明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

やっぱり住民から遠い(?)  静岡県の事業仕分け

2010-09-06 | 事業仕分け

静岡県は、昨年度に引き続き2回目の参加です。

 昨年度は、行政刷新会議の事業仕分け直前の10/31~11/2だったことから、仙石さん、蓮舫さんがおみえになり、私の班の仕分けを視察されました。
仙石さんからは、「税金の使われ方が国民の前で明らかにされたのは有用」とのコメントもいただきました。
 対象となった事業は、静岡空港、沼津駅再開発や高速鉄道事業と、大規模なものが多く、住民の関心も高かったので、多くの傍聴者で会場は溢れんばかりでした。初めて実施されたこともあり、職員の皆さんは周到に準備されていた方が大変多く、突っ込んだ深い議論ができたと記憶しています。
 今回は仕分け人5人のうち、構想日本からは私1人、県のアドバイザー1人、公募県民が3人、という構成だったため、対象となった事業は、住民に身近なものが多いという印象でした。
 今回感じたことは・・・説明は十分なのに、資料には物足りなさを感じました。
例えば、東京事務所は22年度から「ふじの国大使館」となりましたが、大使館というからには、そのミッションがあり到達点があると思うのですが・・・内部管理業務なので成果目標はありませんとの回答。大使館が内部管理業務とは思いもかけませんでした。
 ちなみに業務内容は、財界等との連携、企業誘致、情報発信等との記載。
 また、本国政府である静岡県と、全権委任の大使館との役割分担はどうなっているのか。責任の所在は?など仕分け人からも疑問が寄せられましたが、明確な記載はありませんでした。
 惜しいのは、職員がよく勉強されていて、説明もしっかりできるので、深い議論もできるのに、提供される資料に表現できていないことでしょうか。
 傍聴された新聞社数社の記者の方たちとも話したことですが、棚卸しの資料や提供される情報のわかりにくさによって、住民からも参加意欲を奪っている、と問題視されていました。
 この業務棚卸し表、日本で最初に取り掛かかり、一気に静岡県の名を全国に知らしめたものです。
 ・・・だけど、過去の成功体験に縛られてしまう例も多く指摘されます。そろそろ日本一の呪縛から脱却すべきではないかと思います。
 わかりにくい資料の原因はどこにあるのかと考えたとき、住民との距離が遠いためなのでしょうか、仕事をするときの焦点をどこに合わせているのか、少なくとも県民に向いていなかったのでは?と考えざるを得ません。距離感を近づけるためにも、住民パワーは必須でしょう。
 もっと簡単にわかりやすい説明をしてほしい、といわれた県民の声が印象に残りました。
 行政職員は、ややもすると、より練りこんだ精度の高いものを作る傾向にありますが、資料作りばかりに時間と労力を費やしがちです。
 事業仕分けをきっかけに、そもそも論を考え、語りあえる「熟議」の時間を持つことが、その後のやる気につながるのではないでしょうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。