明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

政府開発援助ODAから自国民の復興支援へ

2011-04-08 | 事業仕分け

6日の復旧・復興検討委員会は、震災復興のための第一次補正予算の財源確保のために、政府開発援助(ODA)の2割にあたる1,145億円を削減するよう、菅内閣に申し入れたそうですね。(ただし、この1,145億円は一般会計予算の2割相当で、事業予算分は含んでいないのですが)

 ODA拠出額の減については、私もだいぶ前にツイートしましたが、世界のなかでもトップレベルの拠出大国という立場から、いまや緊急の援助対象国になるような状況です。このような未曾有の状況なのですから、拠出をすべてストップしないまでも、大幅に減らして自国民のために使うべきではないでしょうか。
 
 
ODAの経緯を振り返ると、敗戦後の1946年から数年間、ODA資金による生活物資の援助やインフラ整備(東名高速道路や東海道新幹線など)のおかげもあり見事な復興を遂げ、1960年代の高度成長期からは拠出側となり、ついに2000年にはODA拠出額世界1位というレベルにまでになったそうです。(ODA事業仕分けでの、にわか知識ですが・・・)
 
2007年からは世界5位となっているものの、2010年度予算で総額1兆7,667億円(グロス)、ネットでも1兆1,676億円もあり、相変わらず巨額で推移しています。

その形態別内訳(2010年度予算)は、円借款が9,018億円で過半数を占め、続いて技術協力の3,258億円、国際開発金融機関等(出資金・拠出金)3,212億円、無償資金協力1,542億円、国連等諸機関(分担金・拠出金)621億円などです。
 
また、省庁別では、財務省の1兆2,485.51億円を筆頭に、外務省の4,165.96億円、ほかにも10省庁に予算がついていて、外務省の仕事のように思われているODAの実に76%(総事業での比率)は他省庁の予算で実施されているのです。

 自民党無駄撲滅チームで実施した外務省の政策棚卸しでも問題視されたことがいくつかあります。
 
・複数省庁の実施のため、多くの重複がある(技術協力は各省庁別々なので、例えば航空券を購入することでさえ多大な重複時間が発生している)反面、相反する支援対象になっているものがある(たとえば、A省ではある魚の漁業研修に力を入れ、B省ではその魚を乱獲から保護する政策に支援するなど)など
 
・非民主的国家への支援はどうなのか(具体的な国名はご容赦ください)
 
・経済発展を遂げた国への援助をいつまで続けるのか
 
・量(金額)ではなく質の評価が十分に確立されていない。特にマクロの評価ができていないので成果の確認が困難
 
・ハードインフラ整備から、ソフト(人道援助や教育援助)にシフトすべき
など、見直すべき点について大変多くの指摘がありました。

 いずれにしても『国家の高度な判断』が求められるODAですから、軽い発言はできません。以前の外務省の政策棚卸しでも見直し必要という趣旨の発言をしたのですが、素人は外交に口出しするなとお叱りを受けましたので。

 しかし素人の感情としては、海外援助も必要なのでしょうが、このような非常事態なのだから、緊急性、援助の相手国、重複、投資効果などについて思い切った見直しを行い、一般会計だけではなく全ODA予算から財源を捻出し、国内に少しでも回すよう、ぜひ検討していただきたいと願うばかりで
す。
 
 まぁ、、と希望することしかできません。


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