てなわけで、去年の東京モーターショー以来注目してきた、三菱の新型軽自動車「i」が先月ようやく発売となり、僕もようやく実車に触れる機会を得た。
「軽自動車の革命」だなんて言う人がいるかと思うと
「MR(ミドシップ・リアドライブ)のクルマなんて、危険で雪国じゃ使いものにならん」とハナから完全否定モードの人もいるこの「i」。
発売日を迎えた段階で、すでに6000台だか8000台だかの予約があったというほどに関心は高く、毀誉褒貶相半ばするほどに「物議を醸す」インパクトを持ち合わせていることだけは確か。まぁでも、何でも自分で見てみないとね、というわけで三菱のお店へ。
例の欠陥隠し事件以来、僕自身、三菱のディーラーに足を運んだことはなかったし、運ぼうとも思わなかった。それをこうして出かけてみようと思わせるのだから、それだけでも「i」はリッパなものなのかもしれない。
ディーラーの自動ドアをくぐり、実際に目にする「i」の第一印象は「デカイ!」
もちろん、軽自動車の規格に収まっているわけだから、絶対的な数値としては他社のそれと変わらないハズなんだけど、一般的なリッターカーよりも長いホイールベースと、それをあたかも一筆書きで覆うようなワンモーション・フォルムの車体は、数値以上のボリューム感を感じさせるのだ。
車室内に乗り込んでみると、やはり印象的なのは前後方向の余裕。横方向は軽自動車の常で余裕はないものの、高めの着座位置と、巧みなドア部内装上端の処理で、うまく開放感が演出されている。僕は図体がデカイので、国産車の場合、何はともあれシートを最後端に移動して座るんだけど、ワンモーション・フォルムで心配された前方左右の視界も不思議と良好。微妙にラウンドしたフロントグラスと、着座位置の設定からくるのだろうか。一口に言えば居心地のいい空間だ。
絶対的な広さについては、スペース効率だけを徹底追求したダイハツ・タントはもとより、ワゴンRやムーブなどの他車に比べて優るものではないけれど、こういう行き方は乗用車として至極まっとうだと思う。
ところがシートの、特に背もたれはR2に比べてもわずかに小さくて、この点は減点ポイント。また、リクライニングレバーやシートリフターは内側に追い込まれすぎていて操作しにくいし、レバーもバリが感じられるラフな仕上げでちょっとガッカリ。ただ、座り心地は及第点といったところ。
物足りないと言えば、ステアリングコラムにチルト機能がないとか、ルームミラーに防眩機能がないとかいう点もあるけれど、これは同じような価格のわがR2にも言えることで、このあたりは価格競争の激しい軽自動車として涙を飲んだ部分なのかもしれない。運転に直結する機能部分であるだけに、各社とも手を抜かないでほしいなぁ。
後部座席に移動してみると、自分が最後端に下げた前席の後ろにも、とりあえず自分が座れるので感心。頭上は丸みを帯びたルーフ形状のせいもあって、自分の場合ちょっと髪が天井に触れてしまうけど、170cm台までの身長なら、まず不満はないんじゃないかな。
荷室は案の定浅いけれども、後席背もたれを前に倒せば、フラットで使いやすい空間が生まれる。これはこれでいいでしょう。ただ、エンジンからの熱が荷室および車室内にこもらないかちょっと心配。これは夏場の渋滞を体験してみないと分からないところだけど。
エンジンが車体後部に移ったことで空き家になったフロントコンパートメントには何があるんだろ?と覗いてみると、バッテリーやウォッシャータンクなどの補機類だけで、すでに結構な混雑具合。このように収納スペースがないことや、前後タイヤのサイズが違うことも手伝ってスペアタイヤは省略。パンク修理キットが添付されるけど、イザというときにはやっぱりちょっと心配かも。
次回は実際試乗してみてのインプレッション。期待せず待て(笑)
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『パンクの恐ろしさを知らない車はいらない』
タイヤローテーションも出来ない、スペアタイヤは別途容易でおまけにスタッドレス用意するにも一苦労しそうな車はもはや問題外だそうです。確かにねぇ・・・・
ぶんぶんさんの同僚さんの考えに納得してしまいます
実際には交換なんてしないし、できない、する気もなくてJAF呼んじゃうって人も多いでしょうし。これはこれでひとつの考え方かと。
ただ、自分としては欲しいですけどね(笑)
それがないからって、車自体を否定する気にはならないです。はい。(^^;)