NY市、今年は市長選挙があります。今月22日が予備選挙です。
というわけで、選挙権がない私のところにも、時折DMで選挙関連のお知らせがきます。
ちゃんと日本語でした。
今年から投票の方法が変わるということで、こんなお知らせがありました。
Ranked Choice Voting(優先順位付投票制)というのに変わります。
市長、会計監査官、市政監査官、区長、市議会議員の各職、これまでは1人の候補者を選んで投票していたのが、
候補者を5人までランキングして選ぶ方式になったのでした。
Ranked Choice Voting
https://www.voting.nyc/how-to-vote/ranked-choice-voting/
上の公式リンクにこの新しい方式について、いろいろと説明がありました。
この方法のメリットとしては3点が挙げられていて
−候補者について発言の機会が増える。 自分が選ぶ最有力候補が当選しなかった場合でも、ランク付けをすることによって、他の当選者を選ぶ手助けをすることができる(いわゆる「死票」になりにくい)
−より多くの選択肢を提供する。 最大5人の候補者をランク付けできるので、自分が最も望む候補者をサポートできる。
−より多様な候補者が選挙に勝つ。 この方式を既に実施している都市では、より多くの女性や有色人種の女性を選出し、選出された人たちが地域社会の代表となっている。
ということだそうです。
もちろん、必ず5人選ぶ必要はなく、従来通り1人だけ選んで投票しても有効とカウントされます。
ただし第1位から第5位まで全て同じ人を選ぶ、ということは出来ません。候補者1人につき選べるのは1回だけ。
実際にどのように投票がカウントされるのか?というページもありましたので見てみました。
How Votes are Counted
https://www.voting.nyc/how-to-vote/ranked-choice-voting/how-votes-are-counted/#/
まず第1位(Round1)の選択順位の開票が行われ、その時点で全体の50%以上の票を集めた候補がいた場合、その候補が当選です。
問題は、Round1でどの候補も50%未満の得票しかできなかった場合で、その時は得票数上位5人による争いになるわけです。
誰かが50%以上を得票するまでRound2、Round3と票のカウントが進んでいき、その時にこのランキング投票が生きてきます。
上のリンクに得票の経過のサンプルがありますが、Round1で2位だった候補がRound2から順調に票を上積みして
最終的にRound5で当選、という形になっています。
なかなか面白いですね。
問題は、NYCに長年暮らしていてあくまで個人的に感じていることなのですが、
選挙に限らず、何か新しい方式を導入した際、すんなりと適応できるニューヨーカーの割合がかなり少ない。
何というか、ちゃんと説明を読まない人が多いんですね。
なので何度も何度もしつこくお知らせをして、さらに個別に冊子などで説明を配り、説明会を開催し、
さらに投票所で個別対応で投票の仕方を説明する人を配置して、それでも無効票がかなり出る、
そんな気がしています。
ちなみに今年の市長選挙は治安が最大の争点になっています。
ここ20年ぐらいNY市の治安はずっと良くなってきていて、経済がメインになることが多かったように記憶しているので、これも気になる点ですね。