四街道市の事業仕分けが終わりました。22年度に引き続き(23年度は東日本大震災のために休止)、2回目の実施です。
今年度はコーディネーターとして参加しましたが、傍聴者の方から「前に比べて優しくなった」といわれてしまいました。・・・理由は2つあるんですけどね~
前回は仕分け人として参加したので、役割分担として「問題を指摘する人」になったわけです。今回は亀井さんがその役を担ってくださったので、私は議論の整理や取りまとめ中心にできました。だから優しく見えたのでしょうか??
でも、もう1つの理由は、職員さんの説明が少し期待はずれだったからなのかもしれません。前回の指摘事項である事業シートの書き方(例えば手段・課題・成果指標)や、説明の仕方(必要性の説明に時間を取られ、どのような事業内容か市民にはよくわからない)などの反省を踏まえ、課題に取り組んでいただいたのですが、前回の仕分けが生かされていない課があったように感じました。
たとえば、「シニアクラブ支援事業」
この事業は、「老人クラブ」への運営補助金事業です。
事業の必要性については、「老人福祉法に規定されている」からと説明され、事業シートには、「補助金を削減すると閉じこもりがちな高齢者が増える」、その結果「医療費や介護給付費の増大につながる可能性」 と記載されています。
う~ん、法律があるからやるんじゃないと思うのですが・・・
傍聴されていたシニアの方が、「自分たちの思いが伝わらないあんな説明をしていたら、大事な事業も無駄なことのように思われてしまう!」と職員に怒っていられました
実施主体のシニアクラブの方は歯がゆかったのかもしれません。
さて、主な論点をご紹介します。
何を根拠に、閉じこもりがちな高齢者が増えるのか、示されませんでした。
また、事業対象者は65歳以上人口21,300人超ですが、クラブ加入者は13%程度の2,832人で、これをもって介護給付費の増大につながる、と明記してしまうのは「?」がついてしまいます。
この13%以外の方たちも、シニアクラブ以外に何らかの活動をされているのではないか、とお聞きしましたが、わからないとのこと。
補助実施の拠り所にしている老人福祉法13条には、「老人クラブその他当該事業を行う者に対して、適当な援助を~」とありますから、その他の者の存在を確認する必要がありますね。
論点は、補助金が一部の人に偏って良いのかという、対象者の偏重についてでした。
次に、補助の対象です。クラブの活動は様々ですが、グランドゴルフやゲートボール、囲碁・将棋、手芸や絵画などの作品展、芸能大会など、趣味の事業にも補助金が当たっているが、それで良いのか。補助金は公益性の高い事業を奨励する意味もあり、補助支出のあり方が論点になりました。
また、補助金額の根拠については、クラブ会員数に応じた金額になっていましたが、休眠会員もいるだろうし、会員が少なくても、より公益性の高い事業を行っている団体もあります。
補助基準を構成員の規模で定めている根拠もなく、このような団体補助をやめ、実施する事業に対して補助をすべきではないかと指摘しました。
そもそも、補助実施の拠り所にしている老人福祉法第三条で、「老人は、老齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする。」とあります。
高齢者施策では、なるべく長い間、行政のお世話にならず、健康で生き生きと暮らせる高齢者が増えることが最終的な目標でしょう。
そのために必要な支援はしますが、元気でいる間は、自主自立で活動していただくことも大事なのではないでしょうか。
仕分け結果は、構想日本仕分け人が再検討、市民評価人が市(要改善) となりました。
それからl、四街道市で印象的だったのは、職員が説明の中で「もう見直し時期に来ている」、「改善を考えている」など、見直すべき点を仕分け人と職員が議論していたにもかかわらず、市民評価人からは「このまま頑張ってほしい」など、「現行通り」とした事業がいくつかあったことです。
かつてはともかく、現状は財政が逼迫しているということを、住民のみなさんには浸透していないようにも思えました。
これは、事業仕分け以前の問題として、市の財政状況などを市民に説明する機会が不足しているからではないでしょうか。
もちろん、なかには経営感覚にあふれたコメントや、将来世代を憂い、このままではいけないという素晴らしいご意見もありましたし、性別、職業、年齢など分布も幅広かったことも幸いでした。
このような多様な属性、価値観をお持ちの方が行政に関心を持ち、参加し、まちのゆくえを自分自身のこととして考えていただけたらうれしいです
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