一昨日に鴨川河川敷で見つけた、かの悪名高き花を紹介し、外来種が増えていると書きましたが、少ないながらも在来種の姿も見かけました。
こちらはイボクサ(疣草)の花。
北海道から沖縄にかけての湖沼や河川等に生息するツユクサ科イボクサ属の湿性植物ですが、状況によっては沈水状態でも平気で生育するそうです。和名の由来は、葉を絞った汁をつけると疣が取れるという民間療法にちなむようですが、実際に疣が取る効果はないようです。ちょっと残念な命名でしょうか……
なお、イボクサは水田にも生えますが、そうなると水田雑草としてはやっかいな存在になるようです。また北アメリカやヨーロッパでは外来種として帰化しているようです。
このイボクサの近くではクサネム(草合歓)の花も。
花のかたちはアレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)に似ているといえるでしょうか。マメ科植物だとわかるかたちをしているので花を見ても珍しいとは思わないかもしれませんが、和名の由来ともなっているネムノキ(合歓木)に似た葉が特徴的で、こちらのほうが印象的と言えるでしょうか。
日本全土の河川敷や水田等に生えるマメ科クサネム属の一年草ですが、草姿は別属のカワラケツメイ(河原決明)に似ていると言えるかもしれません。
そして、先日の鴨川河川敷散策にはもうひとつの目的があり、こちらの木の実を見てみたいのでJR奈良線の鴨川橋梁まで足を伸ばしたのです。
ナツメ(棗)の実です。生食することもできますが、あまり味はないと言えるでしょうか。ひとつ捥ぎって食べてみましたが、味のないモサモサのリンゴといった感じです。収穫してすぐ使うのであれば、果実酒にするか甘露煮にするのが一番よいのではと思います。
ちなみに抹茶を入れる茶器の棗は、この実のかたちに似ていることによりますが、茶器でも濃茶用の茶入ではなく薄茶用の薄茶器を指して呼ぶことが多いようです。
調べてみると、このナツメの実でも染色ができるようなので、挑戦してみようかな?