『ありがち日記』

ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』

文庫化が話題になり、一時は某オンラインショップでも売り切れていたほど。SNSでフォローしている方がおススメしていたので気軽な気持ちで手に取ったわけ…およそ670ページ、難儀して、ひと夏かかって読了ですわ(笑)


ストーリー
蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。 

そもそもラテンアメリカ文学に触れることがほぼ無い。何となく著者の出身地コロンビアの、19世紀頃の話(歴史的な出来事も背景に描かれているので)かなぁと頭では理解しているのだけど、雨が何年も振り続けたり、急に死んだ人が出てきたり、少女が文字通り昇天したり…とにかく不思議なことが当たり前のように出てくる。いわゆるこれが「マジックリアリズム」の手法。

どこかで同じような雰囲気を味わったなぁ…と読了後に振り返っていたら思い出した。2年くらい前に読んだ呉明益『歩道橋の魔術師』だ!

文庫を引っ張り出してみたら、なんとガブリエル・ガルシア・マルケスの言葉が引用されていた…マジか!!

おそらく、このラテンアメリカ文学に衝撃を受け、影響を受けた作家は数多くいるのだろう。

私はというと…
もともと好きなのかもしれないけど、すっかりマコンドを舞台にしたこのストーリーの世界観に浸かってしまった。マコンドという村を作ったホセ・アルカディオ・ブエンディアと妻のウルスラから始まる孤独な一族の歴史。村の誕生から衰退・消滅まで、それは一族の繁栄と衰退の歴史でもあった。

100年の月日で世界は変わり続けているんだけど、この一族は、アルカディオとアウレリャノだらけの名前で伺えるように、同じことを反復しているんだよね。世間から隔絶された狭い村で。そりゃ滅びるさね…。同じ名前の登場人物だらけで混乱するのだけど、ただ単調に月日が過ぎるわけではなく、時にドラマティック、ある時はファンタジー、ある時はあっさり…。その度に可笑しみや虚しさなどいろんなものがごちゃごちゃと湧き上がってきて、面白い読書体験の一つとなった。

でもさ、長すぎるよ(笑)
アルカディオかアウレリャノが出るたびに、どのアルカディオ?どのアウレリャノ?ってなるし。独特の世界観にも挫折する人の気持ちもすっごくわかる。

いつかもう一度読み返すことがあるだろうか??
分からないけど、歩道橋の魔術師の時のような出会いがあるかもしれないね。
これも読書の楽しみの一つだ!


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