歌詞を味わうブログ

1980年代から1990年代の日本のポップスの歌詞を味わうブログ

『花ぬすびと』 作詞:すずきゆみ子(紫苑)

2021-10-20 05:25:00 | 歌詞を味わう
リリース:1982年

久しぶりの投稿となりましたが、訪問いただきありがとうございます。

今回は明日香さん(菅美奈子)の『花ぬすびと』を取り上げます。
『花ぬすびと』は明日香さんのデビュー曲ですが、第23回、ヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)で優秀曲賞を受賞した曲でもあります。
すずきゆみ子さんは明日香さんの高校時代の同級生で、すずきゆみ子さんの歌詞に明日香さんが曲をつけたとされています。
さっそく1番の歌詞から見ていきましょう。

「花ぬすびとの伝説が
別れ話のはじまりでした
私が話す伝説を貴方は笑って聞き流す
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
あなたは私のひざの上
白河夜船の波枕」

「二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに花が咲く
二度咲き 夢咲き狂い咲き
人の心もまた同じこと」

花ぬすびとの伝説とは何か、というのは諸説あって、狂言の『花盗人』だと言う説を主張する人もおりますが、私は「エムズの片割れ」さんのサイトの説を推したいと思います。
その理由は、狂言の方は普通に桜の時期に桜が咲いている話であるのに対し、鉄粉から時期でもないのに色々な花が咲くからです。
続いて2番の歌詞を見てみましょう。

「白樺めばえる春の日に
秋の花が欲しくなる
育ちやすく 枯れやすく」

「野の草分けて吹く風は
ぬすびと伝説物語る
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
私の花をぬすんだ人は
野分きのようにかけぬけた」

「二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに花が咲く
二度咲き 夢咲き狂い咲き
人の心もまた同じこと」

「育ちやすく 枯れやすく」という部分が、まさに「エムズの片割れ」さんの説明と符合するわけです。
それから、季節でないのに花が咲くという部分が、ごめんねというフレーズが女心の複雑さを表していますね。
引き続き3番の歌詞を見てみましょう。

「野分きがわたる秋の日に
夏の花を追いかける
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい」

「二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに花が咲く
二度咲き 夢咲き狂い咲き
人の心もまた同じこと」

「ごめんね」というフレーズが耳に残る一曲ですが、季節でないのに花を咲かせたことが、そんなに申し訳ないのでしょうか。

ところで、私のペンネーム『しょうじょうこ』(小上粉)は蓼藍(たであい)の一種で、夏には生葉染めやたたき染め、すくもがたてば発酵染めと活躍しますが、花が咲くのは晩秋で、小さな白い花を咲かせます。
一般的にはこの時期は花の季節ではないけれども、晩秋にひっそり咲くその姿にあやかりたいところです。

全国的に寒い季節に入っていきますが、どうぞご自愛くださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました。