スルー予定だった本作、諸般の事情により数日前に観てきました。スルー予定だっただけあって、失礼ながら期待していなかったんですが、まさかの収穫などもありそれなり楽しませていただきました。
あらすじです。
姫路藩主の松平直矩は、幕府から豊後・日田への国替えを命じられ、度重なる国替えで財政が困窮している上に減封と、藩最大のピンチに頭を抱えていた。ある日、人と交わらずにいつも本を読んでいて「かたつむり」と呼ばれている書庫番の片桐春之介(星野源)は、書物好きなら博識だろうと、国替えを仕切る引っ越し奉行に任命される。 (シネマトゥデイ)
この松平直矩という藩主は実在の人物らしいですね。本当に何度も国替えさせられたとか…超大変。一家族で引っ越しするだけでも大変なのに、藩全体で遠く離れた地へ引っ越さねばならないのですからねー。
そして、その国替え一切の采配を行う奉行に任命されたのが、書庫版の片桐(星野源)なのでした。見た目も冴えないし、コミュニケーションもうまく取れないような人物が、どうやって藩をまとめていくのか。そのやり取りが、面白おかしく描かれていました。
基本はコメディ色が濃いのですが、時々ハラハラさせられたりもして、うまくバランスが取れている映画なのかもな~と思いながら観ていました。
そして、ミュージカル風に時々歌って踊るシーンが出てくるのも、この映画の特徴ではないでしょうか。最初は違和感もあったのですが、よく考えたら、文楽(だけに限らず古典芸能)でも急に一人で語りだしたり踊りだしたりするシーンが出てくるし、しかもなんか踊りの雰囲気にも伝統芸能みを感じる…なんだろう、この感じ…。ずっとそんなことを感じていたのですが、エンドロールで判明しました!ダンスのシーンは野村萬斎さんが監修しているとのこと。道理で伝統芸能みがあるわけね。そういう意味では、新しい時代劇であると同時に、昔ながらの、というか古典も大事に作られている映画なのかもしれません。これが収穫でした。
たぶん、このタイプの映画はうちの母親も楽しめそう。WOWOWとかで来ると思うので(笑)、その時は忘れず教えてあげようと思ったのでした。