「世界のどこにもない場所」
であることをつくづく実感します。
たとえば、ある紛争地域では対立している異民族が、日曜日のセントラルパークでは
同じ広場に家族連れで来てピクニックをしていたり、
ターミナル駅では、いったい何ヶ国語が話されているんだろう、という風景が日常的だったり。
地下鉄のお知らせが路線によって地域住民の多い順に違う言語が複数書かれていたり。
他の場所なら絶対に出会わないだろうという者どうしが、知り合いになったり。
かといえば、こんなにいろいろな人が集まっているのに自国出身者としかつきあわない人(日本人に限らず)もいて…。
そんな特殊なニューヨークですが、時々、ニューヨークと似ている日本の街は、と比較されることがあります。
そこで引き合いに出される日本の街は、圧倒的に「東京」であることが多いですね。人口とかあらゆるものの集中程度とか。
しかし。
多民族であるとか国際色、という部分を除くと、意外にも大阪のほうがニューヨークっぽいと思うことがよくあります。
もちろん、私の超個人的見解に基づくものなので、確固たる根拠があるわけではない、とお断りしておきます。
まず、街の構造。
マンハッタンは南北の通りが「アヴェニュー」、東西の通りが「ストリート」で非常にわかりやすくなっています。
大阪は、幹線道路は基本的に南北方向が「○○筋」、東西方向は「○○通」。
○○筋を北へ向かうと、文字通り「キタ」の繁華街、南へ向かうと「ミナミ」の繁華街に出ます。
かなり分かりやすいですね。しかも何とか歩こうと思えば歩ける距離です。
マンハッタンのダウンタウン(南)とミッドタウン(北)もそんな感じでしょうか。
そして道に迷ったら。
ニューヨークの人は、すぐにそこらへんの人に道を聞きます。以前にも何度か記事にしましたが、
見た目からして「ネイティヴちゃいまんねん」という私ですら、三日に一度は道を聞かれるのでした。
大阪もそういう傾向がありますね。特におばちゃん。
「あ、すいませ~ん、ちょっと、○○、どこにあるか知ってはる?」
そしてきかれたほうも、99%ぐらいの確率で「あ、そこやったら、この道を左にはいって~」
と説明し始めるか、分からないときも無視はせずに「あ、ちょっとわからへんねえ」と返事はしてくれます。
そして知らないもの同士で、ちょっとした会話がはずんだりするのも、ニューヨークでも大阪でも時々あります。
私が帰省した際は、子連れで歩いていると結構な回数で、主におばちゃんが「あら~、何年生?」とか
「今日はほんまに暑いねえ」とか話しかけてくるのでした。
私は東京にもしばらく住んだり、滞在したことがあるのですが、こういう感じはなかったですね。
道とかきいても、足早に去られたり、きこえないふりをされたり、ということもしばしばでした。
それはそれで東京の作法だと思うので、どちらがいいか悪いかは言えません。
私の知人、友人の範囲なのでサンプル数は少ないですが、アメリカ人でも「大阪のほうが良かった」という人もいます。
東京は何でもあるけど、強烈な個性を感じなかった、大阪は東京ほど大きくないけど、何かおもしろかった、と。
道をきいたら、クラブに連れて行ってくれて朝まで盛り上がったとか、バーで隣のおっちゃんと盛り上がったとか。
街の基本構造としては整っているのに、なんかぐちゃぐちゃしてて、それを受け入れて、おもしろがっている
というのがニューヨークと大阪の共通項かもしれませんね。って全くの個人的独断ですけど。
あ、それと大都市ではあるけれど政治の中心地ではない、というのも似ているかもしれません。
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