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えちぜん鉄道で発生した脱線事故は、まさに「山の気まぐれ」によるものだった。2日早朝、勝山永平寺線の比島駅付近で、線路に転がり込んできた巨大な落石が電車と正面衝突。結果、先頭車両は脱線し、窓ガラスにひびが入った。しかし、幸いにも車内の乗客2人と運転士にけがはなかった。
落石のサイズは縦横1.5メートルほどで、もはや「ちょっとした石ころ」とは呼べないレベル。これほどの巨石が、どのような経緯で線路に転がり込んできたのかは不明だが、山が本気を出した結果であることは間違いない。地元関係者によると、このあたりは以前から落石が懸念されていたものの、「これほど大きなものが落ちるとは思わなかった」とのこと。まさに「想定外」の一言である。
えちぜん鉄道は事故を受け、一部区間の運休を決定。復旧作業が進められているが、「山のご機嫌」をうかがいながらの作業となるため、慎重な対応が求められるだろう。これを機に、沿線の落石対策が強化されるのかどうかも注目されるところだ。
一方で、この事故を「運転士と乗客にけががなかった」という点に焦点を当てると、「電車 vs 岩」の勝負は、意外にも電車側の粘り勝ちだったとも言える。もちろん、脱線はしたものの、大きな惨事には至らなかった。これはある意味、鉄道車両の頑丈さを証明する結果となったのではないだろうか。
それにしても、山というのは時々、思いがけないサプライズを用意してくれるものだ。今回の落石も、自然の壮大な気まぐれの一環だったのかもしれない。となると、次はどこでどんな「気まぐれ」が発生するのか。油断ならない世の中である。
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