二児山(ふたごやま 2242m) 天気:晴れ
熊伏山へ登る時、青崩峠から北を見れば遠山谷の最奥、地蔵峠の向こうに綺麗な双耳峰の山が見える。それが大鹿の二児山だ。以前からいつか二児山から青崩峠を見たいと思っていた。
151を信州へ向かう。今日は随分と気温が低い。たまらずヒーターを入れるが、道路の気温表示を見れば5度だと。先週のヒル騒ぎはなんだったんだ。飯田山本から中央高速に乗り、松川インターで降りたら標識を頼りに大鹿へ向かう。小渋川沿いの道は細い箇所も有るが、ダンプも通る道。小渋ダムを過ぎて長いトンネルを抜けると「日本一美しい村」の看板があり、大鹿村に入る。信号を直進して舗装の良い道(R152)を少し進むと道の右側に下の写真の看板を見つける。
↓橋の手前の案内板。大昔、塩見岳に登った時は一日目が塩川小屋泊だった。
そのままR152を進んで中学校の先に「大池高原・青いケシ・キャンプ場」の標識に従い右折する。道は細いが綺麗に舗装されており、どこぞの酷道よりは随分と良い道が続く。分岐はいっぱい有るが、大池高原や青いケシの標識に従って進む。逆の標識が無いので帰りの方が迷いそうだ。大池高原のレストハウスを過ぎると大池が有り、直ぐ先にヒマラヤの青いケシの標識。さらに進めば黒川牧場入口のゲートに着く。
↓黒川牧場入り口
ゲートは開いているのでダートの林道を進む。道の状態は悪くなるが、山犬の段へ行った事が有れば何と言うこともない。と言っているうちに道の状態はどんどん悪くなる。最後の登りは掘れた路面に大きな石がころがり、しかもかなりの急登になる。一度止まったら動きだすのも大儀しそうだ。ローギアでそろりそろりと進むが、FFのセダンはカーブの前に有る余地に停めたほうが良いかもしれない。そこからなら登山口まで車でも歩きでも2~3分でしょうから。
↓登山口駐車場。右に池。
駐車場は5台分。手前のスペースに車を停めて準備をする。ここはすでに2000mを越えており、伊那谷から中央アルプスの展望が素晴らしい。登山口にルートの看板が有る。このコースはコンロを含めて火気厳禁との事なので、ラーメン装備を置いて出発する。出発したら駐車場の下の道を歩いて上がってきた女性に「登山口はどこだ?」と聞かれる。「ここだよ~」と答える。元は林道だっただろう遊歩道を進む。最初は笹原の中の気持ちよい道だ。
↓気持ちの良い遊歩道
遊歩道は森に入る。ふと見ると遊歩道の先を雄鹿がのんびりと歩いている。それほどの大鹿ではないので1年生かな。こちらに気がついて森の中に入っていった。道は森を抜けて斜面の左をトラバースして行く。人の顔の様に見える岩(鼻は枯れた木だが)の先から下りになり、道の先にプレハブの避難小屋が見えてくる。小屋は六畳の大きさで出入り口に畳半分の土間を作って有る。まだ新しく綺麗だが、トイレ、水は無い。
↓避難小屋
小屋の先へ続く道は小沢を二つ丸木橋で渡る。沢にはチョロチョロと水が流れているが、これは水場としてあてには出来ないだろう。道は右手へカーブしながら緩く登って行き、樹林の中の鞍部を過ぎるとさらに右手の急な斜面を登って行く。どうやらこれは思っていた道と違い、東峰と西峰の鞍部から直接東峰へ登っていく様だ。
↓左、鞍部。道の左にピンクリボンが有る 右、東峰山頂直下
やはりそうだ、裏側から東峰の山頂に着いた。山頂は北と西の展望が開け、北アルプスは槍・穂高がくっきり見えている。その左に乗鞍岳、伊那谷を隔てて中央アルプスが並んでいる。北側には北岳・間の岳、なんとか農鳥が見えるが、チョット木が邪魔で残念。
↓二児山東峰山頂 山頂からの展望
西峰も踏んでおこうと登って来た道を下り始めると、下から美人の単独女性が登って来た。朝、登山口を聞かれた女性だ。こんな美人ならもっと丁寧にお答えしておけば良かったと思ったが後の祭りか。「西のピークへ行ってきます」と言って別れた。さっき通った鞍部まで戻って登り口を捜す。直ぐにマークっぽいピンクリボンを見つけるがその先に道が見えない。まぁ山頂は直ぐ上なので適当な所から上を目指して斜面を直登する。一登りで西峰山頂部の稜線に出た。尾根上には細いがしっかりした踏み跡が通っているが、樹林の中で展望は皆無。尾根を少し戻ってみたが展望は開けない。北に進めば木の枝に西峰の山頂標識が有った。山頂から先に少し進んでみたが、こちらも樹林の中で展望は全く開けなかった。ここは静かな森の中の山頂だ。森に浸って、一服する。
↓二児山西峰山頂
山頂から東峰方向へ急斜面を下る道が付いている。これを辿れば5分で鞍部のピンクテープの場所に降りた。再び東峰に登り返す。東峰に着いたら単独の女性が丁度出発するところだった。自分は東峰で展望を楽しみながらしばらく休憩する。南側の展望が無いのが残念だ。
↓東峰からの白根三山
東峰から南へ尾根道を下る。道は伐採して切り開かれており、丁度その前方には地蔵峠の向こうに熊伏山と青崩峠が見える。やっと念願がかなって青崩峠が見られた。
↓二児山東峰直下。最奥の鞍部が青崩峠、手前の鞍部は地蔵峠。
切り開かれた急な道を下ると森の尾根道に入り、少し進めば標識の有る黒河山と遊歩道の分岐に降りる。右下に下れば5歩で遊歩道に降りられる。遊歩道には標識は無く、道も戻る様に付いているので、朝はこの分岐には気がつかなかった。ハイキングや子連れとか軽装の方(少なくとも地図を持っていない方)はここからは遊歩道を歩いた方が良いと思います。
↓左、山頂から下る道。 右、黒河山と遊歩道への分岐
尾根道の分岐から黒河山の標識に従って左へ進む。道は切り開かれた尾根から苔むした森に入る。尾根は良いがピークや斜面ではチョット判りにくい場所も有る。一段下れば再び黒河山と牧場方面の分岐に降りる。右へ行けば牧場へ降りられる様だが、その道もチョッと微妙だなぁ。
↓左、道は細くなる 右、二つ目の黒河山と遊歩道への分岐
ここも左へ黒河山方面に向かう。道は苔むした森に中へ続くが、さらに細くなり倒木も多くなってくる。登山口の標識には「歩道」と書いてあったが、これはもう通常の歩道とは言えないと思うんですが・・・
↓良い森だが道は微妙になってくる。
ここから先は正直、それなりの(道が無くても進める人)で無ければ滅多やたらに入らない方が良いと思う。逆にこの道が楽しいと思える人は・・・お仲間ですなぁ・・・。二児山からそこそこ進んだのでは、、と思われる辺りで、チョッと開けたところに出た。時間的にも昼飯に丁度良い。
↓展望の有る昼食広場。展望は素晴らしい→これ
登山口の看板に「火気厳禁」とあったので、今日の昼飯はコンビニむすびのみ。喰っちまったら早々に出発すると前方からくだんの美人単独者が歩いてくる。しかし、お若い美人女性が一人で歩く様な場所では無いんじゃ無いかと、、思うんですが・・・。道が心配な様子なので、この先はご一緒させて頂くことにした。
↓左、もはや遊歩道レベルでは無いかと 右、道レベルの所も有る
道は左上のピークを巻いて続いているが、そろそろ左上が黒河山でも良い頃だ。巻き道も踏み跡程度だし、左のピークに向かう踏み跡も見られる。上へ向かうと踏み後は消えたが直ぐ上がピークだ。そこは黒河山では無かったが、これが大当たりの絶好の展望台だった。狭い岩のピークの向こうには白根三山から塩見岳が真正面に見える。こちらから見る塩見岳は兜形では無く槍ヶ岳の様に尖っている。尾根上を左へ少し進めば二児山から仙丈ヶ岳が見られる。
ピークから先に下りる踏み跡が有る。小広い鞍部に降りると苔むした森の中の細い道を緩やかに登る。少し歩くと左の高みに黒河山の標識を見つける。ここは展望の無い樹林の山頂だ。
↓左、薄いが道は有る。 右、黒河山山頂
黒河山山頂の直ぐ下に立派な標識が見える。降りてみれば左は黒河山頂。直進は笹山方面となっているが、そっちは道が有る様には見えない。踏み後を辿ると前方に倒木帯が現れた。
↓左、黒河山山頂下の標識 右、倒木天国、先に見えるのが笹山
ここは倒木天国を突き抜けて踏み跡を追う。一度、すぐ右下に古い林道が見えるが、あれが遊歩道だろう。降りられそうだがそのまま尾根を進む。道は再び苔むした森の中を進む。この森の感じは奥茶臼山と同じだ。るんるん気分で歩いていたらついに倒木地獄に突き当たる。
↓左、こんな森はステキ 右、ついに倒木地獄
これは抜けられない。倒木地獄の脇を右下へ伸びる踏み跡を追えば、直ぐに鞍部の小平地に降りた。ここは低い笹原で、二児山下のと同じ真新しい避難小屋が建っている。
↓避難小屋
笹山の山頂は直ぐ先だ。足首程度の低い笹原に鹿道を辿れば3分で笹山山頂に着いた。立ち枯れた木々の立つ笹原の向こうに南アルプスが並んでいるが、木が邪魔で良く見られない。笹山の少し先に南側が開けた場所が有り、そこに立てば恵那山から中央アルプスが望める。
↓笹山山頂とくだんの美人単独者の方 広い山頂部
避難小屋に戻ったら遊歩道に入り登山口に帰る。帰りの遊歩道で標本の様な鹿の白骨を見た。首の骨も残っているよ。これ(チョットグロイっす)。
↓避難小屋。正面が遊歩道。
この遊歩道は途中から気持ちの良い笹原の中を進む。左手には中央アルプスが並び、目前には今日歩いた二児山の双耳峰が見える。これ、最高の散歩道ですね。
↓ステキな遊歩道
遊歩道を20分も歩けば登山口の駐車場が見えてきた。こんな美人と2人で山道を歩いたのは初めて・・・おっと、数十年前に結婚前の家内と歩いて以来です。おかげで今日は楽しい山歩きが出来ました、有難うございました。又、いつかどこかの景色の良い山頂でお会いしましょう。
↓帰り着いた黒川牧場の登山口
登山口の看板や山中の標識には尾根に立派な道が有る様に書かれているが、黒河山からさらに笹山への尾根筋には道が有ると思わない方が良いっす。まぁ、直ぐ下に遊歩道が通っているので、何となれば尾根を下って遊歩道へ逃げればなんとかはなるとは思いますが。
TIME
黒川牧場登山口P(8:15)→二児山東峰(9:25)→二児山西峰→二児山東峰(10:30)→(11:45)昼飯(12:15)→展望ピーク→黒河山(13:15)→(13:55)笹山(14:25)→(15:00)黒川牧場登山口P 170km 3.5h