今日は「立春」ですね。こよみのうえでは春になったのに、ようやく京都に冬らしい寒さが到来したようにも思えます。でも、今年の旧正月は1月25日でしたので、二十四節気も含めて一応は新春を迎えたと言えるでしょうか。
旧暦では、今年のように旧正月の後に立春が来る年は「新年立春」と呼び、旧正月よりも先に立春を迎える年は「年内立春」と呼び分けていました。旧暦1月の節気である立春に必ずしも元日が一致しないのは、旧暦でこよみを定める際に、11月の中気にあたる「冬至」を含む月を旧暦11月とすることが第一条件であるためです。
さて、新春といえば今年は「子年」です。先日のこと、叡山電車の沿線沿いを歩いていると、このブログ記事のタイトルの名前を持つ植物が花を咲かせているのを見つけました。
本来の花期は春ですので、暖冬の影響なのかもしれませんが、さて何という名前の植物でしょうか。答えはオランダミミナグサ(和蘭陀耳菜草)です。もうちょっと詳しく述べますと、オランダミミナグサを含むミミナグサ属の植物の総称を英語では「Mouse-ear chickweed」と言います。このChickweedとはハコベ(蘩蔞)のことです。つまり「ネズミの耳をしたハコベ」という意味で、葉がネズミの耳のようなかたちをした、花がハコベに似た植物といったところでしょうか。
オランダミミナグサはヨーロッパ原産の越年草で外来種ですが、日本にも在来種のミミナグサ(耳菜草)が分布しています。このオランダミミナグサとミミナグサは、花が咲いていない時期に葉だけで見分けるのは難しいのではないでしょうか。一番見分けやすい違いがあるのが花で、ミミナグサは萼より花柄のほうが長くて萼と花弁の長さが同じであり、オランダミミナグサは萼より花柄が短くて花弁のほうが萼より長い点が違いであると言えます。
じつは、日本のミミナグサの語源も「葉がネズミの耳に似た菜の草」という意味でつけられています。この植物に、洋の東西を問わず同じ動物に譬えて名付けているということは、人間にとって「ネズミ」がいかに身近な動物であるかを物語っているのでしょうか。
また、ミミナグサの漢字表記に「菜」とついているのは、ハコベ同様に若菜を摘んで食べることができるからです。清少納言の「枕草子」にも1月7日の若菜の話として出てきます。内容は、前日の6日に若菜を人が持ってきてわいわい騒いでいるところへ、子供たちが持ってきたミミナグサを指して清少納言が「何という草なの」と尋ねても子供たちは誰もすぐに答えず、少し時間が経ってから誰かが「ミミナグサ(耳無草)だよ」と答えたので、道理で話が聞こえないような顔をしているね(耳が無い)と清少納言が言ったというような話です。
旧暦では、今年のように旧正月の後に立春が来る年は「新年立春」と呼び、旧正月よりも先に立春を迎える年は「年内立春」と呼び分けていました。旧暦1月の節気である立春に必ずしも元日が一致しないのは、旧暦でこよみを定める際に、11月の中気にあたる「冬至」を含む月を旧暦11月とすることが第一条件であるためです。
さて、新春といえば今年は「子年」です。先日のこと、叡山電車の沿線沿いを歩いていると、このブログ記事のタイトルの名前を持つ植物が花を咲かせているのを見つけました。
本来の花期は春ですので、暖冬の影響なのかもしれませんが、さて何という名前の植物でしょうか。答えはオランダミミナグサ(和蘭陀耳菜草)です。もうちょっと詳しく述べますと、オランダミミナグサを含むミミナグサ属の植物の総称を英語では「Mouse-ear chickweed」と言います。このChickweedとはハコベ(蘩蔞)のことです。つまり「ネズミの耳をしたハコベ」という意味で、葉がネズミの耳のようなかたちをした、花がハコベに似た植物といったところでしょうか。
オランダミミナグサはヨーロッパ原産の越年草で外来種ですが、日本にも在来種のミミナグサ(耳菜草)が分布しています。このオランダミミナグサとミミナグサは、花が咲いていない時期に葉だけで見分けるのは難しいのではないでしょうか。一番見分けやすい違いがあるのが花で、ミミナグサは萼より花柄のほうが長くて萼と花弁の長さが同じであり、オランダミミナグサは萼より花柄が短くて花弁のほうが萼より長い点が違いであると言えます。
じつは、日本のミミナグサの語源も「葉がネズミの耳に似た菜の草」という意味でつけられています。この植物に、洋の東西を問わず同じ動物に譬えて名付けているということは、人間にとって「ネズミ」がいかに身近な動物であるかを物語っているのでしょうか。
また、ミミナグサの漢字表記に「菜」とついているのは、ハコベ同様に若菜を摘んで食べることができるからです。清少納言の「枕草子」にも1月7日の若菜の話として出てきます。内容は、前日の6日に若菜を人が持ってきてわいわい騒いでいるところへ、子供たちが持ってきたミミナグサを指して清少納言が「何という草なの」と尋ねても子供たちは誰もすぐに答えず、少し時間が経ってから誰かが「ミミナグサ(耳無草)だよ」と答えたので、道理で話が聞こえないような顔をしているね(耳が無い)と清少納言が言ったというような話です。