先週は三重県松阪市、そうです、松阪牛で有名なまつさかです。
地元の方は「まっさか」と発音するそうですね。
久しぶりの地元のグルメを堪能しました。いや~、おいしかったです。
松阪牛は、全国から優秀な血統の子牛を導入し、松阪牛個体識別管理システムの対象地域で肥育された、未経産の黒毛和種の雌牛を『松阪牛』と呼んでいるそうです。
特選の称号を与えられる典型的な松阪牛は、但馬地方から生後7ヶ月~8ヶ月ほどの選び抜いた子牛を導入し、約3年間、稲わら、大麦、ふすま、大豆粕などを中心に与えて育てたもので、特に、牛の食欲増進のためにビールを飲ませたり、身体もマッサージするんだそうですね。一生懸命育てていただき、ありがとうございます!
さて、平成17年に1市4町が合併して誕生した松阪市は、国内最古の土偶が出土した遺跡や、伊勢地方で最大の宝塚古墳があるなど、古くから経済・文化・交通の発展したところであったようです。三井高利、本居宣長、松浦武四郎など著名人を輩出するなど、自由闊達な商人気質であると市の概要には表現されていました。
若いあごひげの山中市長が当選したのも、少しはそんな気質が背景にあるのかもしれませんね。
そんな、自由闊達な風土なのか、松阪方式の事業仕分けは「利害関係者」が説明員に加わるとう特異なスタイルです。ちなみに去年もこの方式でした。また、今年度は事業の「集中と選択」を掲げ、類似事業をまとめて議論することも試みました。
結論から言うと、利害関係者からは、良いご意見がいただけたと思います。
時には必要性や有効性を熱く語り、時には職員の説明を理論的に補足したり、と実際に現場で携わっているからこそ出されるご意見でした。
さて、現在の松阪市は、財政力指数0.677、65才以上の割合は22.2%と、いずれの自治体にも共通する「財政難」、「高齢化」がキーワードです。
そこで、「財政難」、「高齢化」に加え、「合併」のまちの特徴的な事業を1つ、ご紹介します。
旧松阪市管内の「敬老記念品贈呈事業」 旧4町管内の「敬老会開催事業」
★旧松阪市管内では、80歳以上の約9,000人を対象に、1人当たり933円(人件費込み)のお菓子を、ほぼ全員に記念品として贈呈しています。
★一方、旧4町管内では、75歳以上の約6,300人を対象に、演芸などのイベント開催、バス送迎、お弁当などの提供を行っています。しかし、参加率は26%、1,600人程度の参加となっており、1人当たり6,400円(人件費込み)の経費がかかっています。(参加できない方への対応はしていない)
論点は
★サービスの格差・・・旧松阪市管内と旧4町管内に違いがあってよいのか。また、同じ管内でも、差があり、演芸に参加できない人、お菓子が食べられない人への対応はしていません。
★期限・年齢の設定・・・高齢化が進む中で何歳まで対象にするのか。もしも、旧松阪市管内が75歳に引き下げた場合、さらに600万円が増額となる。サービスの高いほうに合わせてよいのか。など、合併特有の課題も解決されていませんでした。
★目的はどこにあるのか・・・そもそも敬老の意をあらわすために、演芸会やお菓子を配ることが適切なのか。敬老の意味を考えてほしい。実施することが目的になっていないでしょうか。
★行政の役割・個人の役割・・・長寿というのはまったく個人的なものであり、そのお祝いをどこまで行政が担うのか。地域や家族で、その方に合ったお祝いの仕方がある。行政のお仕着せになっていないか。それぞれの役割を再考するきっかけになる事業でした。
仕分け人からの意見に対し、市民の皆さんからもたくさんの賛同の声が上がりました。
結果は、要改善。目的に合致しているのか、受益者・内容の偏在はないか、などを改めて考える機会になったと思います。
松阪市の全30事業の結果は、不要3、再構築3、要改善20、現行どおり2、拡充2でした。
ところで、1日目に元気に挨拶をされた山中市長ですが、2日目の朝には松葉杖で登場。なんでもこども相撲に出て、足の指を負傷されたそうです。とても痛そうでしたが、救急医療の重要性も再認識されたそうですね。去年の仕分けで「一次救急医療体制事業費」が現行どおりだったことに言及され、「やはり仕分け人さんたちは、このように大事なものはカットしなかった」と仰ってくださいました。
山中市長、お大事にしてください。
良いお話をしていただいた市民のみなさん、ありがとうございました。 夏太りかも。体重測らなくちゃ