シリーズものに手を出すかどうか迷ったけれども…
ストーリー
「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」
人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
親しくなるにつれて尚哉は、高槻の瞳が時々夜空のような青色に変わることや超記憶能力を持っていることなどを知る。
実は高槻もまた、幼い頃に奇妙な体験をしていたのだ……。
このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。
――「第一章 いないはずの隣人」
ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。
――― 「第二章 針を吐く娘」
肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。
――「第三章 神隠しの家」
果たしてこの世に「本物の怪異」は存在するのか――?
読まない手はない!今、売れに売れています!
ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!!
怪異や民俗学といった興味のあるワードが出てきて、これまで読書アプリなんかで感想を見かけるたびに「面白そうだなぁ」と思っていたんだよね。でもシリーズものっぽいし?面白かったら全部集めて読む覚悟が必要だよなと、しばらく読みたい本のリストに入れて放置。
ついに、合わなければそれはそれで良し!と手に取ってみました。
高槻先生のキャラも面白いし、大学生の深町くんとのコンビとしての掛け合いが面白い。まだ出会ったばかりの2人だけど、過去(子供の頃)に人には言えない経験をしたという共通点から通じ合う部分があるという、出会うべくして出会ったという感じがする。凸凹コンビもの、結構好きなんだな。
さすが民俗学の准教授である高槻先生なので、彼が各地の怪異や都市伝説を説明してくれると分かりやすい。まるで学生の頃に戻って講義を受けているような気持ちになる。こういうテーマに興味があっても難しそうだなと思っていた人にはとっつきやすいかも。
さまざまな怪異と思われる現象に出会い、その謎を解くというストーリーなんだけど、確かに良く分からない現象に出会ったときは、それに解釈を与えることで安心できるってあるよね。たとえば、ある異音の原因が幽霊の仕業だと解釈したとしても、何の理由もないよりは自分の中で納得して、何らかの折り合いがつくというか対処できるわけだし。
逆に、現実の人間が起こす事件やその動機のほうが、想像もつかない恐ろしいものだったりする。
ライトな小説ではあるけど、高槻先生と深町くんの抱えている秘密が結構ヘビーなのでそのバランスも危うくて、今後どうなっていくのか楽しみ。
というわけで、少しずつ読み進めていければいいなと思っています。