kurogenkokuです。
326冊目は
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「超」入門 失敗の本質
鈴木博毅 著 ダイヤモンド社
突然ですが。
本書はここ最近読んだ中で、群を抜いて勉強になりました。間違いなくおススメ本です。
大東亜戦争における日本軍の敗因は、単に物量や技術面で劣っていたのではなく、組織が持つ構造的・精神的な特性こそが原因としています。
それをわかりやすく、さらに「今日の日本企業の凋落と衰退」を「日本的組織の特性とは何か」という視点で鋭く解説しているのが本書です。
例えば、イノベーションを創造する3つのステップ
(ステップ1)戦場の勝敗を支配している「既存の指標」を発見する
(ステップ2)敵が使いこなしている指標を「無効化」する
(ステップ3)支配的だった指標を凌駕する「新たな指標」で戦う
戦闘で出現した米軍のイノベーションとしては、①「サッチ・ウィーブ戦法」・・・単機戦闘ではなく「機数の多さ」という指標、②レーダーによる迎撃・・・目視という従来の指標を超えた「距離」の指標、が挙げられます。
そのうち①については、米軍のF4Fより零戦が優れているのは「旋回性能」という指標だということを発見。F4Fを二機一組で配置することにより「旋回性能」を無効化、「連携性」という新しい指標を用いて空戦を制したわけです。
そんなこんなで事例もわかり易いですし説得力も抜群ですから、お読みいただいて損は無いと思います。
【目次】
序 章 日本は「最大の失敗」から本当に学んだのか?
ざっくり知っておきたい戦史
失敗例としての「6つの作戦」
第1章 なぜ「戦略」が曖昧なのか?
01 戦略の失敗は戦術では補えない
02 「指標」こそが勝敗を決める
03 「体験的学習」では勝った理由はわからない
04 同じ指標ばかり追うといずれ敗北する
第2章 なぜ、「日本的思考」は変化に対応できないのか?
05 ゲームのルールを変えた者だけが勝つ
06 達人も創造的破壊には敗れる
07 プロセス改善だけでは、問題を解決できなくなる
第3章 なぜ、「イノベーション」が生まれないのか?
08 新しい戦略の前で古い指標は引っくり返る
09 技術進歩だけではイノベーションは生まれない
10 効果を失った指標を追い続ければ必ず敗北する
第4章 なぜ「型の伝承」を優先してしまうのか?
11 成功の法則を「虎の巻」にしてしまう
12 成功体験が勝利を妨げる
13 イノベーションの芽は「組織」が奪う
第5章 なぜ、「現場」を上手に活用できないのか?
14 司令部が「現場の能力」を活かせない
15 現場を活性化する仕組みがない
16 不適切な人事は組織の敗北につながる
第6章 なぜ「真のリーダーシップ」が存在しないのか?
17 自分の目と耳で確認しないと脚色された情報しか入らない
18 リーダーこそが組織の限界をつくる
19 間違った「勝利の条件」を組織に強要する
20 居心地の良さが、問題解決能力を破壊する
第7章 なぜ「集団の空気」に支配されるのか?
21 場の「空気」が白を黒に変える
22 都合の悪い情報を無視しても問題自体は消えない
23 リスクを隠すと悲劇は増大する
おわりに――新しい時代の転換点を乗り越えるために
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