以前はわが家の愛馬2台についてお送りした「似て非なるモノ」。今回は趣向を変えて時事ネタについて。
麻生自民による天下の愚策・ETC休日特別割引(いわゆる高速休日1000円乗り放題政策)のスタートから早数カ月。休日の高速道路は渋滞が恒常化し、鉄道、フェリーや高速バスなどの交通事業者が青息吐息の状態なのはご承知の通り。
そしてこの夏。いよいよ衆院が前代未聞の「予告解散」を迎え、8月末には選挙が行われることになる。そこで改めて現実味を帯びてきたのが民主党の政権奪取と、それに伴う「高速道路無料化」公約の実現だ。
この政策について、ETC1000円を引き合いに出して、「より渋滞が悪化する」「道路利用者以外にも負担がかかる」などという声を耳にすることも多くなってきた。でも、それって本当にそうだろうか。
後者については確かにそうだろう。けれどもそれは一般道とて同じこと。結局のところトータルな交通網の恩恵を受けていない人など現実的にはほとんど存在しないことを思えば、一般道の維持補修が税金でよくて、高速道路がダメというのは理屈に合わないように感じる。それならそもそも高速網の整備段階からして、税金はビタ一文使うべきじゃなかったでしょうに。
偏った例だけどひとつ。外国要人とかがやって来ると、当たり前のように高速道の通行規制が掛かったりするわけだけど、それっておかしいでしょ? 税金じゃなくて受益者負担でやってるのが高速だっていうのなら、そういう「公」用途規制は全面下道でやってくれよという話になるんじゃないかと。つまるところ、道路を高速とそれ以外で区別するなんてナンセンスだと思う。「規制しやすい」「金取りやすい」というお上の本音が見え見えなんだもの。
一方の渋滞激化だけれど、これは正直杞憂であると僕は思う。確かに一時的にはそうした現象が生じるかも知れない。けれども高速の渋滞というのは、そもそもが「降りられない」という強迫観念によるところが強いんじゃないだろうか。「一度降りたらまた乗るのにお金がかかってしまう」という思いが、渋滞にもかかわらず高速に乗り続けるという選択をさせ、「空いているルートを選ぶ」というごく当たり前の、合理的な選択を阻んでいるのだ。
「高速道路は一体化したネットワークとしてはじめて機能する」とはよく言われる台詞。けれどもそれは一般道を含めて言えることだ。分け隔てのない道路網こそが、合理的なルート選択と交通の分散につながる。その意味で「高速1000円」と「高速無料化」の間には天と地ほどの差がある。前者はあくまで「乗ってから降りるまで」の話であって、それはむしろ従前の「降りられない」強迫観念を強化するインセンティブとして作用する。一方の無料化は、文字通り「乗り降り自由」の意識を生み、長い目で見れば交通の最適化により近づくはずだ。多くのドライバーは「高速を走りたい」のではなく「空いている道を走りたい」もしくは「早く目的地に着きたい」のだから。
この三連休の料金所渋滞の映像を見ただろうか。ETCゲートの車列だけが長蛇の列となり、それ以外の一般ゲートはがら空き。ETCと1000円の組み合わせは、マクロな道路網の中でも、これに似た偏りを生み出しているように思われてならない。
ETCと一般ゲートの区別は高速道と一般道のそれであり、料金所の存在自体が、交通の流れを無理にくびれさせ搾り取ろうとする道路行政の姿そのもののように、僕の目には映る。
一方、さらに巨視的に見れば、自動車交通の経済効率が向上することで、冒頭に書いたような競合交通機関が不利となることは確かだ。しかしそれは、高速道路料金のみを弄んでコントロールすべき事柄じゃない。より包括的な税制の検討や、モーダルシフトを促すための法制などを通じた「全体像」を描くことを通じて実現しなくちゃならない話なんじゃないだろうか。
つまるところ、「高速1000円」が愚策であるゆえんとは、例えて言えばクラッチケーブルの調整をレバー側のアジャスタだけで行おうとするような安直さにある気がする。ましてやそれがETCを巡る利権と結びつき、それが多くの人たちを狂騒曲へと駆り立てた点でも罪は大きい。
ともあれ、高速無料化の是非は別にしても、自公政権の継続って選択はあり得ないよなと思う今回の選挙。
さて、みなさんはどうしますか?
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元々建設費が償還されたら
無料化するはずの物だったのに
いつの間にか有料が当たり前になった方が
おかしいのかも
高い自動車税や揮発油税は何処に消えているのだろう
立場でいえば無用と考えておりますので
割引等についても喜びよりも懐疑的に感じています。
様々な矛盾点については単二さんのご指摘どおり
ですし、割引制度を複雑にしたため、ICから100
キロの制限やら、1000円と謳いつつ、首都圏付近
を通過すると500円追加されたりと(それでも
以前に比べれば安価なのでついだまされそうになります)
非常に割引が適用される事例も分かりにくい。
どの割引が適用されるかどうかは高速に乗る前に
事前告知してくれないとネット等から情報を取得
できない人に対しては特に問題。
それに高速道路を通過するという手段は一緒なのに
ETCの装着有無だけで料金を変えるのはどうにも
差別的なにおいがプンプンでナットクが行きません。
でとりあえず自分は
①高速道路はそもそも無料
②ETCはどうしてもつけさせたいなら国か
道路公団(現なんちゃら機構)負担
と思います。あまりに長くなるので、この辺で。
さておき、どの政党が政権をゲットしようが、高速道が1,000円だろうが無料だろうがそれよりも、次政権が執った政策が失敗して、甘い汁チューチューを欲する官僚に「そら見たことか愚衆が」的に、更なる後退(料金値上げ)が正当化されることを恐れます。
台風で湘南バイパスが長期間通行止めになって代わりに小田原厚木道路が無料開放されました。
そのときの小田原厚木道路はとても混みあいましたが、乗った次のICで出るって、均一料金の小田厚で普段だと普段見かけない光景が多く見られました。作ってしまった社会資本を有効利用するにはどうすれば良いかをそこで見せてもらいましたデス。
無料化して渋滞が激しくなったら、それってその道が有効だって証拠だから、税金使って拡幅すればよいだけでしょ、って思ってます。土木屋さんも喜ぶ事だし。
全く音沙汰なしのディーラーに
いい加減頭に来たのでキャンセルしました
個人的には全く必要としないETC
なんで付けるかと言えば愚策の1000円だからではなく、マスツーいって私一人の為に皆さんを待たせることになるのがいやだったから
高速だろうが低速だろうが道路に通行料は必要ないと思う人です
観光地とかの風光明媚なところならともかく
生活道路に料金課すのはどう考えても納得いきません。
膨大な税金はどこへ消えたんだ?
やっぱり考えさせられるテーマですよね。
コメントじゃ語りきれないってのはごもっとも。
皆さんもぜひぜひ、ご自分のブログで大いにご意見、語っちゃってくださいね!
んでトラバもくださ~い♪(^^)ノ