山道をよくドライブする。
トンネル内を走っていた時、歩道用通路にそこそこ大きな黒い塊が置かれているのを目にした。
それが何なのかはすぐ通り過ぎてしまったのではっきり見えなかった。黒い布をかぶせていたように思えるが、それもはっきりわからない。
誰かが置き捨てたゴミなのか、それとも凍結防止剤なのか。
まったく何かはわからないが、誰かがうずくまっているように見えなくもなかった。
んなことないか。
進む道にはトンネルがいくつもあり、次のトンネルに入っても同じような塊があった。次もその次も。
いやこれもう、真冬に向けて準備された凍結防止剤に決まりでしょ。
そう独り言ちるも、気になるのが、その黒い塊の高さが見る度に伸びていることだ。まるでうずくまる人が立ち上がっていくかのように。
最後のトンネルに入る。
ずっと先にいる黒い布を被る人のようなものが遠目に見え、思わずスピードを緩めてしまった。
激しくクラクションを鳴らしながら追い越す後続車に瞬間気を取られ、視線を戻した時にはトンネル内にもう何もいなかった。
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