地籍調査は、とても効果の出しにくい事業です。
那珂市では、昭和30~48年にかけて調査を実施したそうですが、当時は写真測量や平板測量だけしかできませんでした。
だから、精度の粗さが要因で境界の争いが生じたり、公共事業の買収地1筆ごとに法務局と協議するなど、時間と費用がかかっていたそうです。
そこで、平成3年からこの地籍調査事業を開始したのです。(民民の取引は対象外ですから、ご安心を)
この事業、全国でも調査が進まないことが指摘されていますが、特に、3.11の震災で未調査の土地の権利関係が明確になっていないことが問題になっている、とお聞きしました。ちなみに、調査の進捗率は、那珂市で52%、茨城県内の平均が78.4%、全国平均は50%程度です。
議論では、
1 優先順位:どこの地区から手をつけるのか。その選定基準は?
2 全体計画:どこまでやるのか?税投入はどこまで続けるのか?
3 成果指標:進捗率を成果にしているが、真の課題は、公正な土地取引や都市再生事業の円滑化等ではないか。
4 適正な契約:指名競争入札により、過去3年間、同一の事業者が落札しているが、一般競争はできないのか?市内・近隣事業者だけが対象では、結局のところ寡占状態なのではないか。
などの意見が出ました。
なお、この事業は国1/2、県1/4の補助事業で、さらに特交対象なのですが、県内では未実施の自治体もあり、そちらに優先配分されるのか、2回目以降実施の団体は特財なし、すべて自前で経費を捻出するそうです。だからこそ、市の方針としてどこまでやるのか(だって、公共用地の土地売買なんて毎日のように発生するわけじゃないので。)、今後の見通しはどうなのか、考えるべきなんですよね。
もちろん、補助金や交付税をあてにした事業などとんでもないのですが。
ほかの事業を仕分けたとき、市民判定人さんから、「○○事業にはこれしか経費をかけていないのに、地籍調査のような緊急性もないことに2,700万円も使っている」と、引き合いに出されるほどでした。重要性は伝わりにくいのでしょうか。
だからこそ、成果指標などに工夫が必要なのですね。
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