ホタルイカの酢味噌和えを食べたい

富山湾の春の風物詩であるホタルイカ漁が、今年もついに解禁された。だが、初日の水揚げ量はわずか18キロと、例年に比べて控えめなスタートとなった。昨年の106キロと比べると、その差は歴然。ホタルイカたちはまだ冬眠中なのか、それとも新年度のスタートダッシュを控えているのか。

滑川漁業協同組合によれば、今後海水温が上がれば漁獲量も増加する見込みとのこと。つまり、ホタルイカたちは今、適温待ちの状態というわけだ。ピークは4月から5月初旬にかけて訪れ、漁は6月まで続く予定。まるで春の訪れとともに目を覚ますかのようなスケジュール感だ。

一方で、ホタルイカ漁解禁のニュースを聞きつけた県内外のホタルイカファンは、すでに心の準備を整えている。光るイカを見てはしゃぐ子どもたち、網焼きや沖漬けを堪能する大人たち、そしてスーパーの鮮魚コーナーでホタルイカと目が合い、今夜の献立に思いを巡らせる主婦たち。今年の漁獲がどうなるかはさておき、ホタルイカがもたらすドラマはすでに始まっている。

それにしても、毎年この時期になると、ホタルイカの話題がニュースになるのはなぜだろうか。春の風物詩として親しまれているとはいえ、全国的に見ればホタルイカを食べたことがない人も多いはずだ。もしや、ホタルイカは「話題になること」こそが本業で、実際に食されることは副業なのではないか。そんなことを考えながら、今日もホタルイカたちは深海で光りながら、そっと我々を見つめているのかもしれない。

月と水星

今日は3月1日、細い月と水星が大接近する珍しい天体ショーが見られる日だ。日の入りから約45分後、東京では18時21分頃、西の空に注目してみるとよい。高度がかなり低いため、ビルや木々に邪魔されない見晴らしのよい場所を探すのがポイントだ。

目印となるのは、ひときわ明るく輝く金星だ。金星を基準にすると、やや左下の低い位置に、細い月と水星が並んでいるのがわかる。水星は普段、太陽の近くにいるため観察が難しいが、今日は条件が良ければ肉眼でも見ることができる。より確実に観察したいなら、双眼鏡を使うのがおすすめだ。

水星は「幻の惑星」とも呼ばれ、地球から見える時間が短いため、観測のチャンスは限られる。今日のような機会は貴重なので、ぜひ空を見上げてみよう。もし見えなくても、春の夜風を感じながら空を眺めるだけで、ちょっとした特別な気分になれるかもしれない。