負ってのがババ抜き…。
「『人類学・その他100の物語』より」
一パラグラフ、そのまま引用しよう。
> Pieces 部分
> 僕の彼女が誘拐された。犯人側はとてつもない額の身代金を要求してきて、さもないと女は帰ってこないぞと脅した。僕は平和な生活に戻れたことを喜んでいたので、あまり解決を急ぐ気にはなれなかった。そのうちに、犯人側は彼女の体の一部を少しずつ送りつけはじめた。最初はソープディッシュにのせた耳だった。だが、なぜか身代金を下げようとはしない。連中、いったい何を考えてるんだろう。親指や、耳や、鼻や、乳首のなくなった彼女に、そういうのが全部そろっていたときの彼女と同じ金額を、僕が出すとでも思っているんだろうか。(251頁)
Shipwreck沈没もすげ好み~。
ううん、変だ。変愛だ。すごくいい。