私がお茶を習い始めたのは成人式を終えた頃でしたから、もう半世紀以上も前のことになります。
お茶を始めた動機は至って単純で、着物を着る機会が欲しかったからです。
(若い頃から着物が好きでしたし、それに、私の中では『お茶の世界=着物』というイメージがありましたので)
今のようにインターネットも無い時代でしたが、幸運にも紹介して下さる方がいて、私は、ある茶道教室に入門することが出来ました。
これで着物を着る機会が出来た・・・とるんるん気分の私でしたが、思惑は見事に外れ、入門したての私に、着物を着る機会など殆ど有りませんでした。
今になれば、茶会や茶事に参加できるようになるのは、それなりの修行(経験?)を積んでからでないと無理・・・と言うことはよく分かるのですが、当時は本当に無知でした。
(思い返すだけで恥ずかしい・・・。(>_<))
「お茶をやって着物を着よう!」という私の思惑は外れてしまいましたが、それでも、私がお茶を止めずにお稽古に通い続けたのは、一にも二にも先生(師範)が素敵だったから。 (*^_^*) (*^_^*)
当時の先生はすでに70歳は越えていたと思われ、私から見れば立派なおじいさんの部類に入っていましたが、いつも和服をお召しになり、端然と座しているお姿に私は引きつけられました。
(恋をしたと言っても良いかも知れません。50歳も年の差がありましたけれど。)
(*^_^*)
そして、私もお茶のお稽古を続けていれば、先生のように素敵な人間になれるかも知れない・・・と本気で思ったものです。
そんな私でしたが、いろいろな事情があり、現在はお茶の世界から身を退いています。
もう年齢的にも、再びお茶の世界に戻ることはないでしょう。
そう思いながら、いつの間にか溜まってしまった道具類の整理を始めました。
(見だし画像↑)のお茶碗は、私が、自分で初めて買った『仁清の写し』です。
京都に旅行をしたときに帰りの新幹線代だけを残し、有り金をはたいて買ったものです。 (当時は、まだ、若い女の子がカード持つなんて考えられない時代でした)
半世紀も昔の事なのに、その時の気持ちの高揚や、傷付けないように大切に抱えて帰ってきたことを、今でも良く覚えています。
このように、道具を一つ取り出す度に想い出が蘇り、整理(断捨離?)がなかなか捗りません。
でも、自分の歩いてきた道ですもの、想い出に浸るのも悪くありませんよね。
そして、想い出がある限り、無理に整理(断捨離)をする必要もないような気がしてきました。
まあ、焦らず、のんびりとやる事に致しましょう。
(*^_^*)