ボンバイエ……もとい盆走り（その２）

　
というわけで初日の宿に投宿。
湧水を利用したお豆腐が売りというこの宿、実はすぐ近くのそば屋にて以前にカミさんと食事をした覚えのある、そんな場所にあった。

（常人から見れば）バカでかいタイガーを見て目を丸くする宿の方たち。
すぐにお風呂に入りたかったけど、沸くまでちょっと待ってほしいとのこと。
「ちょっと」の基準が都会と全然違うことにすぐ気付く（笑）。

朝晩はしっかり気温が下がるとのことで、昼間は暑くてもガマンしちゃうのがご当地流だと宿のお姉さんが説明してくれた。
なるほど、客室のエアコンはあまり使っていないらしく、吹き出す冷気がちょっとばかりカビ臭い。(^^;)

そんな冷気を浴びながらうとうと。目が覚めると鼻がムズムズする。
エアコン風邪かしらん？と思ったがさにあらず。目もシバシバすることからして、どうやら突発性のアレルギー性鼻炎にやられたらしい。

と、ようやく風呂の仕度ができたとの由。
一番風呂をいただく……が、すぐに続々とお客さんが。
どうやら結構な人気のようだ。

６時半頃、と予告されていた夕食も、見込み通りに遅れて（苦笑）、７時を少し回ったところでようやく館内放送が流れた。

しかーし！

この食事が旨いことウマイこと。
自慢の豆腐は言うに及ばず、２度揚げして骨まで食べられるマスだの、飛騨牛のミニステーキ（という名のレギュラーサイズステーキ）、朴葉包み焼きご飯、浸かり具合絶妙のお新香などなど、質量共に圧倒的な夕餉に感動と満腹。
カミさんは無念ながら完食ならず。ボクは生死の境を彷徨いながらどうにか完食。
いやはやご馳走様でした。

この間、鼻と目は小康状態を保っていたが、地獄は翌朝に待っていた。

看板通りに涼しい夜は、久々のノーエアコン＆網戸睡眠を満喫。
が、起き上がろうとするや、鼻と目が洪水状態に。ドバーッてなもんだ。(T-T)
オマケにこの宿、客室には洗面台もティッシュもないんだよねこれが。

平静を装いつつ朝食。これも美味しい……けど呼吸が苦しい。

荷造り、精算、そして出発。
走り出すとすぐに、目と鼻がいよいよ全開だ（爆）

手元の手ぬぐいを使って、走りながら鼻をかむ（汚）
シールド内に炸裂する水っぱなクシャミ！！

青息吐息で安房トンネルを越え、松本インターから中央道へ。
みどり湖PAにてボックスティッシュを入手して、鼻をかみまくる。
じゅるるる～(T-T)　あ、涙でコンタクトレンズが落ちちゃった（爆）

とは言えライダーは走るのみ。
中央道をさらに東へ。
……が、ついには文字どおりの「洟垂れ」状態に陥ってギブアップ。
小淵沢インターを降りて、薬局を探すことに。

ところが弱り目に祟り目。ぜーんぜん薬局が見あたらないのだ。
思考力も低下する一方なので、よろめくように小淵沢から長坂方面へ放浪。
「この辺の人は健康だからクスリなんていらないのかな～（爆）」などと諦めかけたその時……ようやく薬局をハケーン！！！

経口鼻炎薬と点鼻薬をダブル購入して即投与っ！
肩で息をしながらしばしの休息。。。

「クスリってスゴイ！　感動した！！！」（爆）
とヤク中さながらの感動と共に、症状は劇的に緩和した。

呼吸が出来るシアワセをかみしめながら、長坂を抜けて増富ラジウムライン、そしてクリスタルラインへと進入。

以前に少し走ったときには、紅葉の渓谷美が印象的だったこのルートだが、アーマードバルキリー仕様＆タンデムの重装備タイガーには、荒れた路面の突き上げが少々キビシイ。

それでも渓谷と山々の気持ちよさは昔の通りで、グングン高度を稼いでいった。


途中のパーキングスペースで一休み。
それにしてもゴツイ後ろ姿だ(^^;)。

焼山峠を抜け、牧丘経由でR140号に出る。
距離こそ稼いでないけれど、苦しい息の下でのワインディングランに暑さと重装備も加わってそろそろ限界。昼飯場所を探す。

南下することしばし、R140沿いのラーメン屋さんに白虎を滑り込ませる。


いただいたのは、チャーマヨ丼＆中華そばセット。

細めのちぢれ麺とカツオ風味のスープで、おいしゅうございました。(^^)

一息入れた後は、県道31号をたどってこの日の宿へ。
武田氏の居館だった躑躅が崎の背後にそびえる要害山にほど近いこの宿は、なかなかの急勾配を登り切ったところにあって、甲府市内を一望できる。

設備もキレイで、ある意味前日の宿とは好対照の快適さながら、お料理については前日の宿に軍配が上がる……って感じだったかな。

地ビールなどもいただきながら就寝。は～疲れた……

明けて３日目。そろそろＵターン渋滞も始まる頃なので、この日は速攻で自宅を目指す……はずだったのだけど、宿での荷造り中、いつもいつも解錠に苦労するトップケースを開け損ねて、右手親指を激しく突き指(T-T)。

今回はなんだかトラブル続きだなぁと思いつつ、走りが無事ならゼイタク言えないよなぁ（そうそう、初日に渋滞をやり過ごした東名高速では、ボクらが通過した数時間後に死者２名が出た多重衝突事故が起きていたのだ。その翌日のさらにオソロシイ事故については、もう知ってるよね？）と気を取り直して出発。

甲府盆地東部の新道・ピーチラインを抜けて勝沼インターから中央道へ。流れの悪さは多少あったものの、出発から約２時間（正しくは弱です(^^;)）で無事帰宅。

いろいろあったし、とにかく暑かったけど、やっぱりツーリングは楽しいねぇ。
タイガーもこれでオド7500kmを突破。時間を「作って」ガシガシ走りたいな。