FLAIR CLOSSOVER/Tenere700/XLR250R/TRICITY125の11輪生活と雑感たれ流し。
迂回亭新館



 
世界的に強化されつつあるバイクの排ガス・騒音規制。
とりわけ冷却面で不利な空冷エンジンでは燃焼効率を上げにくく、排ガスの浄化が非常に厳しい状況だ。

大型バイクの世界でも、ドゥカティやヤマハXJRなど少数の例外を除いては空冷エンジンの生産中止が相次ぎ、愛好家を落胆させている今日この頃。

数少ない生き残り組が選択したのが、燃料噴射を機械式のキャブレターから電子制御式の燃料噴射装置、いわゆるフューエルインジェクションへとリプレイスすることだ。これによって、より緻密な燃料供給の制御が可能になり、結果として燃費の向上や排ガスの清浄化が期待できるワケだ。

つい先日、郵便屋さんだの新聞配達さんだのでおなじみのスーパーカブも、時代の流れに抗しきれずインジェクション化された。その際、出力・燃費ともにダウンしていたことで、インジェクション悪者説も一部でささやかれていたのだけれど、それは多分に強化された新規制が原因であって、インジェクションだからこそこの程度の性能低下でおさまった(キャブレターではそもそも規制クリア自体ができなかったのだから)と考える方が正しいんだろうと思う。

バイクにおいても70年代末から80年代にかけて、自動車にインジェクションが急速に広まった時期に、一部でその採用が始まってはいたのだけれど、当時の技術ではバイクに求められるダイレクトで繊細なスロットルレスポンスが実現できず、廃れてしまったという経緯があった。だからオールドファンには未だにバイク用インジェクションに対する不信感があるのかもしれない。でも現在最速の、そして最もスポーツ性が高いと思われるスーパースポーツバイクだって例外なくインジェクションを使ってる。趣味性の話を別にすればインジェクションの優位は推して知るべしなのだ(カブを含む小排気量用のインジェクションにはコストその他の制約もあるだろうし、単純に同列には論じられないかもしれないけど……ね)

と、まぁ能書きはこれくらいにしてトップ絵をご覧いただこう。

どうよ?

……え?

単なるキャブじゃないかって?
実は'08モデルのボンネビルに搭載されてるインジェクションなのよコレが。

モダンクラシックを標榜するボニーだけに、外観上はどこまでもキャブっぽい姿にこだわったんでしょうなぁ。
つい昨日別れたカノジョとそっくりの子と付き合ってるみたいだ(爆)

いやはや。これはもうカニカマの世界だよね~(違)
ウチの両親が北欧を旅してシーフードレストランに入ったらカニカマを使ったサラダが出てきて腰抜かしたっていうけど、もうその世界。
日本のケーヒン製だけに、やれと言われればここまでやれちゃうんだねぇ。
驚くなかれチョークノブまで付いてるあたり、参りましたってカンジ。
まさか機能はしない(つーか不要だよね?)と思うけど。(^^;)

ちなみにこちらは参考まで。


同系のエンジンを積んだスクランブラーのCVキャブレター。
ちょっと見には見分けが付かないよねこりゃ。

FI化されたボニーのシート下の電装系はこんな感じに。


電気仕掛けの部分が増えただけに、見えない所がフクザツになってるようだ。

これでメンテナンスが楽になって、燃費がよくなって、走りはそのままだったら拍手喝采なんだけど。果たしてどうだろうか。
時代と折り合いを付けてバイクを楽しむためには、こういうものも直視していかないと、と思ってるんだけどね。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



« ざんしょ2 備えあれど »
 
コメント
 
 
 
Unknown (くに)
2007-09-18 21:23:10
カニカマ!!(爆)

まあ、私は、インジェクション?結構結構です。
(昔、日光結構大和観光っていうCMあったの知ってます?関東ローカルなんだろうケド)
GSX-R1000も初期のころのインジェクションは
やはり、低速低回転時の制御が難しかったようで、
Uターン中にぷすっ・・・なんて笑えないような話も
あるけれども、私のK6はそんなことなし。
(でも、スロットルボディが汚れてアイドリングが落ちてしまうという症状はアリ、これは
K1からずっとらしい)

たしかに、ブラックボックス的に手のつけられない部分が増えちゃうのは、
なんとなく不安な人もあるのだろうけれども、
キャブだってシロートがどうにかしようと
思ったら複雑なものですよね。

ま、シロートは時代の流れとものの進化を
素直に受け入れマス。

インジェクションカブのスペックだって
あくまでも紙面のモノだものね。
実際乗ってみたいものですね。
 
 
 
Unknown (あき)
2007-09-19 23:51:53
FI化の波は避けられないでしょうね・・・。
コストをかけることができない、空冷の国内モデルは
次々と姿を消していきましたし・・・。

雰囲気を大切にするためになのでしょうけど、いい感じで
できてますね。好きなのですけど、ボンネビル。
でも、手が出ませんけど・・・(^^;
まあ、これで生きながらえることがわかったので、焦ることは
ないですね~。

ZR-7Sの後継機は、ゆっくり考えることにします(^^)
 
 
 
インジェクション (KAZ)
2007-09-21 08:30:25
 イミテーションの世界というかカムフラなのか?
でも考えましたねー笑
水冷エンジンに空冷らしくフィン付けてるのもこれと同じようなもんでしょうが、雰囲気って云うか見慣れてるものがそこに無いっていうのも興醒めになる原因ですかね。
でも上手く出来てるなーって思います。
 
 
 
コメント (柳暖簾)
2007-09-21 11:20:28
四輪の世界ではMT車が駆逐されつつありますが、インジェクションと可変バルブタイミング(一部車種はミラーサイクル化)によるドライバビリティの変化を吸収するには、最早CVTでないと無理だという話を耳にしました。FITについて言えばCVT車のみがグリーン減税対象とされているほどです(まぁこれはメーカーがMT車について減税対象の申請をしていないだけなのかもしれませんが)。

ンなこと言われてもプリミティブなエンジン付き乗り物に憧れるのはしょうがないことですよね。しかしXJRは凄まじいですね。ここまでして空冷エンジンを守り抜くのかと言うか、エンジンが空冷であるということ以外は最新技術のおてんこ山盛りですもんね。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。