とは、言う物の弟くん一人ではとても直せないと思われるので、色々と指導する事とする。物は、DELLのE173FPc。なんか見たこと有るなと後で調べると、会社の事務机の上のモニタがE173FPbでほとんど外形は同じだった。ネットで調べると、中の基板は大きさも中身もだいぶ違うようで、会社のモニタを借りて帰っても、そのまま電圧比較するって訳にはいかなさそうだ。
それはさておき、先ずは動作確認から。
電源をつなぐと、電源スイッチを押さなくても、電源スイッチの所のLEDが緑になったり橙になったりと点滅している。部屋の電気を消すと、点滅に合わせて、液晶のバックライトもかすかに点滅している。映像信号はつないでもつながなくても動作は変わらないし、LCDに何も表示されていないように見える。
ふ~ん、何でしょ?モニタの信号検出部分が不安定で、勝手に映像信号を検出したり喪失したりしたと判断しているのかな??とすると問題は制御基板??
先ず分解から。なんとスタンドの4本のネジを外した後は、前後パネルフレームの組み付けは、はめ込みのみでネジを使っていない。う~ん、最近は、はめ込みが多くなって来たけど、はめ込みだけでの組み付けとはさすが、コストダウン設計が進んでるな~と感心する。中身は、電源基板と制御基板の2枚構成。
一通りPCレベルまでバラして、先ずは目視確認を弟くんにさせる。
取りあえずおかしな所は無いと言う。一応私が後から調べてみると完全にNGって程ではないけど、少し怪しい半田付けが4カ所ほど。見た感じではまだ大丈夫そうに見えるけど、今後の進行を抑えるために再半田を実施。
ついでに、バックライトの陰極管が切れてないか、手持ちのインバータ基板を使って、1本づつチェックする。陰極管は4本ともOKっぽい。
と言う事で、一旦パネルとPCBをバラックで仮組みして、電源をつないでみる。
症状は変わらず点滅状態で変わらず、目視予想通り半田不良ではなさそう。
次に電源基板と制御基板間の信号を見る。6ピン中、グランド2本、電源2系統制御信号らしき物2本となっている。電源をつないで各ピンの電圧測定。電源系は、5Vと12Vなのね。制御信号は、4番ピン(偶数ピン番のみで2~12番が割り振られていた)は、デジタルテスタで見てるから、はっきりした電圧は測れないけど、5V弱と0Vの間を行ったり来たりしてるような感じで動いている。2番ピンは0V。良く見ると12Vも少し不安定で動いているように見える。点滅の動作と連動しているかな?
たぶん、この制御ピンの前後で何かおかしな事が起こっていそう。と言う事で先ずは、2・4ピンをコネクタから切り離して動作を見てみる。今度は電源スイッチを押した時だけ電源が入って、LEDは緑に点灯する。映像信号をいれてみると、LCDにうっすらと表示されているのが判る。おお、この状態だと、制御基板は正常に動いているって事。後はバックライトが点けばOK?
ちなみに、この状態で制御基板側は、2ピンは3.3V、4ピンは4.7Vになっている。電源基板側は、どちらも0V。このピンはどちらも制御基板からの出力信号みたいだな。ついでに、各ピンを1本づつ接続すると2ピンを接続すると最初の点滅動作に戻る。4ピンはつないでもつながなくても変わらない。ふ~ん、2ピンの制御信号が点滅のトリガーになってる訳ね。
一旦、電源基板を外して2・4ピンからのパターンを追いかける。
2ピンは、TRのベースに入ってる。コレクタから先は、もう一つTRを介してインバータ電源用のPWMコントローラICのTL1451の9番ピンへ入ってる。データシートを探して9番ピンを見るとVCCピンだ。ふ~ん、2ピンがハイになると、TR2段を引っ張って、TL1451に電源供給する仕組みね。とすると、このピンがハイになって、TL1451に電源供給したとたんに何か不具合が起こって、保護回路が働いて電源が落ちるって感じかな。PWMコントが動いたとたんにどこかに過電流が流れて、電源電圧が一旦落ちて、電源が切れて、また再始動して、イニシャライズのシーケンスでPWMコントローラをオンした時にまた、電源が落ちるの繰り返しループになってる可能性が大きいかな。インバータ系に電源供給して、過電流を流せる所と言えば、やっぱりスイッチングのTR辺りが一番可能性が高いかな。ショートモード破壊だと、スイッチング出来ずに、大電流を流して電源を落とすことになるかも。
インバータのスイッチングのTRには、2SC2506が4個使用されている。回路が色々つながってるから正確な測定は出来ないけど、取りあえずPCに実装したままの状態で抵抗値を測定すると、2個だけ抵抗値が低いし、極性を変えても同じ低抵抗値。どうも、これは壊れてるっぽいな。TRを外して正確に測定。
↑怪しそうなTR二個を外した所
2個のうち一個は、やっぱりショートモードで壊れている。1個は大丈夫っぽい。代品のTRは以前プリンストンの17インチを修理した時に入手したと思ったけど、入手分は全部予防で交換に使用してしまって、プリンストンについてた無事だったTR 2SC2507が3個手元に残っている。データシートを調べるとPcmaxは同じで、Icmaxが少し大きいから使えそう。取りあえず、交換して仮組のまま動作チェック。電源オンで自己診断モードの画面が正常に表示。映像ソースを入れるときれいにデスクトップを表示している。よしよし治ったかな。
↑左が壊れているTR、右2個は取り替えようTR。よく見ると左のTR割れてる?外す時に壊した?はじめっから?
後は、元通り組み立てるだけ。とここで弟くんが『TRって時間が経つと壊れるの?』との質問。『う~ん、放熱設計が悪くて、ディレーティングが足りないと比較的短時間で壊れるかな?70%位で使ってるとそれほど問題にならないけど80~90%以上で使ってると
壊れやすいかな』と説明しながら、今回は同じPcmaxの物に交換だから、ジャンクションーエア間の放熱抵抗は変わらない。こりゃ又すぐ壊れるか?ちょっと不安になったので、気持ちだけ放熱板として、手持ちの銅板を切って、TRのフィンに半田付けして、放熱を稼ぐことにした。まあ、何もなしに比べれば少しはマシでしょ。(もっとも前の奴が壊れた原因が熱による劣化ならの話だが、、、)
と言う訳で、弟くんに元通り組立させて修理完了。弟くんが暫く試運転してみて問題なさそうなら、友達の所へ持っていくとか。しかし、液晶モニタのインバータ部破損って多いなぁ、、、、
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