今日から7月ですね。例年ですと京都では祇園祭の話題で持ちきりで、心なしか気持ちもわくわくしてくるものなのですが、今年はひっそりとしています。
さて、先月6月下旬のことですが、深泥池ではジュンサイ(蓴菜)の花が今年も咲き始めていました。若芽の部分を酢の物やおすましの具材などにして食べるあの植物の花です。
例年だと岸辺近くに咲いている花を数輪は見つけることができたのですが、今年は少し沖合で咲いている花しか見つけられず。まさかソーシャルディスタンスというわけではないでしょうが、手持ちの望遠レンズで撮影したものをトリミングしていますので、ピントがちょっと甘いです。もちろん、さほどの腕前が元からあるわけでもありませんが。
ところで、京都や大阪では「あいつは、じゅんさいな奴や」というような表現で使われることもありますが、これはヌメヌメとしたジュンサイのように「捉えどころのない、いい加減な人間」という意味なので、このように言われるような態度を取り続けていると誰にも相手にされなくなり、この花のように沈んでいってしまうかもしれませんので注意しましょう。(この花は沈んだように見えて咲いているだけですが)
深泥池のジュンサイは一時絶滅も危惧されましたが水質改善によって復活し、数年前には逆に過剰繁茂が問題となって京料理への活用方法を模索するほどになっています。
しかしジュンサイの国内生産量の9割を占める秋田県三種町では今年、販売不振と凶作が重なったことで特産のジュンサイが危機に瀕していると日本農業新聞の記事にありました。
新型コロナウイルスの影響によって出荷先である首都圏の飲食店や旅館からの注文が激減し、昨年の水不足は回避できたものの今年は春先の低温が響いて生育が遅れたというダブルパンチに見舞われているとのこと。
そして、三種町のジュンサイ農家は現在、ピーク時の7割減の戸数で高齢化という課題も抱えているそうです。
そこで、町は基幹産業の衰退の回避のため収穫体験や観光事業にも支援策を見出すよう検討し、農協でもホームページでジュンサイのレシピを公開して消費を促す活動をされているそうです。
↓↓↓ジュンサイのレシピはこちら↓↓↓
さて、深泥池ではジュンサイだけでなくタヌキモ(狸藻)の花も咲き始めています。池面を彩るのはジュンサイよりもこちらのタヌキモだとも言えそうなくらい咲いています。
また池畔では、ニワゼキショウ(庭石菖)によく似ているけれど、ちょっと違うような花を見つけました。調べてみるとニワゼキショウの近縁種のセッカニワゼキショウ(雪花庭石菖)という種のようです。
花は小さくて白く、花弁のかたちは不揃いで中央に筋が1本だけあるのが特徴です。北アメリカ原産とされていますが、学名は確定していないようです。小さいため、コニワゼキショウ(小庭石菖)という別名もあるようです。
ついでながら、近縁種のニワゼキショウとオオニワゼキショウを比較した記事はこちら。1か月ほど前の投稿記事ですが、お時間がありましたら読み返してみてください。