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念丈岳・大島山(ねんじょうだけ 2291m おおしまさん 2143m) 天気:曇り
3時前には家を出る。三遠南信道路の遠州側が一部開通したし、R151の酷道部分も少しずつ改修されているので、昔に比べて浜松から飯田は随分と近くなった。おかげで毎週の様な南信通いが続いている。5時過ぎには飯田山本ICから中央高速に乗り、2つ先の松川ICで降りたら登山口へは2時間半で到着した。
烏帽子ヶ岳の後に考えたんだけど、「あわよくば念丈岳まで行けるか」なんて甘い考えでは、まぁ目的地までは行かれないでしょう。「絶対に行くんだ」っ てぇ意気込みがなければ自分に打ち勝つ事は出来ませんよね。なので、「今日は帰りに日が暮れても絶対に念丈まで行くぞぉ!」っと気合を入れて、朝飯のおむ すびを飲み込んだら出発だぁ。「うん、絶対にいくぞっと。笹薮がひどくなかったら絶対に行くぞっと。道がわかるうちは絶対に行くぞっと。13時までに着けそうだったら絶対に行くぞっと。体力が持ちそうだったら絶対に行くぞっと・・残雪が無かったら絶対に・・・」。 かめさん、絶対に行く気じゃなくなっているでしょ!
↓登山口。奥に2~3台の駐車スペース
登山口から少しだけジグザグに登って尾根に乗ると、尾根筋の良い道を進む。18分でラミネートされた「本高森山まで1/10」の標識が有る。標識はこの後、2/10と9/10しか見当たらなかった。足元にはギンリョウソウやマイズルソウ、チゴユリが咲いている。道は尾根に出たり巻いたりしながら、登山口から2時間弱で前高森山の分岐に出た。
↓前高森山への分岐
チョット時間が掛かっているが、今日は長丁場なのであせらずに行こう。前高森山はあわよくば帰りに寄ろうか。おっと!!絶対に寄るぞっと。
↓チゴユリ、ヤマツツジ、マイヅルソウ、イワカガミ
分岐からも尾根筋の良い道が続いている。マイズルソウは沢山咲いている。ピンクの小ぶりなイワカガミも咲いている。空はずっと曇りなんだが、雨が降る様な雲では無い。時々薄日が差すが晴れそうな様子でも無い。風は無く、チョット気温は高い。眠いし景色も無いしでぐずぐずと歩けば登山口から3時間で本高森山の山頂に到着した。じっとしていると虫が顔の周りにまとわり付いて来る。六月蝿い(うるさい)ので直ぐに出発しよう。
↓本高森山
これより上澤新道の標識から笹原の細い道に入る。笹の斜面を下り、右上の尾根に合流すると元気の良い笹原に突入する。足元には道形が有り、完璧な藪こぎではないが、この先ずっと藪かと思うと気が重い。
↓さっさと登ろう、笹の尾根
最近まで残雪が乗っかていたのだろうか、背の高い笹は倒れていて踏み跡を塞いでいる。朝から陽が無く少しガスっているので、笹に水が付いている。スパッツは着けているが、今日はハイキングシューズなので水が浸みこんできそうだ。ナギの縁を通過して振り返れば、本高森山が下に見える。
↓振り返れば本高森山
樹林に入ると笹が薄くてほっとする。それもつかの間、笹原のコルに飛び出すとテントを張った後が有り、その先は枝が片方だけに伸びた風衝木の笹原のジグザグの登りになる。時間的にもここを登りきれば大島山だろう。そうで無いと困る。
↓大島山手前の笹の斜面
笹の斜面をジグザグに登る。背はさほど高く無いが元気の良い笹だ。道形も細く足元が崩れている場所も有るので歩きにくい。やがて笹が低くなってくると大島山の山頂に到着した。かたわらの木に小さな山頂標識が掛かっている。
↓大島山
ここは広い笹原の気持ちの良い山頂だ。谷を隔てて西には安平路山、北には目の前に池の平山と烏帽子ヶ岳が見える。木の間越しには残雪の有る越百山と仙崖嶺あたりが望める。本高森山から2時間、登山口から5時間強。今日はまだここは通過点だぞ。
↓池の平山と烏帽子ヶ岳
大島山から先に進む。深い笹原から笹の少ない樹林帯に入るが、2158ピークあたりで樹林の深い笹原に入る。ふと見上げると、木の枝に「2158大島山」と書かれた標識が掛かっていた。
↓2158の大島山
この先でルートが判りにくくなる。濃く背の高い笹で足元の踏み跡が無くなる。直ぐ先にピンクテープを見つけて進む。そこから次のピンクテープを見つけて笹とシャクナゲの枝をかき分けて進む。笹は肩位いの高さで先が見渡せるので助かる。結局ここは左、右、右、とクランク状に進んで踏み跡に戻った。
↓シャクナゲこぎがきつい。右は、南駒と仙崖嶺かな?
踏み後に戻って左の斜面を下り、笹の斜面に出てトラバースを進む。足元は見えにくいが、踏み後は有る。左前方のピークが高くなってくると、コルに下りて小さな沢を跳び越す。沢は、幅は狭いが結構な水量が流れている。
↓水場
沢に沿って10m登る。沢のすぐ上は残雪で雪解けの水はつめたい。貴重な水場だが、夏以降も流れているのだろうか。水場の上で踏み跡は左の笹原に入る。笹薮を少し登って尾根に乗ると、直ぐ先でナギの縁を通過する。ナギの先の尾根から前方に念丈岳の山頂が見えた。
↓ナギの渕を通過
踏み後は尾根を越えて左を巻く様に続いている。樹林帯に入ると笹が無くほっとする。道脇にはバイカオーレンが沢山花をつけている。尾根の左を巻く道は、枯れ木の笹原に入り、枯れ枝の先に念丈岳の山頂が見えてくる。もう少しだ。
↓枯れ木の先に念丈岳が
尾根の戻ると再びナギの縁を通過する。こちらは崩れが進んでおり、尾根上までザレている。
↓もう一つナギの縁
ナギの縁を通過した先は、滑りやすい笹の急登りで、古いトラロープが下がっている。その先で最後の急登が待っている。
↓左、ナギの先のロープ場 右、最後の登り
最後の登りは今日の集大成だ。元気な笹薮とシャクナゲの枝を掻き分けて登ると、先に山頂が見え、最後はやっと土の道を踏んで念丈岳の山頂にたどり着いた。
↓念丈岳
山頂部分は岩がちな地面が露出している。周りの針葉樹は低く、晴れていれば絶好の展望だろう。今日は残念ながら曇り空で南アルプスは望めない。だが、チョットアルペン的で静かでステキな山頂だ。
↓念丈岳三角点
池の平山の方向へ少し進んでみる。越百山は見えているが、仙崖嶺はガスが掛かったり晴れたりで全容は現していない。一面の五葉松は背が低く、まるでアルプスのハイマツの林の様だ。北側には池の平山が高く大きくそびえており、山頂へ続く尾根道が自分を誘っている。いつかあの尾根から再び念丈岳を訪れたいと願う。
↓池の平山
さぁて、長居はできない。昼飯を喰ったら帰りましょう。登り返しがメッチャキツイはずです。
帰りがけの駄賃に前高森山に寄る。うそです、もぉこのルートは来ない気がするので、後悔しない様に無理してでも前高森山まで行っておきました。3歩登って後悔しましたが、何とか前高森山の山頂をゲットしました。陽が暮れない様に祈りながら、よろよろと下ります。
↓前高森山。
なんとか暗くなる前に駐車場に戻りました。今日はよぉけ歩いた。へろへろです。くたくたです。よれよれです。ふらふらです。こてこてです(何が・・)。
中央高速の松川ICを降りて最初の信号を右折。高森ゴルフ場の看板を見て右折し、中央高速をくぐって真っ直ぐな登り道を進む。クラブハウスを左に見て細くなった林道を進むと、貯水池の脇に3~4台停められそうな空地がある。その先で林道はダートになり、草や枝で車体をこすりながらそろそろと進むと、右手に登山口の標識が有り、その先のスペースに駐車する。駐車スペースは2~3台か。
要注意点:2158ピークのあたりは笹が深くシャクナゲも枝を張ってルートがわかりにくくなっています。ピンクテープを見つけてそこまで進み、次のテープを探して進みます。大島山側から来ると、テープは左、右、右とクランク状に進む様に付いています。帰りの(念丈岳側から入る)方がさらにわかりにくく、又その場合は最後に北東へ降りる枝尾根へ進みたくなるので注意が必要です。
厳重注意点です:前高森山分岐手前から本高森山辺りまでは、猿のフンがやたらに落ちています。道の真ん中にも落ちています。フンを踏んだらハンパネェ臭いです。目を皿にして道を凝視しながら、絶対にフンを踏んづけない様に歩いてください。ハイ、私、踏みました。「運が付いて良かったねですと、とんでもない、踏んだのが猿のフンだけに、付いた運は去るんです、って、、おおっ、お後がよろしい様で」・・・・座布団ください(こてこてです)。
訂正:うるさいは「六月蝿い」ではなく「五月蝿い」です。
TIME 往路7時間 復路5時間 カシミール
高森登山口(5:50)→前高森山分岐(7:40)→(8:45)本高森山(8:55)→(10:55)大島山(11:05)→(12:50)念丈岳(13:30)→大島山(15:05)→本高森山(16:35)→前高森山(17:20)→(18:20)登山口 140km 2h40m