米が高騰しています。どうも転売商品と
して使われてしまったようです。本来、
米は農家からJAが買い取るのですが、
それよりも高い価格の提示で農家から
直接買い取っていった謎の業者が多数
いたようです。いわゆる転売屋と見て
間違い無いでしょう。
さて国としては米の価格を下げるために
いざという時のために保存しておいた備蓄米
の放出を決めました。これが米の高騰にどの
程度影響を与えるか分かりません。それより
もっと速く備蓄米を放出するべきだったのでは
ないか?という批判が上がっています。米は
結構前から高騰していたのですから。ただ…
今回ばかりは私は政府を批判する気にはなれ
ないです。
母方の亡き祖父母は農業をやっていました。
売るためではなく自分達で食べるために、
色々な野菜や米も作っていました。私は昔、
祖父に米がこれだけ大量にとれるのに何故
売らないのか聞いたことがあります。祖父
は笑って言いました「こんなもん売っても
二束三文にしかならんわ」そう、米って
売っても利益がほとんど無いんですね。
だって、米って日本の主食であり、あって
当たり前のもの。ゆえに大量に全国各地
で作られているので高く売れるわけが
無いのです。
ここで農業、ひいては商売の問題が出てくる
のです。農業だと米に限らず野菜や果物等も
そうですが。つまり農家としては利益を出す
ため少しでも高く売りたい。一方、買う側と
しては当然ながら少しでも安く買いたい。
これって永遠の課題な気がします。
話は戻って政府が備蓄米を放出して米の
価格が下がったら買う方としてはありがたい
ことです。しかし米農家側としては価格が
下がったので、当然JAとかから安い価格で
しか買い取ってもらえなくなる。利益も
当然減ります。あなたが米農家ならそれは
喜べることでしょうか?
推測ですが政府は米農家の不満と消費者の
不満を天秤にかけて備蓄米の放出に時間
がかかったのだと思います。だとすれば
同情しますね。
繰り返しですがフリマとかもそうですが、
売る側は出来るだけ高く売りたい。
買う側は出来るだけ安く買いたい。
この両者の意思はいつの時代も平行線です。
特に私は祖父母の米作りを手伝ったことが
何度もありますが、本当に大変でした。
天候に恵まれないとその年の米が不作に
なってしまったり。台風でも直撃したら
悲惨です。ガックリ肩を落とした祖父が
「今年はしゃあないな…」と呟いたのを
今でも鮮明に覚えています。
どんな理由があれ安く売れと言っている
人達に農業の苦労を知っている私は一度
でいいから農業を経験してみろ。と
言いたいです。一度でもどれだけ大変
なことか痛いほど分かるはずです。
ほとんどの人は1時間も作業すれば
音を上げるでしょうね。