田川市の続きです。仕分け中にお聞きした、驚きのエピソードを紹介します。
かつて炭鉱でにぎわった町も、いまや旧産炭、過疎指定になり、財政力指数は0.4、全国1,723市町村中の順位は1,000番を超え、人口の26%以上が65歳以上の老年人口、全国平均20%と比較すると、財務状況も納得できます。22年度決算の構成では、歳入の28.8%が交付税、22.3%が国庫支出金であり、歳出の32.1%が扶助費、公債費13.6%となっています。
とても厳しい状況は容易に想像できます。
そんな自治体へは、国からの支援が手厚くて当たり前、とだれもが思うことでしょう。しかし、その中身について、市民の方が怒っていました。
それは「宅地分譲事業」(田川市への定住移住を目的に、市の土地を分譲住宅用地として販売する事業)でのやり取りからわかったことなのですが、
この造成は、当時、国の失業対策事業として、103億円の国庫補助と市の負担3億円をプラスした総額106億円ほどの事業規模で、失業者を雇用する10年間の事業だそうです。
しかし、仕分け人からは、造成に費用がかかりすぎるとして、費用の積算根拠を質問しました。
そしたらなんと、造成作業のほとんどを人力で行わなくてはいけない、というルールがあるそうです。なんでも総事業費の1/10までしか重機の使用は認められないとのこと。
ショベルカーなどの重機を使えば人件費は抑えられますが、大量の人を雇えないというのが理由です。そりゃあツルハシで土を掘り、その土をかごで運べば、日数も人手も要りますよ。
だから単価は3倍以上にも跳ね上がるそうです!
これって本当のことなんですか!?
一定の失業者を雇用するために、わざわざ高い費用をかけ、技術移転もできない作業を10年間もやらせるって・・・もう、唖然としてしまいました。
もちろん、第一義的には国の政策に問題があるのかもしれません。
赤字補填として生活費を支給するだけで、自立するための建設的な支援にはなっていない。
なんだか生活保護の政策と根っこは同じだなぁ と感じました。