今回も第2部の観劇。
この日はシトシトと霧雨が降ってて、すでに髪の毛がくるくるとしてきた…orz
注目すべき演目は、
寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
近松門左衛門生誕三六〇年記念
心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)
北新地河庄の段
天満紙屋内より大和屋の段
道行名残りの橋づくし
どちらも初見にて、少しストーリーは予習をしたつもりです。
床本を見て、メモをとりながら鑑賞している方がいて、なるほど~って。
でも自分の場合、舞台に釘付けになるので、何かを書きとめるのは難しいかとは思うけどね。
寿式~のほうは、能の『翁』を文楽に移した作品とのこと。
まさしくそんな感じで、翁と千歳と三番叟が、浄瑠璃に合わせて舞う。
天下泰平などを祈念していて、おめでたい、縁起の良い演目。
次第にテンポが速くなり、それに合わせた舞いも豪華、躍動的になっていくので見応えがある。
時々三番叟の一人が疲れて休んでいると、もう一人の三番叟が「しっかり…!」的な感じで
励ますシーンもあって、クスリと笑わせられるところも。
ひそかに応援させていただいている、三番叟の芳穂大夫さん、私の席からは
少し見えづらかったのが残念だけど、声が通ってよく聞こえてきました~
頑張って聴き分けましたよ!!
そもそも、三味線、太夫とも6人ずつくらいいるから、床にみっちり並んでいて、
床側に座っていた私は、三味線の方々は良く見えたんだけどね~。
そうそう、住大夫さんのお姿を、本当に久しぶりに拝見いたしました!!
お元気そうに見えましたが、こうやって活躍されている姿を見ると、感動とともに励まされますね
三味線の龍爾さん、いつものようにクールでした
やっぱり、じーーーーーっとは見られないので、こそこそ指の動きとか拝見してしまいました…
すびばせん
もう一つの演目、心中天網島。近松作品の名作なんだそう。ふむふむ…
しかも原作に沿った形での上演だったそうです。
私は初めて観るのでその違いは全く分からないんだけどね~
近松作品は、第1部では同じ心中ものの曽根崎心中だったようで、こちらも気にはなってた。
近松門左衛門の生誕360年なんだそうです。
紀の国屋の遊女・小春を勘十郎さん。心情が伝わってくるよう。
ついつい息をするのも忘れて見入ってしまう、不思議な魅力というかオーラ。
てか、やっぱり素敵でふ…
見続けると窒息死してまうです…
真面目な話、語りの皆さんが、本当にすごい。
かなり長い時間、一人で語り続けるというのはどんだけ大変なんだろうか。
しかも休みなく毎日上演し続けるのだから。想像できないなぁ…!
汗をふきふき、すべてを出し切る姿に、ついついこちらも力が入ってくる。
すごい疲労感なんだけど、充実感もあって、パワーがみなぎるのですよね。
肝心のストーリーは、まあ、妻子どもがいるのに遊女とできちゃった紙屋治兵衛。
小春と心中するつもりも、小春が死にたくないわと侍客に言っているのを聞いてしまい、
くっそー、心変わりしやがってーっ!!とぷりぷり怒りだす治兵衛。
でもその侍客は、実はお兄さんの孫右衛門の扮装だったのだ。
弟を思って、小春を説得に来たんですねー。
小春が思いとどまっているのも、治兵衛の妻おさんからの1通の手紙が元だったのだ。
仕事にも身が入らない治兵衛。
まだどうやら未練があるよう。
小春が恋敵の太兵衛に身請けされるという話を聞き、
他の男に身請けされるくらいなら死ぬつもりという小春の話を聞いたおさんは、
治兵衛が先に身請けできるよう、着物などを売ってお金を作り、小春を助けようとする。
おさんさん…(;O;)
しかし、その場面をおさんのお父さんに見られてしまい、おさんは連れて行かれちゃう。
治兵衛と小春は、2人で心中を決意します。
この心中のシーン、死に向かう2人を見るのはやはり辛いっすね。
浄瑠璃がまた、盛り上げるように鳴るんですよ…
そして、治兵衛が小春の首に刀を向け、自らは首をつって別の場所で死ぬ。
あぁ…こんな悲しい最後のシーンなのに、なんで美しく見えてしまうのだろうか~!
―幕―
どうやら、やっぱり息を止めてみていたらしく、苦しいったらない。
普通に見ればいいのにね。ついつい感情移入してしまっているようだ~。
終了して皆さんが席を立ったりする間、しばらくぼんやり座ってました。
江戸時代に実際に起こった事件を元に、近松はこの物語を書きあげているんだね。
江戸時代の人の気持ちは分からない。分からないことが多すぎる。
心中なんてよく分からない話だ。
の、はずなのに、何か心にずしんと来るのは、なんででしょう。
文楽にはまっていくのは、こういうことなんですな。うまく言葉にはできないけど。
東京のチケットは、満員御礼で、プラチナ感満載です。
次回の公演チケットがちゃんと取れるかどうかも不安なくらい。
今回も、存分に楽しませていただきました~
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