というわけで、今日の相棒はなんと!ホンダVTRだ。
実はDUKE2が12カ月点検でお店にお預けとなったので、その代車として貸し出してもらったという次第。
別に車種を指定したワケじゃないんだけど、一度乗ってみたかったんだ、これ。ラッキー♪
ヤマハRZ250が席巻していた80年代前半のバイクシーンを震撼させたのが、ホンダVT250Fだった。当時の世界GPに唯一の4stマシン・NR500で参戦していたホンダが、その技術を注ぎ込んで開発したと言われたこのVツインエンジンは、その頃の常識を打ち破る高回転を実現し、RZ250と並ぶ35馬力を発生。その後のモデルチェンジを通じて、2型では40馬力、3型では43馬力に達するパワーを得た名作中の名作エンジンだ。
このエンジンが名作と言われるゆえんは、他にもある。
真偽のほどは分からないけど、ホンダ社内で実施された耐久試験で、歴代のスポーツバイク用ユニット中最高の耐久性を示したと言われることもその一つだ。
90度Vツインという形式のバランスの良さから「モーターのように回る」なんて言われたこのエンジンだけど、それは同時に、ムリなく高性能を長期にわたって維持できるということでもあるに違いない。バイク便にVTRの愛用者が多いのもうなづける話だよね。
そんなこともあってか、バイクブームが去り、VT-Fが姿を消した後も、このエンジンはスパーダ、ゼルビス、V-TWINマグナなどに搭載されて多くのライダーに愛されてきた。その末裔が今日の相棒・VTRというわけだ。
「ドカティ・モンスターのモノマネ」なんて揶揄されるデザインは、ドカのLツインにも似たエンジン以上に、スチールパイプで構成されたメインフレームによるものだろう。確かに似てる……けどカッコイイからボク的にはOKだ(笑)。
貸し出された代車は2000年モデル(2型)とおぼしき車体。ブラックを基調に、ホイールやブレーキキャリパーに金をあしらった渋いカラーが印象的。サイレンサーが激しく傷んでるけど、これはボクじゃないからね!!(^^;)
早速走ってみる(ていうか店から帰宅)。昨日たっぷりGPZに乗った後だけに、サイズもパワーもなじみやすい。けれどもGPZとは明らかに「時代が違う」ことを感じる。車体回りのバランスがとにかくいいから、気合いを入れて手順を踏まなくてもしっかり走るし、しかも気分がいい。排ガス規制のためもあるのだろうけど、3型VTよりも大幅にデチューン(43ps→32ps、6速→5速)されて中低速重視セッティングになっているエンジンもそれを助けているのは間違いない。イージーだからつまらない……ワケじゃなくて、ちゃんとステップに荷重して姿勢を変えるとか、そういう部分を落ち着いて楽しめるのだ。やっぱホンダはすげぇ、と思わせられるのはこのあたりなんだよなぁ。
ウチに着くと、さっそく比較盆栽大会開催~♪(笑)
同じ4stクォーターだけに、車格は近い。
ただしGPZは前後16インチ、VTRは前後17インチという違いがあって、ハーフカウルの有無を別にすれば、やはりGPZの方が低くコンパクトに構えている印象。
ところが、その印象はシートに跨ってみると逆転する。
Vツインとパラツインの違いはあるにしても、GPZはあの「おしゃれシートパッド」やフルカバードボディのために、明らかに乗車部分がファットな構成になっていて、ニーグリップもしにくいし、必要以上のボリューム感を感じる。これに対してVTRは実にスリムに仕上がっていて、実際走ってみても、人車がしっくりなじんで一体感を実感できる。シート高はVTRの方が高いのに、足つきは同等かVTRの方が良好……といった具合だ。
どっちにしてもボクにとっては小さすぎるバイクではあるんだけど……
……(^^;)
やっぱりバイクの贅肉は少ない方がイイよね。いや、人もか(自爆)
贅肉は少なく、とは言っても、趣味のものだけにゴージャスであって欲しい部分も。
タコメーターを持たない清貧のVTR(2002年モデル以降には装着)と、タコはもちろん水温計やかっちょいいインジケータ類を備えたGPZのインパネ。
VTRのエンジンは「モーターのよう」と言われるだけに回転域ごとの抑揚に乏しいから、気分は別にしてタコメーターは欲しいと思う装備かも。
4stクォーターが華だった時代のGPZと、それがコモディティ化した現代のVTR。
車体回りのエクイップメントだけじゃなくて、走ってみての印象も、それに符合しているように思う。
VTRには気合いや高ぶりを前面に出すことをしない。あくまでもニュートラルで、日常の範ちゅうで十分楽しめるバイクだ。一方でもちろんスポーツ気分にひたることもできる。
GPZはVT-Fの最終型と同じ43psを絞り出すそのエンジンを「らしく」走らせようとするなら、高回転キープのライディングが必須だし、コーナリングにも気合いと手順とが求められる。そしてそれがたまらなくエキサイティングなのだ。
ケとハレとでも言おうか、それとも普段着と勝負服の違いとでも言おうか、2台にはそんな、全く違った作り手の思いと時代背景が感じられた。
……って、こんな2台をここまでくだくだ語りたくなる。
だからバイクって面白いんだよねぇ。(^^;)
「おうコラ、道あけろや」
「えええっ、そんな乱暴な……」
……なんて言ってるワケじゃありません(笑)。
どちらもステキな個性派2台でありました。
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が2型でありました。
1型と違って完全ツアラーマシンですよね。
いくら回してもRZのようなパワー感は無いでありますが..。
逆にあらぬパワー出ないおかげで、コーナーでは
アクセルを閉じるのではなく開けてる方が車体が
安定してると教えてくれたのがこのマシンでした。
その他色々イイ勉強させてもらいました。^^
目一杯走る。
そんな感じがいいですよね。
さあ、GPZのひ孫なNinja250Rが国内販売される
ことはほぼ確定。
さて、どうなるか。
その売れ行きと、各メーカーの反応が
楽しみです。
ホンダ党(最近自覚しました。笑)の私は
ぜひ、ホンダでパラツインを出して欲しい
ような気がしますが・・考えてみれば
ホンダの250パラツインってホークで終わって
るんですかね。
是非、新設計水冷パラツインを出して欲しい
けど、ムリだよね~。
でも、このクラスが賑わいをみせないと
この先どうなんだろ?って気がしまふ。
2型は大柄だったから、あにぃにもピッタリだったでしょうね。
開けてる方が安定する、を初心者が学ぶには、VTの特性は最適かもしれないですね。
それにしても今どのくらい回ってるのか分からないエンジンだから、タコメーター見ないとどこまで回してイイかさっぱり分からないのが苦笑ものでした。(^^;)
>POPさん
POPさんの走りを見れば「250なんて」とか言う人はいなくなりそうな気がしますよ。
VTZは2型VTFから派生した初期モデルがデザイン的には一番好きでした。
>婆や
ホークがあらぬ方向で活躍(?)しちゃったから、打ち止めになっちゃったのかなぁ(^^;)
パラツインもいいけど、この際まずは単コロをちゃんと環境対応してもらって、XRはもちろん、そのエンジンベースのロードスポーツ作って欲しいな>ホンダ
うん。この前来たお客さんに
「オレのバイク、こんなになっちゃったんですよ~」
と事故ったバイクの写真を見せてもらったのだけど、
それがホークでした。
見事に・・あらぬ方向的なバイクになっちゃってました。(苦笑)
いつ、環境対応モデルが発表されるんでしょうね。XR250。
ちょっとやきもき。
>エンジンベースのロードスポーツ作って欲しいな
それいい!賛成~!
早っ!(^^;)
そっか~ 不幸にして「あらぬ方向」に行っちゃうバイクもあるんだな~(笑)
単コロロードスポーツ、モーターショーに出てたCB233みたいな「間に合わせ&いかにも初心者向け」みたいなのじゃなくて、ちゃんと心トキメクのを出して欲しいよね。
車名にはもちろんRSZが付く……ってアレ?これ懐古主義かな(^^;)
今はもうあまり使われないんですかね。
自分も250はZ250FS、少しだけ乗ったZ250FTそして今のCS250と川重車ばかりですが使い勝手も良く燃費や維持費、メンテナンスの面で丁度良い排気量ですね。
友人がポンコツVT-F貰って乗ってますが、気に入ってるようです。
自分もCS乗っててこれで充分だなーって思う時がしばしば有ります。
中免時代は大きいのに乗りたいって願望が有ったけど、今ではラビットでもかなり楽しいですからねー笑
大きい単車ばかりが持て囃される時代はいつまでも続くでしょうが250もしっかり見直していい単車作って欲しいものですね。
自分が高校生当時は先進的且つ反抗的な学生が
次々に県外で現在でいう普通二輪の免許を取得して
近場の峠で走り回っていたものでした。
その中ではRZとVTが人気を二分していた感じですね。
その後、2ストクォーターと4ストマルチクォーターが広まって行ったと記憶してますが。
当時は指を加えてみてるだけで、寂しかったですよ。
つんつんしてる私の跨り姿もぷぷぷですけどね~
「いい単車」という言葉を、メーカーもボクたちももっと噛みしめる必要があるのかもしれませんね。
>はっしぃさん
分かる分かるその気持ち。
ボクも(たぶんはっしぃさんも)、先進的かつ反抗的な学生じゃなかったもんねぇ。
高校時代の同級生に、今バイク乗ってるよって言うと、例外なしにみんなビックリするもん(^^;)
>めえさん
笑われたよ~ん(T-T)
でもそれが狙いなのだ。うししし。(爆)
たまに、桶川で乗ることがありますが、ポジションも
それほど過激ではないものの、走る気にさせるものだし、
エンジンも気持ちよく回るし・・・。
GPZ250はどんな感じなのでしょう。
一度乗ってみたいものです。
今回のモーターショーではKawasakiのNinja250Rが脚光を
浴びているようですし、もっと盛んになってほしいですね。
250クラス・・・(^^)
レス遅くなってゴメンナサイ。(^^;)
GPZ、お仕事帰りにでもぜひ乗りに来てください。楽しいですよ~♪