★橋本治『浄瑠璃を読もう』新潮社
この本を読むのに、どんだけ時間がかかっただろう…
ってくらい、なかなか読み進めるのが難しく、というか理解しながら読むのに時間がかかる。
橋本さんの特徴的な言い回しが、だいぶ読みにくさを醸し出しているんだと思う…^^;
だけど、何か、今まで文楽を観る度に、
どうせ私は素人だし、何言っているか理解するのも大変だし、
だからといって、お決まりのストーリーに対して、
きっとこんなことを言わんと(伝えようと)してるに違いない、なんて
頑張って理解したふりをしていたような気がするんだよね。
ところが、これを読むと、
なぜそんな風に難しいものなのか、近寄りがたいものと感じてしまうのかっていうのが
少しだけ分かったかもしれない。
江戸時代の人たちが何を考えて生きていたかなんて分からないので、
きっと、ぽや~んと観ていても何が何だか分からないなんてことになるんですな。
だから「読む」ってことが大事なんだと仰っているのだと思われます。
読むと、あれま、こんなこと言ってたのかとか、新鮮な驚きもありますしね~。
読んだところで、意味不明なところも実はあったんだけど、
それはそういうもんなんだ、と無理やり納得してしまおう!って感じ。
果たしてそれで理解したと言えるのだろうか?疑問ではあるけど。
仮名手本忠臣蔵や義経千本桜、冥途の飛脚、などなど、
有名、人気どころの解釈なのも、嬉しいところであります。
公演では通しで観ることがないので、ストーリー全体の背景とかを知ることができたのも収穫。
ただあらすじをなぞるだけではない、バックにある考え方にまで及んだ予習ができたかな、と思う。
相変わらず、難易度は高い文楽ですけど、
だからこそ少しずつ発見があるたびに面白いと思うわけです。
奥深い世界だなぁ。