先日入手したフィルム時代の初期、広く普及した旭光学のタクマーレンズ、そのバリエーションの中では比較的後期の SMC Takumar 55mm f1.8 レンズの試写をしてみました。
(前回、初めてタクマーを星空に向けて試写した時は、本当に適当で、いい加減な撮影でした。その結果がびっくりするほどよく撮れていたので、今回2回目、今度は <絞り開放>のしばりはありますが、そこからちょっと腰を落ち着けて、しっかりと設定セットアップし、落ち着いてシャッターを切ってみました。 写真はJPEG撮影ですが、4枚を合成しています。)
フルサイズセンサーのEOS5Dにタクマーを取り付けて、まずは使い始めなので、大口径f1.8絞り開放で今夜は撮影します。 カメラをガッチリ三脚固定で5秒間の露光( 日周運動で星が流れるのを覚悟の上で、見かけ上点になれ!と念じつつの5秒露光 )です。
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実のところ、今まで星空撮影遊びをしていて、ごくご最近のデジタル一眼レフカメラ用に設計されたレンズでも、<絞り開放>で星空を撮影すると、画面の隅の方で流れて見えたり、変な形に歪んで見えたりして、「うーん、なんかきれいな星空写真とは言えないよなあ」というケースは結構多くありました。
そんな理由で、「50年、完全に半世紀前のレンズだしなあ・・・」とあまり過剰な期待をせずに撮影を試しているところなのですが、上のような写真が撮れてしまいます。
星空写真として構図とか、美しさというより、「絞り開放でどのくらい星らしく写るのかなあ」というのが個人的興味のポイント、課題での試写です。
夜空の星の光を大口径レンズがしっかりと集め、それを35mm版の大きなイメージセンサーの、角のすみまできちんと星を点として捉えているところに、今夜も驚かされました。
Takumar 55mm f1.8 の<絞り開放>撮影で、すでに上のような星空写真になるわけですから、それを f2.0 とか、 f2.8 とかさらに絞りリングを回して撮影すると、上の写真から<かならず>もっと上質できれいな星空写真を撮影することが可能である!ということを意味しています。
(実際日中、裏庭で目の前のものを撮影した時、開放の f1.8 での写真は全体にずいぶんぼんやりとした印象の写真になっていて、それを f2.0, f2.8 まで絞り込むと、いきなりきれいな写真に激変する!というのを確認しています。)
もしフルサイズセンサーのEOS5Dに、このTakumar 55mm f1.8 を取り付け、上の写真と同様、<絞り開放>で、手動赤道儀ハヤブサとか、ポータブル赤道儀で、星の動きを追尾しながら、露光時間を10秒くらいにするだけで、ずいぶんきれいな星空写真に成ると思いますし、絞りをちょっと f2.8 くらいにして、露光時間をもう少し大きくした撮影が可能であれば、さらにもっときれいな星空をとらえることが出来る、ということになります。
このM42マウントの旭光学レンズ・Takumar 55mm f1.8 だけが素晴らしいポテンシャルを持ったレンズなのでしょうか? それとも旭光学の35mmf3.5レンズや、28mmf3.5レンズも、(55mmf1.8ほどの明るさはないのですが)いずれも絞り開放の設定でも、画面の隅々まできれいな星空を点として撮影できるのでしょうか?
個人的にはフルサイズ・Canon EOS5D(初代)には、Takumar 55mm f1.8 レンズ一つで<もうじゅうぶん>と思っていたのですが、物は試しと星空にレンズを向けて以降、今、なんかもっと広角のタクマーレンズを試してみたくなってしまって・・・・・ 困っています(^-^;)。
(約50年前の旭光学タクマーレンズ と 15年前のフルサイズセンサーEOS5D)
cf現在のAPS-Cセンサーサイズ一眼レフカメラは、レンズを通して結像した映像の、その真中部分の小さい範囲をデジタル映像として写真にしているので、レンズが集めた光・映像の四隅は切り捨てているとも言えます。その結果、レンズの最も高性能な領域の映像を写真にしてくれるAPS-Cカメラの写真が全般的にとても美しいというのは、理にかなっています。
ところがセンサーが昔のフィルムと同じ35mm版の大きな面積となると、レンズが頑張って集めた光、映像の四隅も、そのまま全て写真にしてしまう!という表現も可能かと思います。
(ということは、上のTakumar 55mm f1.8 を、手持ちのAPS-CのCanon EOS40Dに取り付けて写真を撮ると、その出来上がった写真は、自動的により美しい写真になるということですね。 ・・・・じゃあ、ちょっと今夜のうちに、このあとすぐ、やっておこう!)
◯ 比較フルサイズEOS5D と APS-Cサイズ EOS40D
・・・ということで、今サササっとTakumar 55mm f1.8 を カメラEOS40Dに取り付けて、先の試写と同条件でオリオン座を撮影してきました。
三脚固定・追尾なし ISO1600 絞り開放f1.8 シャッター5秒
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なるほど・・・自分で試写しておいて、へーーーぇと思いました。同じTakumar 55mm f1.8 レンズでの撮影なのですが、フルサイズセンサー(EOS5D)で撮影した時の写真におさまる星空の景色と、APS-Cセンサーサイズ(EOS40D)での写真の景色では、ずいぶん違うのが(知識としては持っていましたが、)実際にこうして撮り比べてみると、よく分かりました。
・・・で、広いセンサーのEOS5Dで、画面の隅のすみまで、絞り開放状態にも関わらずすべて星が点になって写しとることの出来る、Takumar 55mm f1.8 レンズですから、 それよりも狭い範囲を写真にするEOS40Dでの撮影した写真の四隅・・・ そりゃあ全部星が点になって写るわけですよね。
いずれも三脚固定で、星を追尾していませんから、本当は拡大してみると、星が少し流れて写っているわけですが、55mmレンズであれば5秒の露光時間、5秒間の星の移動距離は、写真にした時に許容範囲になりそうですね。
( どのくらいの露光時間が限界なのか、まだ実験、試写をしていませんから、今日のところは無難に星が点に<なっているような気がする>5秒を、露光時間としました)
ともあれ、いずれにしても、レンズそのものの持つポテンシャルが高いというのは、フルサイズ・APS-C、そしてカメラの違いをカバーする、大きなメリットがあるでしょうね。
(個人的にあまり高価なレンズなどは持っていないものですから、お手軽、お値打ち機材でも、なんとか目の前のきれいな星空をできるだけ簡単に撮影できるようになりたいなあ!というのが、個人的な星空遊びの軸足だったりします。)
先日届いたCanon EOS5D(初代)についてのメモです。
届いたEOS5Dでの、最初の試写です。
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